マネックスグループ(8698)企業分析レポート

株価(10/21終値):801円/時価総額:2,031.7億円/配当利回り(会社予想):3.80%/PBR(実績):1.71倍

1. 企業情報

  • 概要:オンライン専業の金融グループ。日米の証券ビジネス、暗号資産(Coincheck)、アセットマネジメント・ウェルスマネジメント(AM・WM)、投資事業を展開。国内ネット証券事業は2024年1月にNTTドコモへ売却(持分法適用会社へ)。米国ではTradeStation、暗号資産はコインチェックを中心に展開。
  • 事業構成(2025年3月期・連結):受入手数料44%、トレーディング損益16%、金融収益35%、その他5%
  • 体制・会計:IFRS。2026年3月期1Qより「証券」「クリプトアセット」「AM・WM」「投資」の4セグメントへ再編。
  • 主要子会社・関連:TradeStation Securities, Coincheck(Coincheck Group N.V.)、マネックス・アセットマネジメント、3iQ、Westfield(持分法)など。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:
    • 国内ネット証券は売却済で、グループの軸は米国証券(アクティブトレーダー基盤のTradeStation)と暗号資産(Coincheck)、加えてAM・WMのAUM拡大。
    • 暗号資産市場では、コインチェックは国内主要取引所の一角(取引量・口座数で上位グループに属する時期が多い)。
  • 競争優位・課題:
    • 優位性:アクティブトレーダー向け取引基盤(TradeStationのプラットフォーム)、暗号資産におけるIEO等の企画力、デジタル資産×運用(3iQ等)を含むポートフォリオ。
    • 課題:市況・ボラティリティ依存度が高く収益変動が大きい点。暗号資産では規制・手数料競争、米証券では零細手数料化・新興競合(フリーブローカー等)との競争。

3. 経営戦略と重点分野

  • 戦略の方向性(短信・開示より整理):
    • 事業ポートフォリオの最適化(セグメント再編)。
    • AM・WMのAUM拡大と収益多角化(Westfield持分法適用、成功報酬の積み上げ)。
    • クリプトはIEO等の案件組成、プロダクト拡充。Coincheck Group N.V.のNASDAQ上場関連対応(コスト発生)。
    • 証券はTradeStation中心にアクティブトレーダーのDARTs回復と金融収益(貸株・預り金金利等)取り込み。
  • 業績予想:通期予想は未開示(市況影響が大きい方針)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益ドライバー:取引高(株・先物・FX・暗号資産)、金利水準(金融収益)、AUM・パフォーマンス(AM・WM)、投資事業の評価損益。
  • 持続性評価の観点:
    • 市況依存のボラティリティは高い一方、証券・暗号資産・AM/WMの分散でサイクル耐性向上を志向。
    • 金利上昇局面では金融収益が支えに、逆にボラ低下や規制強化は逆風。
    • AM・WMのAUM拡大は比較的ストック性を高める施策。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・プロダクト:
    • TradeStationの高機能取引プラットフォーム(API、自動売買等)/コインチェックのIEO、販売所・取引所サービス。
    • 3iQ等のデジタル資産運用商品、CraftChat(マーケティングSaaS)などの新領域。
  • 収益牽引:
    • 2026年3月期1Qは証券セグメントが最大の利益貢献。AM・WMはAUM増で伸長。クリプトはコスト増・案件剥落で赤字。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(実績・LTMベースの目安):
    • PBR:1.71倍(BPS 469.79円、株価801円)
    • PER:未算出(LTMは赤字)
    • EV/売上高:おおよそ2.6〜2.8倍(EV約2,019〜2,020億円=時価総額2,031.7億+有利子負債1,057.5億−現金同等物1,069.9億、売上高LTM約776億円(会計表示差で幅あり))
    • EV/EBITDA:約28倍(EBITDA LTM 約72億円)
  • 業界平均との比較(参考):業界平均PBR約1.0倍、PER約13.3倍(提供データ)。同社はPER比較不可、PBRは平均を上回る水準。

7. テクニカル分析(短期の位置づけ)

  • 価格帯:年初来高値995円/安値557円。52週高値1,221円・安値557円。
  • トレンド指標:50日移動平均804円、200日移動平均773円。現値801円は50日線付近・200日線上。
  • 直近10日:859円→826→788→795→777→800→801など、出来高は直近やや低下。レンジ内推移が続く状況。
  • 信用動向:信用買残659万株(前週比▲58.6万株)、信用倍率9.0倍。買い残の整理が進行。

8. 財務諸表分析(IFRS、連結)

  • 損益(百万円)
    • 売上高:77,627(2025/3 LTM)/ 83,382(2024/3)/ 57,568(2023/3)/ 96,312(2022/3)
    • 営業利益:16,278(LTM)/ 33,999 / 10,157 / 27,660
    • 当期純利益:▲5,067(LTM)/ 31,293 / 3,392 / 13,017
    • 営業利益率(LTM):約21%、純利益率(LTM):約▲6〜8%(データ差による幅)
    • 金融費用負担が重く、EBIT対比で税前利益を圧迫(LTM EBIT約21.9億円、利息費用約68.2億円)。
  • 効率性
    • ROE(実績):▲3.96%、ROA(LTM):約▲1.2%。
  • 財政状態・流動性
    • 自己資本比率:17.5%、D/E:約88%、現金同等物:約1,070億円、有利子負債:約1,058億円。
    • 流動比率は高水準(ブローカー特性による勘定構造の影響が大きい)。
  • トレンド:
    • 売上は2024/3に回復後、LTMはやや減速。営業黒字維持も、純損失に転じる局面(クリプト関連コスト、金融費用などの影響)。

9. 株主還元と配当方針

  • 方針:年間配当下限30円を基本。親会社所有者帰属利益の50%が30円を上回る場合は、その50%を下限に配当。自己株式取得は機動的に実施の可能性あり。
  • 配当実績・予想:
    • 2025年3月期実績:年間40.30円(うち特別配当10円含む)
    • 2026年3月期会社予想:年間30.40円(中間・期末各15.20円)
    • 予想配当利回り:約3.8%(株価801円)
    • 参考:Payout Ratio(外部データ)約118%(LTM赤字のため指標解釈に留意)
  • 自己株式:保有あり(期末自己株式数2,494,914株、2026年3月期1Q)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週で+21.4%(提供データ)。β値0.54(ボラティリティは市場平均より低めの期が多い)。
  • 投資家関心の材料:
    • クリプト市場動向(価格・出来高・規制)、Coincheck関連の上場・案件動向(IEO等)
    • 米金利水準とアクティブトレーダーの取引回復(DARTs)
    • AM・WMのAUM増加・成功報酬発生
    • 次回決算(2025/11/7予定)、配当関連(権利落ち 2026/3/30予定)

11. 総評

  • 収益構造は市況感応度が高いが、証券(米)、暗号資産、AM・WMの複線化で収益源の分散を進めている。直近1Qは証券・AM・WMが堅調、クリプトはコスト増・案件剥落で赤字。
  • 財務は自己資本比率が低めで、金融費用の負担が収益性を抑制。手数料・金融収益・成功報酬の積み上げにより、営業段階の収益力は維持している。
  • バリュエーションはPER比較不可、PBRは業界平均を上回る水準。テクニカルでは50日・200日線近辺のもみ合い圏。
  • 今後は、クリプト関連の市場環境・規制、米トレーディング活動の回復度合い、AM・WMのAUM拡大が業績を左右しやすい。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:C
    • 根拠:LTM売上は前年(2024/3)比で減少(約▲7%)。3年では増減を繰り返すが、足元は減速。
  • 収益性:B
    • 根拠:営業利益率は2桁で黒字維持。一方で純損失・金融費用負担が重い(平均並み評価)。
  • 財務健全性:C
    • 根拠:自己資本比率17.5%、D/E約88%。一般的な健全目安(自己資本比率40%前後)に比べ低水準。
  • 株価バリュエーション:C
    • 根拠:PER比較不可、PBR1.71倍は業界平均(約1.0倍)を上回る。EV/EBITDAも高めの水準。

参考データ
– 主要財務(LTM):売上高約7,762.7億円、営業利益162.8億円、当期純利益▲50.7億円、EBITDA約71.9億円、BPS 469.79円、ROE▲3.96%、自己資本比率17.5%
– テクニカル:50日線804円、200日線773円、年初来高値995円・安値557円
– 株主構成(上位):しずおかフィナンシャルG(20.14%)、日本マスタートラスト信託銀行(11.43%)、(株)松本(8.71%)ほか、インサイダー比率30.65%、機関保有19.82%

注記
– 本レポートは提供データに基づく事実整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
– IFRS上の表示差(総額/純額等)により、売上・利益の見かけ値が異なる場合があります。詳細は原資料(決算短信等)をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 8698
企業名 マネックスグループ
URL http://www.monexgroup.jp/
市場区分 プライム市場
業種 金融(除く銀行) – 証券、商品先物取引業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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