ファーマフーズ(2929)企業分析レポート

株価:831円(2025-10-22終値)/市場:東証プライム/時価総額:約240.8億円

1. 企業情報

  • 概要:機能性食品素材の開発・販売(GABAなど)、自社通販によるサプリ・化粧品・医薬品のBtoC、抗体・ペプチド創薬や診断受託などのバイオメディカルを展開。京都本社、1997年設立。
  • 収益構成(連結・2024/7期):BtoC 85%(セグ利益10%)、BtoB 15%(同17%)、バイオメディカル1%(同-57%)。通販(自社D2C)が売上の柱。
  • 主力:機能性素材「ファーマギャバ」、育毛剤「ニューモ」、医薬品・医薬部外品(「ラクトロン錠」等)、卵殻膜由来素材(オボヴェール等)。創薬基盤「ALAgene technology」。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:機能性素材のBtoB供給と、自社通販のBtoCを併せ持つハイブリッド型。機能性食品・ヘルスケア消費の拡大を背景に、国内D2Cでは一定の認知と定期会員基盤(77.3万件、+3.5%)を保有。
  • 競争優位性:
    • 独自素材(GABA、卵殻膜)と自社D2Cチャネルの組み合わせ。
    • 抗体作製技術(ALAgene)等の研究開発機能。
  • 課題:
    • BtoCの獲得・維持に広告依存度が高く、利益変動が大きい。
    • バイオメディカルは赤字で、短期の収益貢献は限定的。
    • BtoBのCMOは採算見直しで売上縮小(2025/7期△30.7%)。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・中計:「中期経営計画2026(新価値創造 1Kプロジェクト)」
    • 投資方針:挑戦的投資(総額約300億円)
    • 卵殻膜バイオものづくり:50億円超
    • 医薬品新工場建設:約120億円(明治薬品の新工場、2025/8にシンジケート契約締結・未実行)
    • M&A:約100億円(ライフサイエンス領域拡大)
  • 重点:
    • BtoCの医薬品・医薬部外品強化、既存主力(ニューモ等)のLTV最大化。
    • BtoBのファーマギャバ海外(北米)展開。
    • バイオメディカルの社会実装加速(抗体創薬、プロテオーム解析受託)。
  • 収益性改善策:CMOの採算性見直し、広告投資の配分最適化、研究開発の選択と集中。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:BtoC定期顧客が継続収入の柱。BtoBはロイヤリティ・素材供給で安定性を補完。バイオメディカルは将来のライセンス・マイルストン期待。
  • 適応力:
    • 定期会員数の増加と医薬品・医薬部外品の強化で耐性向上。
    • 一方で広告宣伝費の水準(2025/7期:366.9億円、+19%)が高く、景気・媒体環境の影響を受けやすい。
    • 大規模投資の資金調達・財務制約条項に留意が必要。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術:
    • 抗体作製「ALAgene」、DIAプロテオームやOlink等の解析技術。
    • 卵殻膜素材(オボヴェール)などバイオ由来素材の社会実装を推進(NEDO採択、万博で展示)。
  • 主力と収益牽引:
    • BtoC:ニューモ育毛剤、医薬品・医薬部外品(「ラクトロン錠」等)が牽引。サプリ・化粧品は前年割れ。
    • BtoB:ファーマギャバの国内外採用、北米展開。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在株価:831円
  • 会社予想EPS:34.64円 → 予想PER:約23.9倍(業界平均PER 19.5倍比で高め)
  • BPS:399.95円 → PBR:約2.08倍(業界平均PBR 1.3倍比で高め)
  • 配当:年25円(会社予想)→ 予想利回り約3.0%
    • トレーリング配当性向:約195%(当期利益減で上昇)
    • フォワード配当性向:約72%(25/34.64)
  • 参考EV倍率(概算):
    • EV ≒ 時価総額240.8億 + 純有利子負債34.7億 ≒ 275.5億円
    • LTM EBITDA ≒ 31〜33億円 → EV/EBITDA ≒ 8.3〜8.9倍
    • EV/Sales ≒ 0.42倍
  • コメント:PER・PBRは業界平均比でやや高め。トレーリングでは利益水準が低下しており、フォワード前提の回復見込みが織り込まれている構図。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価(831円)は50日線(約896円)、200日線(約904円)を下回り、中期・長期とも下向き基調。
  • 52週レンジ:722〜1,064円の下方域(下から約32%地点)。年初来安値(722円)からは反発済みだが、戻りは限定的。
  • 直近10日:反発基調(792→831)ながら出来高は3カ月平均(約21.2万株)を下回る日が多い。短期の上値抵抗は850〜900円帯。
  • 信用動向:信用買残 76.6万株(前週比+1.37万)、信用倍率3.89倍。買い残の積み上がりは上値の重さ要因になりやすい。

8. 財務諸表分析

  • 売上推移(百万円)
    • 2021: 46,752 → 2022: 60,185 → 2023: 68,572 → 2024: 62,147 → LTM: 65,260
    • 直近YoY +5.0%、過去4年CAGR(2021→LTM)約+8〜9%。
  • 利益
    • 営業利益:5,675(2021)→ 1,082(2022)→ 3,612(2023)→ 5,116(2024)→ 2,367(LTM)
    • 営業利益率:3.6%(広告宣伝費・R&D増で低下)
    • 当期純利益:368百万円(LTM)。ROE 3.18%、ROA 4.28%と低水準。
  • キャッシュフロー
    • 営業CF:▲10.9億円(LTM、前年+54.9億円から悪化)
    • 投資CF:▲9.5億円、財務CF:▲44.7億円
    • 現金同等物:90.6億円(前年155.7億円から減少)
  • 安全性
    • 自己資本比率:35.4%(前年31.7%から改善も40%未満)
    • 流動比率:1.19倍、D/E(総負債/資本):約109%とややタイト
    • 研究開発費:14.0億円(+43%)と積極投資
  • セグメント
    • BtoCが売上増(+8%)だが、サプリ・化粧品は減収。BtoBはCMO減で減収。バイオメディカルは赤字拡大。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年25円(実績・予想とも)。実績配当性向は一時的に高水準(利益低下のため)。
  • 自己株式:自己株口 0.71%(206,978株)。足元での新規自社株買いの開示は確認できず。
  • 5年平均配当利回り:1.56%(足元の利回りは実績比で高め)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週変化率▲6.2%。β(5年)1.54と市場感応度は高め。
  • 関心材料:
    • BtoCでの広告投下効率(獲得単価・解約率・LTV)。
    • BtoBの北米展開進捗(ファーマギャバの採用拡大)。
    • 創薬ライセンスのマイルストン・臨床進展。
    • 新工場建設・M&Aなど大型投資の進捗と財務制約条項の管理。
    • 配当継続性(利益回復・CF動向)と信用需給。

11. 総評

  • 収益構造はBtoCのD2Cが中心で、定期会員基盤は拡大。一方、広告・R&Dの積極投資により利益率とキャッシュフローが低下している。
  • バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比でやや高め。市場は来期の利益回復(EPS 34.64円)やBtoB海外展開、創薬の進展を一定程度織り込んでいる。
  • 財務面は自己資本比率35%台、流動比率1.19倍、D/E約109%とややタイト。大型投資計画の資金繰り・借入条項のモニタリングが重要。
  • テクニカルは中長期の移動平均を下回り、下方圏での推移。短期反発はあるものの出来高は低調で、戻り局面の持続性は材料次第となる。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 理由:LTM売上+5% YoY、2021→LTMのCAGRも+8〜9%程度。
  • 収益性:C
    • 理由:営業利益率3.6%、EBITDAマージン約5%と低位(広告費増の影響)。業界平均を下回る水準とみられる。
  • 財務健全性:C
    • 理由:自己資本比率35.4%(40%未満)、流動比率1.19倍、D/E約109%、営業CFマイナス。
  • 株価バリュエーション:C
    • 理由:PER23.9倍・PBR2.07倍は業界平均(PER19.5倍・PBR1.3倍)比で高め。EV/EBITDAは8.3〜8.9倍程度。

参考データ(抜粋)
– 年初来高値/安値:1,064円 / 722円
– 出来高(当日):65,700株(3カ月平均 212千株、10日平均 117千株)
– 次回権利落ち予定:2026-01-29(会社開示ベース)
– 主要株主:機関・事業会社のほか、創業者関連・自己株保有あり(自己株0.71%)


企業情報

銘柄コード 2929
企業名 ファーマフーズ
URL http://www.pharmafoods.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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