ラクト・ジャパン(3139)企業分析レポート
株価:3,490円(2025-10-21終値)/市場区分:プライム
1. 企業情報
- 概要:独立系の食品専門商社。乳原料・チーズ、食肉食材、機能性食品原料の輸入販売に強み。北米・欧州・豪州に調達拠点、東南アジアに自社工場(チーズ製造等)を持つ。食品添加物や食品加工機械、酒類の取扱い、代理店・ブローカレッジも展開。
- 主な顧客:食品メーカー、卸、小売、外食、スポーツニュートリション、ヘルスケア等。
- 事業構成(2024.11期実績・連結):乳原料・チーズ67%、食肉13%、機能性食品原料3%、アジア事業・他17%。海外売上比率16%。
- 特色:乳原料で創業し、高タンパク原料や脂肪系原料など付加価値商材、アジアでの製造機能を組み合わせた調達・供給網。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:乳原料・チーズ分野に強みを持つ専門商社。大手総合商社、乳業メーカー系商社、他専門商社と競合。
- 競争優位性(示唆):
- 多地域調達(北米・欧州・豪州)とアジア製造の組合せによる安定供給力
- 高タンパク・脂肪系など需要が底堅い原料の提案力
- 代理店ビジネス(例:2025年4月から独香辛料メーカーの日本代理店開始)による商材拡充
- 課題:原材料価格・為替の変動、運転資本増大(在庫・短期借入)による財務負担、アジアでの価格競争。
※市場シェアの定量は公表情報からは把握困難。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略(開示要約)
- 高付加価値原料(高タンパク・脂肪系など)の拡販
- 供給網の活用・サプライヤー連携強化で安定調達
- アジア事業(現地販売・製造)の強化、代理店ビジネスの拡大
- 2025年11月期見通し(会社予想・据え置き)
- 売上高188,000百万円、経常利益6,000百万円、当期純利益4,350百万円、EPS 436.47円
- 第3四半期累計(前年比)
- 売上高+7.2%、営業利益+39.0%、純利益+39.9%と増収増益。利益率改善傾向。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:商社マージンは薄いが、付加価値原料・製造(アジア)・代理店機能の組み合わせで総合粗利を確保。
- 需要動向:高タンパク、機能性、チーズ等の中長期需要は底堅い一方、国内消費鈍化局面や値上げ影響には感応。
- リスク適応:多地域調達・在庫機動力で価格・需給変動に対応。ただし在庫増は短期借入増による金利・資金繰り負担に繋がりやすい。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:メーカー機能(アジアでのチーズ製造)と機能性原料の開発・提案。植物由来高タンパク等の拡販。
- 収益牽引:
- 乳原料・チーズ:約65%の売上構成、数量は一部減でも単価・ミックス改善で売上伸長
- 機能性食品原料:販売数量+98%、売上+109%と高成長
- 食肉食材:外食向け加工品等が堅調
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価3,490円、EPS(会社予想)436.54円、BPS 3,032.56円、業界平均 PER 12.1倍/PBR 1.0倍
- 指標
- PER:約8.0倍(業界平均比で低位)
- PBR:約1.15倍(業界平均並〜やや上)
- EV/EBITDA(概算):約9.7倍[EV=時価総額34,975+ネット有利子負債約30,479=約65,454百万円、EBITDA LTM約6,729百万円]
- 配当利回り(会社予想):約3.78%、配当性向:約23%
- 所見:利益水準に対する株価倍率は業界平均と比較して低い水準、PBRは概ね平均圏。
7. テクニカル分析
- トレンド:10/14の4,030円から反落し、直近は3,490円。50日線(約4,050円)を下回り、200日線(約3,488円)付近で推移。
- 水準感:52週高値4,360円・安値2,536円の中間帯。200日線近辺での攻防。
- 需給:信用買残が増加(倍率22.55倍)。短期的な需給は買いに偏りやすく、値動きの振れに留意。
- 出来高:10日平均出来高約20万株と3カ月平均約7万株を上回り、直近で投資家関心が一時的に高まった局面。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上(百万円):LTM 181,640 → 2024期 170,907 → 2023期 158,328(増収基調、3年で大幅拡大)
- LTM売上成長率:約+6.3%(対2024期)
- 収益性
- 粗利率:約6.3%(11,486/181,640)
- 営業利益率:約3.1%(5,593/181,640)→ 2023期約2.0%から改善
- 純利益:LTM 4,289 → 2024期 3,146 → 2023期 2,048(増益基調)
- ROE(実績):約12.1%(LTM別開示では14.8%)
- 金利負担:支払利息397、EBIT 6,289で利払カバレッジ約16倍
- 安全性・効率
- 自己資本比率:33.8%(40%未満)
- D/E(総負債/資本)目安:有利子負債40,431、現金9,952、ネットデット約30,479(運転資本負担が大きい構造)
- 流動比率:約1.68倍
- 総資産回転率(Q3累計ベース概算):約1.5回
- キャッシュフロー
- 減価償却は小さく(LTM約440)、運転資本(在庫・売掛)による資金需要が重要。四半期CF計算書は未作成注記。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025期予想 年間132円(中間50円、期末82円)、利回り約3.78%、配当性向約23%。
- 実績:2024期は年80円から増配。5年平均利回り1.93%を上回る水準。
- 自社株買い:自己株式0.5%(現状比)、追加の自己株買いは開示なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週では+26.1%。直近は決算後に反落し調整基調。
- 要因:
- 決算(Q3累計)での増益・利益率改善
- 在庫増・短期借入増によるバランスシート拡大
- 為替・原材料価格、国内消費動向の不確実性
- 投資家関心:直近出来高の増加、信用買いの積み上がりが確認される。
11. 総評
- 高付加価値原料・機能性・アジア製造を軸に、商社モデルに製造・代理店機能を加えた『複合型』で収益性が改善。LTMで増収増益、ROEは2桁。
- 一方、在庫積み増しに伴う短期借入増で自己資本比率は3割強、D/Eは高め。運転資本の管理と金利負担の動向が注目点。
- バリュエーションはPERで業界平均比低位、配当利回りは予想で約3.8%。直近株価は200日線付近での攻防、短期は需給(信用買い偏重)の影響を受けやすい。
- マクロ(為替・原材料価格・物流)と国内消費、アジアの価格競争が主要リスク。
(本レポートは公開情報に基づく分析であり、投資助言を行うものではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+6.3%、3年CAGR高位、Q3累計も増収。直近四半期の前年比減速はあるが通期計画は増収見込み。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約6.3%、営業利益率約3%は卸売業として妥当水準。改善傾向とROE二桁。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率33.8%、D/E高め、ネットデット有。流動比率は良好。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER約8.0倍(業界平均12.1倍比で低位)、PBR約1.15倍は概ね平均圏、配当利回り約3.8%。 EV/EBITDAは約9.7倍(参考)。
企業情報
銘柄コード | 3139 |
企業名 | ラクト・ジャパン |
URL | https://www.lactojapan.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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