大阪瓦斯(9532)企業分析レポート
株価:4,197円(終値ベース)/時価総額:1.67兆円/市場区分:東証プライム/業種:電気・ガス業
本資料は公開情報の整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。数値は連結ベース(特記除く)。一過性損益は可能な限り除外、欠損は「—」としています。
1. 企業情報
- 概要:関西(京阪神)を基盤とする都市ガス大手で国内2位。ガス・電力の供給に加え、海外の天然ガス開発・投資、L&Bソリューション(不動産、情報処理、ファイン材・カーボン材ほか)を展開する総合エネルギー企業。
- セグメント構成(会社開示の目安)
- 国内エネルギー:約84%(利益率目安4%)
- 海外エネルギー:約5%(利益率目安42%)
- ライフ&ビジネスソリューション:約11%(利益率目安10%)
- 技術・特色:コージェネレーション(熱電併給)、燃料電池用触媒等で技術力に定評。水素・アンモニア関連の知見を保有。
- 供給規模(2026年3月期1Q):ガス供給件数約512万件、電力販売量3,473百万kWh(小売・卸合計)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:都市ガス供給で東京瓦斯に次ぐ2位。関西広域の都市ガス・電力を軸に需要家基盤が厚い。
- 競争環境:電力・ガス自由化で競争は構造的に継続。燃料費調整制度の「タイムラグ」により、原燃料価格急変時の収益変動が発生しやすい。
- 競合:東京瓦斯、東邦ガス、西部ガスなどの地域ガス大手に加え、電力・新電力との競合も想定。
- 課題・優位性
- 優位性:大規模需要家・家庭の厚い顧客基盤、インフラ・配送網、コージェネ・燃料電池などのソリューション力。
- 課題:燃料価格・為替の変動感応度、脱炭素対応への継続投資、規制・制度変更リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(開示・記載からの要点)
- 国内:ガス・電力の総合エネルギー化を深化。コージェネ、需要家向け省エネ・最適化ソリューションの提供。
- 海外:LNGを中心とするガスバリューチェーンへの投資・開発・権益確保(持分法利益の寄与が大きい期もあり)。
- L&Bソリューション:不動産(開発・賃貸)、情報処理、ファイン材・カーボン材など非エネルギー領域での収益多角化。
- 脱炭素:水素・アンモニア、分散電源、燃料電池など低炭素技術の活用。
- 2026年3月期1Q(進捗の一端)
- セグメント営業利益(百万円):国内25,644/海外16,185/LBS 4,571
- 持分法投資利益は主に海外セグメントが牽引(約10,344百万円)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:規制・料金制度に基づく都市ガス供給+電力小売・卸+海外ガス権益+非エネルギー事業。原燃料費の変動は料金に反映されるが、反映までの時間差が期中の収益を振れさせる特性。
- 持続性の観点:
- 安定:インフラ事業・顧客基盤・多角化によりベースは比較的安定。
- 変動要因:燃料価格・為替、気温・経済活動など需要要因、制度変更。エネルギー転換対応の投資負担。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:コージェネ、高効率ガス機器、燃料電池用触媒、水素・アンモニア混焼・利活用等。
- 収益牽引:
- 国内エネルギー(都市ガス・電力)が売上の中核。
- 海外エネルギーは投資・権益の寄与(持分法利益含む)が利益面で効く期がある。
- L&Bソリューションは不動産・情報処理・高機能材の安定貢献。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 主要指標(現状)
- PER(会社予想):13.08倍(EPS 320.87円)
- PBR:1.01倍(BPS 4,141.75円)
- EV/売上:2,349,070百万円(概算EV)/ 2,069,019百万円 ≈ 1.14倍
- EV/EBITDA:2,349,070 / 332,131 ≈ 約7.1倍(LTM)
- 配当利回り(予想):2.50%(年105円、配当性向28.5%)
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:約7.0倍 → 当社は上回る水準
- 業界平均PBR:約0.7倍 → 当社は上回る水準
- 参考レンジ評価(単純比較)
- PER基準(業界平均7倍×EPS):約2,247円
- PBR基準(業界平均0.7倍×BPS):約2,899円
- 配当利回り基準(5年平均利回り2.56%で逆算):約4,102円
注:各手法は前提・事業構成差で妥当レンジが変動。総合判断にはセグメント構成・規制要因・海外寄与等の考慮が必要。
7. テクニカル分析
- トレンド位置づけ:終値4,197円は
- 50日移動平均4,239.9円のやや下(-1.0%)
- 200日移動平均3,670.8円の上(+14.3%)
→ 中長期は上向き基調の範囲、短期はやや弱含み。
– 52週レンジ:2,946〜4,430円。現状は高値から約-5.3%の位置で上方レンジ内。
– 出来高:10日平均約91万株(3カ月平均約95万株と同程度)。
– 短期値動き:直近10営業日で概ね4,100〜4,320円のレンジ推移、5日ベースで緩やかに反発。
– 信用動向:信用倍率3.14倍、買残増(+42.5千株)・売残減(-6.2千株)で短期はロング傾斜。
8. 財務諸表分析(LTM中心)
- 売上高:2,069,019百万円(前年2,083,050→微減、YoY -0.7%)
- 粗利:405,577百万円(粗利率19.6%)
- 営業利益:160,731百万円(営業利益率7.8%)
- EBIT:204,582百万円(EBITマージン約9.9%)
- 当期純利益:134,414百万円(純利率約6.5%)
- EBITDA:332,131百万円(マージン約16.1%)
- ROE:8.23%(実績)、ROA:3.51%(参考データ)
- 財政状態
- 自己資本比率:52.8%(1Q末参考:51.2%)
- 総有利子負債:835,140百万円/現金同等物:155,980百万円 → ネットDEBT約6,791億円
- ネットDEBT/EBITDA:約2.0倍、金利負担余力(EBIT/金利費用):約13.4倍
- 流動比率:1.73倍
- 備考:原料価格の変動と料金反映の時差が粗利・営業利益に期ズレ影響。海外は持分法利益の影響度が大きい期あり。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績(2025/3):年95円
- 配当予想(2026/3):年105円(中間・期末 各52.5円)
- 予想配当利回り:2.50%(株価4,197円)
- 配当性向:28.5%(会社データ)
- 自己株式:発行済の約1.76%を保有(7,127,200株)。自社株買いプログラムの有無は—(本資料では未確認)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:+30.27%(S&P500対比も相対堅調)
- ベータ(5年):-0.17(市場連動性は低めの統計値)
- 機関投資家保有比率:約48.9%、インサイダー:約2.7%
- 近々のイベント:決算発表(2025/10/30予定)、権利落ち(2026/3/30予定)
- 影響要因:原燃料・為替、気温(需要)、制度変更、海外投資の持分法利益、連結範囲の変更等。
11. 総評
- 事業面:国内ガス・電力の安定基盤に加え、海外権益とL&Bソリューションで分散。低炭素化ソリューション(コージェネ/燃料電池/水素・アンモニア)に取り組む。
- 収益面:燃料費調整のタイムラグや為替で期中の振れはある一方、LTMでは営業利益率7〜10%レンジ、ROE8%台と安定圏。財務健全性は自己資本比率50%超、ネットDEBT/EBITDA約2倍で良好な範囲。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均を上回る水準。配当は利回り2.5%・性向28.5%で持続可能性は確保されている印象。総合的には、安定基盤と多角化の一方で、燃料価格・為替・制度の感応度が中期の注視点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上YoY -0.7%(横ばい圏)、3年CAGR約+9%(燃料価格影響含む)。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率LTM約7.8%(EBIT約9.9%)、粗利率約19.6%。業界平均詳細欠損のため中立評価。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率52.8%、流動比率1.73、D/E約0.5倍、ネットDEBT/EBITDA約2.0倍。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER13.1倍・PBR1.01倍は業界平均(PER7倍、PBR0.7倍)を上回る。
【補足データ】
– LTM売上:2,069,019百万円
– LTM営業利益:160,731百万円
– LTM純利益:134,414百万円
– 株式数:発行済3.979億株/自己株約0.400億株
– 年初来高値:4,430円/年初来安値:2,946円
– 信用倍率:3.14倍(買残増・売残減)
出所:決算短信(2026年3月期1Q)、会社公表データ、提示の財務・株価データ(2025/10/21時点)。データ出所により一部指標は差異があり得ます。詳細は原典をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9532 |
企業名 | 大阪瓦斯 |
URL | http://www.osakagas.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電力・ガス – 電気・ガス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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