8281 ゼビオホールディングス 分析レポート
株価: 1,123円(2025-10-21終値)
市場区分: 東証プライム
時価総額: 538億円
1. 企業情報
- 概要: スポーツ用品・アパレルの専門小売。大型の「スーパースポーツゼビオ」、都市型「ヴィクトリア」、ゴルフ専門「ヴィクトリアゴルフ/ゴルフパートナー」、アウトドアの「L-Breath」など多業態を展開。ECやデジタルプラットフォーム運営、イベント・施設運営(ゼビオアリーナ等)、人材・カード等の周辺事業も手がける。
- 事業構成: 連結事業比率(2025.3)スポーツ用品・用具94%、その他6%(実質的に単一セグメント)
- 地理/店舗: 東日本中心に全国展開。2026年3月期1Q末の店舗数891店、売場面積206,743坪(1Qで出店18・閉店14)
- 特徴: 広いフォーマットレンジ(大型~小型、都市型~郊外)、ゴルフ・アウトドア等の専門性、EC併用のオムニチャネル
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内位置づけ: 国内スポーツ用品専門小売の大手。アルペン、ヒマラヤ等と並ぶ上位グループ。
- 競争優位性:
- 多ブランド・多業態(大型/都市型/専門特化)による幅広い顧客接点
- 東日本を中心としたドミナント、店舗網のスケールメリット
- EC・会員基盤の活用余地
- 課題:
- 天候・シーズン性、インバウンド動向の影響を受けやすい需要構造
- 人件費・賃料・減価償却など固定費の上昇圧力
- 分野間の需給差(例:ランニング堅調、ゴルフ/アウトドア調整)への機動的対応
3. 経営戦略と重点分野
- 方針: 「構造改革の継続と重点施策の推進」
- 足元の施策(1Q開示・補足資料等より):
- 店舗ポートフォリオ最適化(出退店の同時進行)
- システム/EC等の投資継続(販管費は一時的に上昇)
- 在庫の強化と季節商材の準備(棚卸資産の増加)
- 施設関連の整理(ゼビオアリーナ仙台の改修・寄附に伴う特別損失計上)
- 商品別概況(1Q前年比):
- ランニング等の一般競技スポーツ・シューズ: +2.7%
- ゴルフ: -3.8%(インバウンド鈍化等)
- スポーツアパレル: -0.6%(夏物販売の後ろ倒し)
- アウトドア他: -4.9%(市場縮小)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 専門小売(商品粗利)+ EC/会員・イベント・施設など周辺収益。粗利率は約39%(LTM)。
- 適応力:
- 多業態・広いカテゴリー展開により需要変動を相互補完
- EC・デジタル投資でのオムニチャネル深化の余地
- 在庫増によるシーズン・品揃え強化は販売環境に左右されやすい(天候/価格志向/インバウンド)
- リスク要因: 物価高と消費二極化、為替/仕入価格、気象要因、固定費上昇
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営:
- デジタルプラットフォーム/EC運営、システム投資を継続
- 店頭とECの連携強化、在庫管理・MD高度化に向けた基盤整備
- 主力カテゴリ:
- スポーツ総合(大型店)、都市型「ヴィクトリア」、ゴルフ(ヴィクトリアゴルフ/ゴルフパートナー)、アウトドア(L-Breath)
- 直近はランニング・一般競技が堅調、ゴルフ/アウトドアが調整
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 参照値: 株価1,123円、時価総額538億円、予想EPS 23.5円、実績BPS 2,914.69円
- 指標比較:
- PER(予想): 47.8倍(業界平均21.3倍)
- PBR(実績): 0.39倍(業界平均1.8倍)
- EV/Sales(概算): 約0.16倍[EV≈(時価総額538−現金221+有利子負債73)億円/売上2,506億円]
- 配当利回り(予想): 3.12%(年35円)、配当性向目安: 約150%(EPS23.5円前提)
- 補足(ノーマライズ):
- LTMで特別損失(例:施設関連)が大きく、Normalized Incomeは約44.6億円と開示(会社レポート表)。希薄化後株式数ベースの概算EPSは約100円前後となり、参考PERは約11倍(補正の前提によって変動)
指標は混在(PERは高く、PBR/EV/Sは低め)。一過性損失を除くとバリュエーション印象は変わる可能性。
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 株価1,123円は50日線1,143円、200日線1,184円を下回り、中期・長期とも弱めの位置。
- レンジ: 52週高値1,363円/安値1,070円に対し安値圏寄り(レンジ下方の約2割上)。
- 直近10日: 1,095〜1,131円のボックス推移、直近は小幅切り上げ。出来高は3カ月平均(約11.8万株)を下回る日が多く、勢いは限定的。
- 需給: 信用倍率3.59倍。買い残/売り残ともに減少傾向。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円): 2022/223,282 → 2023/239,293 → 2024/242,433 → LTM/250,603(3年CAGR約3.9%)
- 利益:
- 粗利率: 約39.0%(LTM)
- 営業利益: 2024/4,205 → LTM/7,006(営業利益率LTM約2.8%)
- ノーマライズドEBITDA: 13,651(LTM)と改善基調
- 当期純利益: 971(LTM、特損影響で純利益率約0.4%)
- 1Q(2026/3期):
- 売上高 64,308(YoY -1.3%)
- 営業利益 2,848(YoY -26.1%)、営業利益率約4.4%
- 親会社純利益 288(YoY -89.6%、特別損失2,325の影響)
- 効率・資本:
- ROE(実績)0.79%、ROA(LTM)約1.8%(低水準)
- 棚卸資産: 89,008(前期末比+7,468)と増加
- 財務安全性:
- 自己資本比率59.5%、流動比率約182%、総有利子負債約73億円、現金等約221億円(実質ネットキャッシュ)
- D/E(簿価)約6%と低レバレッジ
(単位は特記なき限り百万円。LTMは過去12カ月)
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間予想35円(中間17.5円・期末17.5円)、予想利回り約3.1%
- 配当性向: 予想EPS23.5円ベースで約150%(一過性損益の影響で見かけ上高水準)
- 自社株: 自己株式約13%保有(過去に取得実施)。1Qで自己株式増加の注記あり
- 主要株主: 創業系/関係法人・自己株・財団等の比率が高く、インサイダー持分約44%
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 200日線を下回る推移が続き、52週変化率は約-2.5%。短期はボックス内での小反発。
- 流動性/需給: フロート約2,056万株、インサイダー比率高め。出来高は平常時10〜12万株程度で落ち着いた商い。
- 影響要因:
- 構造改革・在庫運用の進捗
- ゴルフ/アウトドア等の市況回復度合い、天候・インバウンド動向
- コスト(人件費・賃料・減価償却)動向と粗利維持
- 一過性損失の剥落による利益平常化
11. 総評
- 需要環境は分野間で強弱が混在。ランニングなどは堅調だが、ゴルフ/アウトドアは調整。1Qは特別損失計上で純利益が大きく落ち込む一方、営業段階は黒字を確保。
- 財務体質は強固(高自己資本比率・ネットキャッシュ)。固定費上昇を吸収し、低い営業利益率を持続的に引き上げられるかが焦点。
- バリュエーションは、予想PERだけを見ると高く見えるが、PBR・EV/Sは低水準。一過性損失を除いた収益力がどの程度平常化するかで見え方が変わる。中期の構造改革の定量進捗が注目点。
(注)本資料は公開情報に基づく客観的整理であり、投資助言を目的とするものではありません。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上+3〜4%程度、3年CAGR約3.9%。直近1Qは-1.3%と足元調整。
- 収益性: C
- 根拠: 粗利約39%だが、営業利益率LTM約2.8%、ROE約0.8%と低水準。ノーマライズ後は改善余地。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率約60%、流動比率約182%、ネットキャッシュ、低D/E。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: 予想PERは業界平均超だが、PBR/EV/Sは業界平均を大きく下回る。特損除外の前提により評価が分かれるため中立寄り。
参考データ
– 1株配当(予想): 35円、配当利回り約3.12%
– 予想EPS: 23.5円、実績BPS: 2,914.69円、ROE(実績)0.79%
– 年初来高値/安値: 1,363円 / 1,073円
– 次の主なイベント: 決算発表(2025-08-07〜08-12)、権利落ち予定(2026-03-30)
企業情報
銘柄コード | 8281 |
企業名 | ゼビオホールディングス |
URL | http://www.xebio.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 小売 – 小売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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