養命酒製造(2540)企業分析レポート
最終更新: 2025-10-21
– 企業情報
– 概要: 慶長7年(1602年)創業の薬用酒(ハーブ系リキュール)最大手。「養命酒」ブランドを中核に、準医薬部外品(薬用酒)、サプリ・グミ、黒酢飲料、甘酒、みりん等を展開。酒類(ワイン・カクテル等)や食品の外販、EC(yomeishu-online.jp)、「CLASUWA(くらすわ)」の飲食・物販、不動産賃貸、太陽光発電なども手掛ける。海外は香港・マレーシア・シンガポール・台湾など。
– 事業構成(短信の区分):
– 養命酒関連事業(国内「養命酒」、酒類・食品の外販、海外、不動産賃貸・太陽光)
– くらすわ関連事業(店舗・EC)
– 強み: 長寿ブランド力、漢方・生薬の抽出・ブレンド技術、安定的な財務(自己資本比率86%)、投資有価証券等の資産。
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション: 薬用酒カテゴリーで高シェアのトップブランド。「医薬部外品×酒類」という独自ポジション。
– 競争環境: 機能性飲料・栄養ドリンク、サプリメントとの代替競合が強く、若年層のアルコール離れも構造的な逆風。薬機法・表示規制への対応も重要。
– 課題: 国内主力「養命酒」の販売は成熟(短信でも国内「養命酒」売上減)。新規分野(くらすわ、外販ギフト、EC、海外)の拡大が求められる一方、投資先行で採算化が課題。
– 経営戦略と重点分野
– ビジョン/方針: 「次の100年に向けた成長投資と持続的成長基盤の確立」。“両利きの経営”(既存収益力の強化×新事業育成)。
– 重点施策(短信・会社方針より):
– 既存の「養命酒」収益性確保(販促見直し、ギフト/外販・不動産等の収益貢献)
– 新規の「くらすわ」拡大(店舗・ベーカリー、通販「まいにち養生365」)とコンテンツ強化
– ECチャネル強化、季節ギフト需要の取り込み
– 海外展開の基盤づくり(規模は小さい)
– 2026年3月期会社予想(非連結):
– 通期 売上高 105.1億円(+4.9%)、営業利益 5.3億円(+313%)、経常利益 10.4億円(+65.9%)、当期純利益 10.7億円(+57.4%)、EPS 77.25円
– 事業モデルの持続可能性
– 収益源: 本業(養命酒等)の売上+不動産収入に加え、受取配当金等の営業外収益が利益に寄与。資産収益への依存度が一定程度ある点は特徴。
– 持続性評価の視点:
– プラス: 高いブランド認知、健康志向の浸透、資産余力・無借金に近い強固な財務
– リスク: 主力カテゴリーの成熟、若年層の嗜好変化、規制対応、くらすわの採算安定化時期
– 技術革新と主力製品
– 技術/独自性: 生薬・ハーブの抽出・ブレンド、発酵技術の蓄積。医薬部外品としての製造・品質管理ノウハウ。
– 主力/収益牽引:
– 「養命酒」(準医薬部外品)
– 酒類・食品の外販(ギフトなど)
– サプリ・グミ、黒酢飲料、甘酒等の健康系ライン
– EC(自社オンライン)、不動産賃貸収入
– くらすわ(店舗・通販)は売上貢献拡大中だが、損失計上が続く
– 株価の評価(バリュエーション)
– 前提: 株価 4,260円、予想EPS 60.64円、実績BPS 3,292.76円、業界平均 PER 19.5倍・PBR 1.3倍
– 指標比較:
– 予想PER: 約70.5倍(会社データ)。業界平均(19.5倍)比で高水準。
– 実績PBR: 約1.30倍(会社データ)。業界平均(1.3倍)と同水準。
– 参考PSR(時価総額/売上): 約7.0倍(70,538百万円/10,017百万円)。
– 益回り(予想EPS/株価): 約1.4%。
– 単純比較の目安:
– 業界平均PER×予想EPS = 19.5×60.64 ≒ 1,180円前後(理論値の提示ではなく相対比較の参考)
– 業界平均PBR×BPS = 1.3×3,292.76 ≒ 4,280円(現株価付近)
– コメント: 収益(EPS)基準では相対的に高め、簿価(PBR)基準では同水準という差がみられる。
– テクニカル分析
– トレンド: 50日線(約3,975円)、200日線(約3,159円)を上回り、上昇トレンド。年初来高値 4,280円に接近(本日高値も4,280円)。
– 位置づけ: 52週高値圏。短期的には高値波乱に留意。
– 需給: 信用買残 98.4万株、信用倍率 108倍と買いに偏在。浮動株比からみても信用買いの比率は高めで、需給の振れに注意。
– 財務諸表分析(非連結)
– 売上・利益の推移(億円、過去実績→LTM)
– 売上高: 105.8(2022)→106.5(2023)→102.4(2024)→100.2(LTM)と緩やかに減少(3年CAGRマイナス)。
– 営業利益率(LTM): 約3.8%(会社指標)。営業外収益の寄与により純利益率は7〜8%台。
– 収益性:
– 粗利率(LTM): 約57%(参考計算)。
– ROE(実績): 約1.5%前後、ROA(LTM): 約0.2%と低水準(資産厚め・有価証券保有の影響)。
– 安全性/流動性:
– 自己資本比率: 86.1%(実績)、流動比率 約9.0倍(短信Q1計算値)。
– 現金同等物・投資有価証券を多く保有(投資有価証券 約245億円、現預金 約50億円 =短信Q1時点)。
– キャッシュフロー: 四半期CF計算書は未作成(注記)。通期では安定的な資金余力。
– セグメント(2026/3期1Q):
– 養命酒関連 売上 19.7億円(▲7.5%)、セグ利益 7.0億円
– くらすわ関連 売上 3.7億円(+53.7%)、セグ損失 ▲2.3億円
– 株主還元と配当方針
– 配当: 年間45円(予想)、配当利回り 約1.05%(現株価ベース)。5年平均利回り 2.09%と比べ低め。
– 配当性向: 約92%(トレーリングEPS基準)。利益成長がない場合の増配余地は限定的になりやすい水準。
– 自社株: 自己株式比率 約15.6%(発行1,650万株中 約264万株)。過去の取得や役員報酬BIP信託等の影響。足元での新規自己株買いの有無は未確認。
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週騰落 +70%で再評価の動き。直近10日も上昇基調で高値更新圏。
- 関心要因:
- ① 受取配当金等の営業外収益増で純利益が底堅い
- ② 「くらすわ」拡大やEC強化など新施策への期待
- ③ 有価証券含む資産の厚さ(PBR1.3倍水準)
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留意点: 信用買い偏重、主力「養命酒」の販売動向、原価・販促費のコントロール、新規事業の採算化。
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総評
- ブランド資産と財務健全性は強い。一方、売上の成長鈍化と本業の営業利益率の低さが課題。純利益は営業外収益の寄与度が高く、事業収益の底上げ(くらすわの黒字化、外販・EC拡大、国内主力のテコ入れ)が中期テーマ。
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バリュエーションはPER基準で相対的に高め、PBRは業界並み。株価は高値圏でモメンタムは良好だが、需給(信用買い偏重)には注意が必要。
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企業スコア(相対評価)
- 成長性: C
- 根拠: LTM売上成長率(YoY)▲1.3%、3年CAGRマイナス。
- 収益性: C
- 根拠: 営業利益率(LTM)約3.8%と低め。粗利率は高いが、販管費比率と既存主力の成熟で営業利益率が抑制。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率86%、流動比率約9倍、実質無借金に近い構造。
- 株価バリュエーション: C
- 根拠: 予想PER約70倍で業界平均比高水準、PBRは業界並み。PSRは高め。
参考データ
– 時価総額: 705億円、発行済株式数: 1,650万株
– 配当予想: 年45円、予想利回り約1.05%
– 年初来高値/安値: 4,280円 / 2,475円
– 次の主な予定: 期末配当の権利落ち予定 2026-03-30
– 本レポートは提供データに基づく情報整理であり、投資勧誘・投資助言を目的としたものではありません。正確性には留意していますが、数値の不整合や将来見通しの不確実性があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。
企業情報
銘柄コード | 2540 |
企業名 | 養命酒製造 |
URL | http://www.yomeishu.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 食品 – 食料品 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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