ダイワボウホールディングス(3107)企業分析レポート

株価:2,865.5円(2025-10-21終値)
市場区分:プライム(卸売業/商社・卸売)
時価総額:2,761億円

1. 企業情報

  • 概要
    • グループ中核はダイワボウ情報システム(DIS)。国内でITインフラ(PC、サーバー、ネットワーク機器等)のディストリビューションを展開し、物流・技術サポートやサブスク管理ポータル「iKAZUCHI(雷)」も提供。
    • 産業機械事業は、工作機械(立旋盤・研削盤等)、自動包装機など。機械・部品の製造販売も行う。
    • 連結事業構成(2025.3):ITインフラ流通 99%(営業利益率3%台)、産業機械 1%(同7%台)
    • 紡績は譲渡済。ホールディングス体制でポートフォリオ転換を推進。
  • 基本データ
    • 本社:大阪市北区中之島
    • 設立:1941年
    • 従業員:3,165人、平均年齢46.9歳、平均年収862万円

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内ITインフラ流通で大口の取扱規模を有し、文教(GIGAスクール)、企業・公共、量販店向けまで顧客層が広い点が強み。
    • サブスク管理ポータル「iKAZUCHI」により、ハードに加えソフト・サービスの継続課金モデルを拡大。
  • 競争優位性と課題
    • 優位性:全国販売網と在庫・物流・技術支援の一体運営、マルチベンダー対応力、教育・公共大型案件の実績。
    • 課題:ディストリビューション特有の低マージン構造、サイクル(Windows10サポート終了、GIGA更新等)に伴う需要変動、仕入価格・在庫の適正化管理。

※公表資料に市場シェア数値の明記はなし。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方針
    • 中期(2025/3〜2027/3):事業ポートフォリオ変革による躍進期。「ホールディングス体制での成長」「過去最高へのチャレンジ」「ステークホルダーエンゲージメント向上」および『2030 VISION』の実現。
  • 重点施策
    • IT流通:GIGAスクール端末のリプレース、企業のIT更新案件、データセンター/インフラ商材拡大、サブスク「iKAZUCHI」の提案強化、量販チャネル強化。
    • 産業機械:国内での造船・エネルギー・航空機向け回復領域を取り込み、IoT対応や大型機の提案を強化。海外は地域ごとに選択的展開。
  • 業績予想(会社計画、2026/3期)
    • 売上高 1兆2,800億円(前年比+12.6%)
    • 営業利益 435億円(+24.7%)
    • 親会社株主帰属当期純利益 301億円(+21.6%)
    • 1株当たり利益(EPS)335.73円

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 収益の大宗はハードの卸売(薄利多売)だが、保守・技術支援、物流付加価値、サブスク管理の継続課金でストック性を補強。
  • 市場変化への適応
    • Windows10サポ切れやGIGA更新などの更新サイクル需要を捉える一方、サブスク・クラウド・データセンターなど、ハード以外の領域も拡大。
    • マージンの底上げには、サービス比率の上昇と在庫・価格の精緻管理が鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • 「iKAZUCHI(雷)」によるサブスクリプション管理・販売促進の仕組みを内製的に展開。ディストリビューターとしてのサービス化が特徴。
  • 収益ドライバー
    • ITインフラ流通(PC、サーバー、NW機器、量販店向け商材)、教育向け端末更新、企業の更改案件。
    • 産業機械は国内大型機やIoT対応案件の回復が寄与(比率は小さいが増益寄与)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提データ
    • 株価:2,865.5円、EPS(会社予想):335.46円、BPS(実績):1,725.08円
    • PER(予想):8.54倍、PBR(実績):1.66倍
    • EV ≒ 時価総額2,761億円 +(有利子負債207億円 − 現金191億円)≒ 2,777億円
    • 売上高(LTM):約1兆1,368億円 → EV/Sales ≒ 0.24倍
    • 配当利回り(予想):3.49%(年間100円)
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER:12.1倍 → 同社はディスカウント(約29%低い)
    • 業界平均PBR:1.0倍 → 同社はプレミアム(約+66%)
    • EV/Salesは0.24倍と低位水準
  • 所見(定量比較)
    • 収益指標(PER・EV/S)では割安寄り、資産指標(PBR)は平均超。EPS成長見通し(会社計画)と配当利回りの組合せは数値上の下支え要因。

7. テクニカル分析

  • トレンド位置
    • 50日移動平均:3,037円 > 現在値 → 短期はやや下方圧力
    • 200日移動平均:2,713円 < 現在値 → 中長期は上昇トレンド維持
    • 52週レンジ:2,083.5〜3,327円、現在値はレンジ上側約63%地点(中位からやや上)
  • 直近10日値動き
    • 2,940円前後から2,860円台へじり安〜持ち合い。出来高は3カ月平均と同程度(約31万株)。
  • 需給
    • 信用買残22.7万株、信用倍率19.07倍(買い長)。買残は前週比減少、売残も減少。

8. 財務諸表分析

  • 成長
    • 売上高:7638億円(2022/3)→ 9039億円(2023/3)→ 9676億円(2024/3)→ 1兆1,368億円(LTM)
    • 3年程度のCAGRは約14%前後、直近期の四半期売上成長+27.5%(YoY)
  • 収益性(LTMベース)
    • 粗利率:約7.0%(79,796/1,136,817)
    • 営業利益率:約3.1〜3.4%
    • 当期純利益率:約2.2〜2.4%
    • EBITDA:約380億円
  • 効率・資本収益
    • ROE(実績):16.84%(資料別項ではLTM 19.6%程度の記載もあり)
    • ROA(LTM):約6.36%
  • 安全性
    • 自己資本比率:34.6%(前期末)→ 第1四半期末 36.8%
    • 流動比率:157%(第1四半期)
    • 総有利子負債:207億円、現金191億円 → 実質ネット有利子負債は軽微
    • D/E(負債資本比率):約13%
  • 特記事項
    • 2024/3期は一過性要因(特別損失等)で純利益が低位。Normalized指標では業績の底堅さが示唆。

※キャッシュフローは四半期CF計算書未作成のため割愛。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2025/3期実績:年90円(中間45・期末45)
    • 2026/3期予想:年100円(中間50・期末50)予想据え置き
    • 予想配当性向:約30%(会社公表のPayout Ratio(過去ベース)33%)
  • 自社株
    • 自己株式比率:6.69%(累積の自己株保有あり)
  • 総還元
    • 期中の新たな自社株買い公表は本データ内では未確認。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 短期:50日線割れでモメンタム鈍化
    • 中長期:200日線上で基調は堅調
  • 投資家関心
    • 機関投資家保有比率:約50%、インサイダー保有5.4%
    • 信用倍率は高水準(買い長)だが、買残は前週比で減少しつつある。
  • イベント
    • 2025-11-06:決算発表予定
    • 2026-03-30:権利落ち(予定)

11. 総評

  • 需要環境は、Windows10サポ切れやGIGA更新の追い風に加え、企業IT刷新・データセンター関連の拡大で好調。IT流通の薄利構造ながら、サブスク「iKAZUCHI」やサービス比率の上昇で利益率改善の余地がある。
  • 収益はLTMで増収増益、ROEは比較的高位。財務健全性も自己資本比率の改善やネット有利子負債の軽さから安定的。
  • バリュエーションはPER・EV/Sで相対的に低位、PBRは平均超。配当利回りは自社過去平均(5年)をやや上回る水準。
  • テクニカルは短期調整、中長期は上昇基調を維持。信用需給は買い長で短期変動には留意。
  • 中計では“事業ポートフォリオ変革”を掲げ、IT流通におけるサービス化・サブスク拡大と、産機の収益改善がテーマ。大型案件の反動、為替・中国動向、在庫管理などが主なリスク要因。

(注)本レポートは公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 理由:LTM売上+17%超、Q1売上+27.5%YoY、3年CAGR約14%と伸長。
  • 収益性:B
    • 理由:粗利率約7%、営業利益率3%台とディストリ向け標準的水準。ROEは高めだが、利益率自体は中位。
  • 財務健全性:A
    • 理由:自己資本比率34.6%→36.8%へ改善、流動比率157%、D/E約13%と健全。
  • 株価バリュエーション:A
    • 理由:PER8.5倍(業界平均12.1倍を下回る)、EV/S約0.24倍と低位。一方PBRは1.66倍(平均1.0倍超)だが、総合判定は割安寄り。

企業情報

銘柄コード 3107
企業名 ダイワボウホールディングス
URL http://www.daiwabo-holdings.com/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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