アルプスアルパイン(6770)企業分析レポート
株価:1,904円(時価総額 4,170億円)/市場:東証プライム/業種:電気機器
– 企業情報
– 概要・事業内容
– 電子部品から車載モジュール・システムまで一貫展開する総合サプライヤー。1948年創業、2019年にアルプス電気とアルパインが統合し現社名へ。
– 主力製品:タクトスイッチ、可変抵抗器、HAPTIC(触覚)アクチュエータ、ミリ波・磁気・圧力など各種センサー、通信モジュール、ディスプレイ/HMI、車載音響・アンプ、電動シフター、ウィンドウスイッチ等。
– セグメント(2026年3月期から名称一部変更)
– コンポーネント
– センサー・コミュニケーション
– モビリティ(旧:モジュール・システム)
– その他(システム開発、オフィス、金融・リース等)
– 地理:海外売上比率 約89%(2025.3期)
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション
– 電子部品で長年の量産・金型精密加工・センシング技術に強み。タクトスイッチや車載向け操作系/音響で高い存在感。
– 車載分野ではTier1/2としてグローバルOEM向けに幅広い納入実績。
– 競争環境(例示)
– 電子部品:国内外の大手(例:村田製作所、TDK、京セラ 等)との競合。
– 車載モジュール/インフォテインメント:国内(パナソニック オートモーティブ 等)、海外Tier1(ボッシュ、コンチネンタル 等)と競合。
– 競争優位性と課題
– 優位性:多品種・高信頼の車載品質、HMIや触覚など差異化領域の積み上げ、部品~モジュールまでの広いカバレッジ。
– 課題:為替感応度が高い構造、車載ソフト・電子化の高度化への継続投資負担、センサー事業の収益化課題。
– 経営戦略と重点分野
– ビジョン/方向性
– センシングとHMIを核に、車載モジュール・システムでの価値提供を拡大。モビリティ領域の収益性改善と安定成長を重視。
– 重点施策(足元の示唆)
– センサー・コミュニケーション事業の赤字改善(製品ミックス是正・コスト最適化)。
– モビリティ事業の新製品立上げコスト正常化、開発効率化。
– コンポーネントは民生/モバイルの需要取り込み継続と差異化(触覚/HAPTIC、精密スイッチ等)。
– 為替・コスト上昇に対する価格・調達・生産最適化の徹底。
– 業績見通し(会社計画の要点)
– 2026年3月期(会社予想):売上高 9,500億円(前年比▲4.1%)、営業利益 250億円(▲26.7%)、純利益 55億円(▲85.5%)
– 上期は為替前提見直しによる修正を実施、下期は据え置き。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益モデル:車載比率が高く、モデルライフの長さや継続的な補修・更新需要の恩恵がある一方、立上げ時のコストや品質要求は高い。民生・モバイルは景気感応度が高いが短期で需要回復の弾力性も。
– 需要変化への適応:HMI/触覚、センシング、通信モジュールなど成長領域を押さえる一方、円高局面や自動車生産の変動に対する耐性強化が課題。
– 地理分散:海外売上約9割で市場アクセスは広いが、為替影響を受けやすく、自然ヘッジ/価格政策が重要。
– 技術革新と主力製品
– 技術動向・独自性:触覚(HAPTIC)やミリ波/磁気/圧力センサー、光学(非球面レンズ)などの要素技術に加え、HMI・音響の統合で価値訴求。車室内の操作性・官能品質を高める強み。
– 収益牽引
– コンポーネント:タクトスイッチ、アクチュエータ等が安定収益源。
– モビリティ:ディスプレイ/HMI、音響、電動シフター等の車載向け。新製品の立上げ収益化が鍵。
– センサー・コミュニケーション:デジタルキー等へ製品移行の端境期で採算改善がテーマ。
– 株価の評価(バリュエーション)
– 株価指標(提供データ)
– PER(会社予想):約70.9倍(EPS予想 26.81円)※一時的な低EPSを反映
– PBR(実績):約0.97倍(BPS 1,960.42円)
– 配当利回り(会社予想):約3.15%(年60円)
– 補足計算
– トレーリングPER(参考):約10.3倍(株価1,904円 / LTM EPS 183.92円)
– EV/Sales(参考):約0.38倍(EV ≒ 4,170億円 − 正味現金428億円)/ 売上9,957億円
– 業界平均との比較(提供平均:PER 24.2、PBR 1.6)
– PER:会社予想ベースでは高位、LTMベースでは相対的に低めという見え方の差がある。
– PBR:業界平均(1.6倍)に対して低位。
– 配当性向
– LTMベース:約33%(60円 / 183.92円)
– 会社予想EPSベース:一時的に100%超となる可能性あり(予想EPSが低いため)。
– テクニカル分析
– トレンド指標
– 50日移動平均:1,805円付近、200日:1,571円付近。現値は両移動平均を上回る上昇トレンド。
– 52週レンジ:1,195円〜1,970円。現値は年初来高値(1,970円)に近い高値圏。
– 需給
– 信用倍率:0.59倍(売り長)。買い残・売り残とも減少傾向。短期的には需給要因の変動に留意。
– 出来高:直近出来高は3カ月平均(約106万株)を下回る日もあり、イベント時の流動性変化に注意。
– 財務諸表分析(連結)
– 成長
– 売上高(億円):2022/3 8,028 → 2023/3 9,331 → 2024/3 9,641 → LTM 9,904(YoY +2.7%)
– 3年CAGR:約+7.3%
– 収益性(LTM)
– 粗利率:約17.7%(1,751億/9,904億)
– 営業利益率:約3.4%(341億/9,904億)
– 当期純利益率:約3.8%(378億/9,904億)
– 2026年3月期1Qは為替差損計上で純損失。営業段階は改善傾向。
– 効率・資本
– ROE(実績):9.40%、ROA(LTM):3.01%
– 自己資本比率:55.9%、流動比率:2.23倍、D/E:18.2%
– キャッシュ・財務
– 現金同等物:1,160億円、総有利子負債:732億円、正味現金:約428億円
– 減価償却費(LTM):351億円
– セグメント参考(提供データ、2025.3期実績ベースの構成/利益率)
– コンポーネント:売上構成35%(利益率 約9%)
– センサー・コミュニケーション:9%(約−4%)
– モジュール・システム:54%(約1%)
– その他:2%(約5%)
– 2026年3月期1Q:コンポーネントは堅調、センサーは端境期で赤字、モビリティは損失縮小。
– 株主還元と配当方針
– 配当:年60円(中間30円・期末30円)を継続予想。LTM配当利回り約3.2%。
– 自己株式:2026年3月期1Qに自己株式約145万株を取得(短信注記)。期末自己株式は増加。
– 付記:会社予想EPSが低位のため、短期的な配当性向は高まる可能性。
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で+20.9%。50日・200日線上で推移し、上昇基調が継続。
- ボラティリティ:5年β 0.15(低ボラティリティ)。
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関心・需給:信用売り超(倍率0.59)で、イベント時のショートカバー/新規売りの動向が価格形成に影響しうる。
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総評
- 事業面:車載×センシング/HMIの一貫提供という強みが明確。コンポーネントは安定、モビリティはコスト正常化が進展。センサー・コミュニケーションは採算改善が焦点。
- 財務面:自己資本比率56%・正味現金保有で健全。為替影響による損益ブレは引き続き留意点。
- バリュエーション:PBR約1倍・EV/S約0.38倍は資産・売上倍率で抑制的。一方で会社予想EPSが低いためPERは高位に見える。トレーリングとフォワードで見え方に差。
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株価:移動平均線上・年初来高値圏で推移。需給は売り長だが、イベント次第で変化の余地。
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企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +2.7%、3年CAGR 約+7.3%と堅調。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率約3.4%、粗利率約17.7%。業界比較データ不足のため中立評価。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率55.9%、流動比率2.23倍、D/E 18%台、正味現金保有。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PBR約1倍・EV/S約0.38倍は抑制的。一方、会社予想PERは高位。総合で中立。
補足・注意
– 本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資勧誘や助言を目的とするものではありません。
– 不明点や矛盾のある数値は、出所間の定義差(LTM/会社予想/会計上の特殊要因等)に起因する可能性があります。最新の有価証券報告書・決算短信・IR資料での確認を推奨します。
企業情報
銘柄コード | 6770 |
企業名 | アルプスアルパイン |
URL | https://www.alpsalpine.com/j/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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