小松マテーレ(3580)企業分析レポート
株価: 824円(2025-10-21終値)
1. 企業情報
- 概要と事業内容
- 織編物の精練・染色・捺染加工を中核とする繊維メーカー。衣料向け(ファッション・高機能)と資材向け(自動車内装、生活資材、産業資材)を展開。物流等の「その他」を含むが、売上の大半は繊維事業(連結:繊維99%、その他1%)。
- 東レが大株主かつ主納入先。高度な加工技術・企画力に強み。
- 代表的製品・技術:撥水・防風・通気等の機能性ファブリック、プロダクト染色、建築補強材「CABKOMA(熱可塑炭素繊維複合材)」、電磁波シールド材、有機EL封止材、環境関連素材(屋上・壁面緑化資材、水浄化材)など。
- 海外売上比率:43%(2025年3月期)
- 基本情報
- 市場区分:東証プライム/業種:繊維製品(17業種:素材・化学)
- 本社:石川県能美市/設立:1943年/従業員:1,233人
- 代表者:中山 大輔
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内の染色・加工で大手。川上(原料・フィラメント)大手と川下(アパレル・自動車)をつなぐ川中機能に強み。
- 東レとの関係を軸に、機能性・高付加価値素材で差別化。海外売上比率の高さも特徴。
- 競争優位と課題
- 優位性:長年の加工ノウハウ、提案型の企画力、機能性×デザインの両立、用途分散(衣料・資材)。
- 課題:汎用品のコモディティ化、原材料・エネルギー価格や為替の変動、ファッション需給の変動、中国・ASEAN勢との価格競争。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・中計(KFW-2026)
- 高付加価値化、海外展開、サステナビリティ対応を柱に収益基盤の強化。
- 具体施策の進捗
- 海外:蘇州に新会社(小松美特料(蘇州))を設立し生産・販売体制を強化。
- サステナビリティ:Bioworks社と提携し植物由来合成繊維「PlaX」の共同開発・量産化を推進。
- 事業ポートフォリオ:生活資材での不採算撤退、製品部門は子会社化で拡大(NSKエコーマーク社)。
- 需要面:北米カジュアル、中東民族衣装向けが牽引。生活関連資材が増収。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:衣料向けの機能性・意匠性と、資材・産業用途の安定需要の組み合わせ。
- 適応力:原材料高・為替の影響など外部要因は受けやすいが、高付加価値比率の向上、用途分散、海外拠点の活用で耐性を高める方針。
- リスク:景況変動、原材料・エネルギー価格、地政学、為替。汎用品依存の低減が継続テーマ。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性
- 撥水・防風・通気・軽量など機能加工の蓄積、プロダクト染色、炭素繊維複合材「CABKOMA」、電磁波シールド等の先端用途。
- バイオ由来素材「PlaX」など環境対応素材の開発・量産化。
- 収益を牽引する領域
- 衣料向け機能性ファブリックが主軸。資材(自動車内装・生活資材)も拡大。1Qは衣料・生活資材が寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(連結)
- 株価:824円
- 会社予想PER(提供値):12.75倍(EPS 64.62円想定)
- 実績PBR:0.82倍(BPS 1,001.95円)
- 配当利回り:3.28%(会社予想1株配当 27円)
- EPSの基準差異に留意
- 実績LTM EPS:約73.40円 → 株価ベースPER:約11.2倍
- 会社通期ガイダンスEPS(2026/3):約52.99円 → 同PER:約15.6倍
- データ提供値EPS(64.62円) → 同PER:12.75倍
- 業界平均との比較(Textile Manufacturing)
- 業界平均PER:21.7倍、PBR:1.0倍
- 同社はPER・PBRとも業界平均を下回る水準。
- 補足
- BPS比で株価/簿価は約0.82倍、売上PSR目安(売上/株 約1,006.8円)で約0.82倍。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線:815.2円、200日線:776.0円。株価は両移動平均線上に位置。
- 位置取り
- 52週高値:882円、安値:690円。現状は高値から約-6.6%、安値から約+19.4%の中~上位レンジ。
- 短期推移(直近10日)
- 820~858円のレンジ内推移。出来高は3カ月平均(約68.6千株)に対し同水準~やや下。
- 信用動向
- 信用買残15.2万株、信用倍率18.6倍。買い長で変動時の需給影響に留意。
8. 財務諸表分析(連結)
- 売上・利益(年度)
- 売上高:31,449(2022)→35,438(2023)→36,670(2024)→39,526百万円(2025)
- 3年CAGR:約+7.9%、直近YoY:約+7.8%
- 営業利益:1,593 → 1,605 → 1,856 → 2,181百万円(利益率:5.5% 2025)
- EBITDA:4,032 → 2,553 → 3,572 → 5,162百万円(2025、EBITDAマージン約13.1%)
- 当期純利益:2,184 → 1,118 → 1,843 → 2,934百万円(2025)
- 注:2025年は特別要因(Total Unusual Items +924百万円)の影響。Normalized Incomeは約2,220百万円。
- 1Q(2026/3期)
- 売上:1,006億円→誤読防止:10,061百万円(+6.0%)
- 営業利益:772百万円(営業利益率約7.7%)と採算改善傾向。
- 四半期純利益:677百万円(前年同期比は税効果影響で減)。
- 収益性指標
- 粗利率:21.2%(2025、前年19.8%→改善)
- 営業利益率:5.5%(2025、改善傾向)/1Qは約7.7%
- ROE(実績):7.58%、ROA:2.91%(LTM)
- 財務健全性・キャッシュ
- 自己資本比率:74.6%(2025末)→1Q時点76.0%
- 流動比率:約287%(1Q)
- 現金同等物:1,117億円→誤読防止:11,17百億円ではなく約111.7億円(1Q)。有利子負債は小さく、ネットキャッシュ基調とみられる。
9. 株主還元と配当方針
- 配当推移
- 2025/3期:年間25円(中間12・期末13)
- 2026/3期会社予想:年間26円(中間13・期末13)
- 予想配当利回り:約3.2%(824円基準)、配当性向:約34%(提供値)
- 自社株
- 自己株式:約385万株(期末、発行株式の約8.9%)。過去に自社株取得を実施した蓄積がある(新規枠の有無は未記載)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 200日線上で推移し年初来高値(882円)に接近する場面もあるが、足元は820~850円で保ち合い。
- ボラティリティ・保有構造
- β:0.39(低ボラティリティ傾向)
- 機関保有:約34.6%、インサイダー:約18.8%、フリーフロート:約2,200万株。
- イベント
- 次回決算期:会社公表スケジュールに準ずる(提示の参考ウィンドウあり)。
- 権利落ち(予想):2026/3/30。
11. 総評
- 成長性:衣料・資材の複線化と海外比率の高さを背景に、売上は3年CAGR約8%の拡大。2026/3期1Qも増収・採算改善。
- 収益性:粗利・営業利益率は改善基調。2025期の最終利益は一過性要因の押上げもあり、Normalizedで評価が妥当。
- 財務健全性:自己資本比率が高く、流動性も厚い。金利負担は軽微。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均を下回る水準。EPSの基準によってPERが異なる点(LTM・会社予想・データ提供値)に留意が必要。
- リスク:原材料・エネルギー価格、為替、地政学、需要変動。コモディティ領域の価格競争。
- 方向性:中計「KFW-2026」に沿った高付加価値化・海外展開・サステ対応の推進が収益性の底上げに寄与。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+7.8%、3年CAGR約+7.9%と拡大基調。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約21%、営業利益率約5.5%(1Qは7.7%)で改善中。業界横比較データが限定的なため中立評価。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約75%台、流動比率約287%、実質ネットキャッシュ基調、D/E低位。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER(LTM約11倍~会社予想約16倍)・PBR0.82倍が業界平均(PER21.7倍・PBR1.0倍)を下回る水準。
参考データ(抜粋)
- 時価総額:355億円/発行済株式:4,314万株(自己株約385万株)
- ROE(実績):7.58%/自己資本比率:74.6%
- 50日移動平均:815.2円/200日移動平均:776.0円
- 年初来高値:882円/年初来安値:690円
- 信用倍率:18.55倍(買い長)
企業情報
銘柄コード | 3580 |
企業名 | 小松マテーレ |
URL | https://www.komatsumatere.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。