タムロン(7740)企業分析レポート

株価: 1,077円(2025-10-22終値)/市場区分: 東証プライム

1. 企業情報

  • 概要: 光学機器の専業メーカー。交換レンズ(ミラーレス・一眼レフ)、監視カメラ・FA(マシンビジョン)用レンズ、車載・ドローン・医療向け光学ユニット等を展開。自社ブランドとOEMの両立が特徴。海外売上比率82%(2024.12)。
  • セグメント
    • 写真関連(交換レンズ、OEM等)
    • 監視&FA関連(監視カメラ、FA/マシンビジョン、カメラモジュール、TV会議等)
    • モビリティ&ヘルスケア、その他(車載カメラ、医療用、コンデジ等)
  • 概況(構成と収益性の目安・会社開示ベース)
    • 連結事業構成比: 写真関連73%、監視&FA14%、モビリティ&ヘルスケア・他13%
    • セグメント利益率の目安: 写真関連28%、監視&FA13%、モビリティ&ヘルスケア・他22%
  • 主要株主: ソニーグループ(14.66%)など。自己株式保有あり。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 交換レンズのグローバル大手(サードパーティ系)。自社ブランドとOEMの二軸。ミラーレス向けラインアップ拡充で存在感。
  • 競争優位性
    • 光学設計・量産の総合力とコスト競争力
    • OEM案件を含む顧客基盤の広さ
    • 監視・FA、車載、医療など非カメラ分野への展開による事業ポートフォリオ
  • 課題
    • カメラ市場の成熟・需要変動(地域・通貨の影響も大)
    • OEM受注の変動性、特定マウント/顧客への依存度管理
    • 米国関税政策、為替、海外経済の不確実性

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/戦略
    • 主力のミラーレス向け新製品投入とブランド力の強化
    • 監視&FA:高解像度化・用途多様化を取り込み、安定成長領域を拡大
    • モビリティ&ヘルスケア:ADAS普及、医療用極小径レンズなど成長領域を深耕
    • コスト最適化(原価低減、販管費効率)と為替リスク管理
  • 中期的施策(会社開示要旨)
    • 製品ポートフォリオの高付加価値化(大口径・高倍率・軽量化)
    • モジュール化・ユニット化で車載/医療ニーズに適合
    • 自己株式取得・消却等による資本効率意識の継続
    • 為替前提の見直し(USD=145円、EUR=168円)に対応した収益マネジメント

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 自社ブランドの付加価値(高利益率)+OEM(ボリューム)+産業・車載・医療(安定/成長領域)の組合せ。為替と地域ミックスの影響が利益に波及。
  • 適応力
    • カメラ市場のミラーレスシフトに沿った新製品開発
    • 監視/FA、車載/医療の比率を高め需要分散
    • 高い自己資本比率とネットキャッシュにより投資余力と景気変動耐性

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の方向性: 高解像度対応の光学設計、薄膜コーティング、軽量・コンパクト化、手ブレ補正・AFユニットの最適化、極小径・高耐環境の車載/医療向け技術。
  • 収益牽引領域
    • ミラーレス向け交換レンズ(大口径ズーム/高倍率ズーム等)
    • 監視用高解像度レンズ、FA/マシンビジョン
    • 車載カメラ(ADAS向けセンシング)、医療用レンズ

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提: 株価1,077円
  • 予想EPS: 89.76円 → 予想PER ≈ 12.0倍(業界平均PER 21.1倍と比べ低位)
  • 実績BPS: 489円 → PBR ≈ 2.20倍(業界平均PBR 1.8倍より高い)
  • LTM指標
    • LTM EPS: 81.89円 → 実績PER ≈ 13.2倍
    • EV試算: 時価総額約1,836億円 − 現金331億円 + 有利子負債16億円 ≈ 約1,520億円
    • EV/EBITDA(LTM): 約1,520/208 ≈ 7.3倍
    • EV/売上(LTM): 約1,520/853 ≈ 1.78倍
  • 補足: PBRが業界平均より高い一方、ROE実績17–19%と高水準。PERは業界平均を下回る水準。

7. テクニカル分析

  • トレンド: 50日移動平均1,027円、200日移動平均932円に対し、株価1,077円は両線上方。中期的な上昇基調維持。
  • 位置: 52週レンジ687–1,169円の上方帯(上から約8%下)。高値圏に近いが直近高値更新は未達。
  • モメンタム/需給: 直近の出来高は3ヶ月平均(約50万株)を下回る日が増加。信用倍率3.91倍、信用買残はやや減少。

8. 財務諸表分析

  • 売上推移(百万円)
    • 2021: 57,539 → 2022: 63,445 → 2023: 71,426 → 2024: 88,475 → LTM: 85,336
    • 3年CAGR(2021→2024): 約+15%/LTMは2024比でやや減少
  • 収益性(LTM)
    • 粗利率 約44.7%(38,098/85,336)
    • 営業利益率 約22.3%/EBITDAマージン 約24–25%
    • 純利益率 約15.7%
    • ROE 17.07%、ROA 11.32%
  • キャッシュフロー(LTM)
    • 営業CF 156億円、レバードFCF 83億円(概算)
    • FCFが継続プラス、投資余力あり
  • 財政状態(直近)
    • 自己資本比率 80.6%、流動比率 466%、D/E ≈ 2%(実質無借金)
    • 現金等 331億円、総資産 965億円
  • セグメント(2025年1–6月、前年比)
    • 写真関連: 売上2,998億円?(注: 開示は百万円表記:29,982百万円)・減収、だが高利益率維持
    • 監視&FA: 売上5,976百万円・ほぼ横ばい、利益は増
    • モビリティ&ヘルスケア他: 売上5,755百万円・微増、利益微減
  • 進捗/見通し(会社予想)
    • 通期売上9,000億円(90,000百万円)、営業利益1,950億円(19,500百万円)へ下方修正済みも通期増収増益を想定

9. 株主還元と配当方針

  • 予想配当: 年間36.25円(予想利回り約3.37%)
  • 予想配当性向: 約44%
  • 施策: 2025年に自己株式取得(100万株)および3,300,000株の消却を実施。株式分割(2024年1→2、2025年1→4)あり。
  • 補足: 直近の中間配当40円(分割影響に留意)。今後の基準日: 2025-12-29(権利落ち予定)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム: 年初来高値(1,169円)から小幅下、50・200日線上で基調は堅調。10日間は1,040–1,080円のレンジ推移。
  • 投資家関心: 3ヶ月平均出来高>10日平均で、直近はやや閑散。β(0.75)から市場連動性は相対的に低め。
  • 影響要因
    • 11/6決算(ガイダンスと為替想定、監視&FA/車載の伸長度合い)
    • 為替(USD/EUR)動向と米国関税政策
    • 新製品投入ペースとOEM受注

11. 総評

  • 収益性・財務健全性は業界内でも高水準。自社ブランドの収益力と非カメラ領域の拡大で事業の安定性が高まっている。
  • 一方、上期は減収減益(為替・地域需要・OEM変動の影響)。通期は下期反転を織り込むが、外部環境(為替・米政策・海外景気)には留意が必要。
  • バリュエーションはPERで相対的に低位、PBRはROE水準を反映しやや高め。ネットキャッシュでEV倍率は中庸。
  • テクニカルは上方トレンド維持、レンジ上限に近い位置。イベント前後の変動性に注意。

(注)本レポートは公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘・助言ではありません。

12. 企業スコア

  • 成長性: B
    • 根拠: 3年CAGRは高い一方、LTMおよび直近期で減収傾向(YoY)を確認。
  • 収益性: A
    • 根拠: 粗利率約45%、営業利益率≈22%、ROE≈17–19%と高水準。
  • 財務健全性: S
    • 根拠: 自己資本比率≈81%、流動比率≈466%、D/E≈2%(実質無借金)。
  • 株価バリュエーション: A
    • 根拠: PERは業界平均を下回る一方、PBRは平均超。EV/EBITDA≈7.3倍、配当利回り≈3.4%。総合的に割安寄り~中庸の評価。

企業情報

銘柄コード 7740
企業名 タムロン
URL http://www.tamron.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 精密機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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