朝日放送グループホールディングス(9405)企業分析レポート
株価: 750円(当日終値)
1. 企業情報
- 概要
- 大阪地盤の民放大手。テレビ朝日系列でテレビ・ラジオ放送を中核に、コンテンツ制作、イベント、EC等を展開。
- 連結事業構成(2025.3):放送・コンテンツ 85%(営業利益率約4%)、ライフスタイル 15%(同約2%)。
- ライフスタイル事業は住宅展示場運営、通販、ゴルフ場運営等。多角化で収益安定化を図る。
- 代表的コンテンツ:「探偵!ナイトスクープ」など自社制作番組。
- 基本データ
- 市場:東証プライム/業種:情報・通信業
- 本社:大阪市福島区
- 従業員:1,692名、平均年齢48.5歳、平均年収1,157万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 関西(近畿)エリアの主要ローカル局。系列ネットワークと自社制作力を活かし、地域密着の編成・イベントが強み。
- 競合:読売テレビ(NTV系)、毎日放送(TBS系)、関西テレビ(フジ系)、テレビ大阪(TX系)など。
- 競争優位性
- 地域ブランド力、長寿コンテンツ保有、系列・制作会社との協業力。
- 住宅展示場等の非放送収益で景気変動の緩衝機能。
- 課題
- 地上波広告の構造的鈍化、配信視聴への移行に伴う広告単価・制作費のバランス悪化リスク。
- コンテンツ投資の回収期間長期化、イベント収入の季節性・一過性。
3. 経営戦略と重点分野
- 会社方針(短信・開示より)
- 放送・コンテンツ事業での広告収入(スポット、ローカルタイム)回復の取り込み。
- イベント領域の拡大(大阪・関西万博関連の集客・収益機会)。
- 非放送(ライフスタイル)での安定収益基盤の拡充。
- 重点施策(推察含む)
- コンテンツIPの多面的収益化(再放送・配信・イベント連携)。
- デジタル/配信領域の強化(見逃し配信の活用、データドリブン広告対応)。
- 資産ポートフォリオ見直し(固定資産売却益の計上実績あり)と財務健全性の維持。
- 中期計画の数値目標:短信には詳細記載なし(—)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 放送広告(景気・市況連動)+コンテンツ(ライセンス/イベント)+ライフスタイル(住宅展示場等)の複線型。
- 適応力
- 広告市況の波を非放送収益で平準化するモデル。配信やイベント連携でIP価値の延伸を図る。
- 一方、広告の構造変化や制作費の上昇が中期的なマージン圧迫要因。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/開発動向
- 地上波×配信のハイブリッド視聴への対応、デジタル広告計測やデータ活用の高度化がテーマ。
- 収益牽引
- 主力は地上波広告と自社制作コンテンツ。イベント(万博関連など)が短期の上振れ要因。
- ライフスタイル(住宅展示場など)は安定収益。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想EPS 74.28円、BPS 1,885.64円
- 予想PER:約10.1倍(業界平均PER 23.2倍)
- 実績PBR:約0.40倍(業界平均PBR 2.3倍)
- 会社予想配当:14円(予想配当利回り約1.87%)
- EV指標(LTMベースの概算)
- 時価総額 約313.8億円、現金302.9億円、借入150.9億円 → ネットキャッシュ約152億円
- EV 約161.8億円、EBITDA約74.2億円 → EV/EBITDA 約2.2倍、EV/売上 約0.17倍
- 所見
- マルチプルは業界平均を下回る水準。収益性・成長率の水準、ローカル局ディスカウント、内部者持分の高さ等が影響している可能性。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:755.66円、200日:689.58円。株価(750円)は50日線付近、200日線上。
- 52週レンジ:588〜802円。現状はレンジ上位帯(高値から約-6%)。
- 需給
- 信用買残 27.84万株、信用倍率 5.0倍。買い残偏重は短期ボラティリティ要因となる可能性。
- 流動性:3カ月平均出来高約8万株、フロート2,645万株、内部者保有53.5%とフリーフロートは相対的に小さめ。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(億円):851(2022)→ 870(2023)→ 905(2024)→ 919(2025、LTMベース)と緩やかに増加。3年CAGR約+2.6%。
- 2026年3月期1Q:売上+11.0%(前年同期比)。
- 収益性
- 粗利率:約32.8%(2025.3 LTM、30,164/91,923)
- 営業利益:25.9億円(2025.3 LTM)、営業利益率約2.8%(注:別データのLTM営業利益率1.17%は直近期の変動影響あり)
- 当期純利益:25.0億円(2025.3 LTM)。2026年1Qは固定資産売却益計上で純利益率が一時的に上振れ。
- 効率性・資本性
- ROE:実績3.35%(前期ベース)、LTM 6.37%(一時益の影響含む可能性)
- ROA(LTM):1.90%
- 自己資本比率:59.6% → 61.9%(2026年1Q末)
- 流動比率:2.84、D/E:約18.8%と保守的。
- キャッシュ/負債
- 現金等302.9億円、総借入150.9億円でネットキャッシュ体質。投資余力は確保。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:年間13円(中間6円、期末7円)
- 2026年3月期会社予想:年間14円(中間6円、期末8円)
- 予想配当性向:約22%(参考)
- 自己株式・その他
- 自己株式約10万株(0.24%)。現時点で自社株買い等の新規開示は確認情報なし(短信ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率:約+20.6%。中長期では上向き、直近は上値圏でのもみ合い。
- 直近10日:730円台〜750円台の狭いレンジでの推移。
- 関心・イベント
- 2025年大阪・関西万博関連イベントで業績寄与の可能性。
- 次回配当権利落ち予定:2026-03-30(予定)
- 内部者持分が高く、機関投資家保有は約4.4%。フロートの小ささは価格変動性に影響。
11. 総評
- 収益基盤は放送広告と自社IPに依存しつつ、ライフスタイル事業で平準化を図る構造。売上は緩やかな成長軌道。
- 利益面は薄利構造で、制作費や広告市況の影響を受けやすい。2026年1Qの純利益は固定資産売却益の寄与が大きく、持続的水準の判定には平常時ベースの確認が必要。
- 財務はネットキャッシュ・高自己資本比率で健全。投資・還元の選択肢を持つ。
- バリュエーションは業界平均比で低位水準。市場は成長・収益性、地域ローカル局特性などを織り込んでいる可能性。
- テクニカルは上位レンジでの持ち合い、50日線近辺。信用買い残はやや厚めで、短期の値動きには注意が必要。
(本資料は特定銘柄の投資勧誘・推奨を目的とするものではありません。数値は開示資料・提供データに基づきますが、最新の有価証券報告書・決算資料等でご確認ください。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 3年CAGR約+2.6%、LTM売上も前期比プラス。伸びは緩やか。
- 収益性:C
- 粗利率は30%台だが、営業利益率は低位。業界主要社平均を下回るとみられる水準。一過性益は除外。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率約60%台、流動比率2.8倍、D/E約19%で健全。ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:A
- PER約10倍、PBR約0.40倍と業界平均を下回る水準(割安性指標)。収益・成長とのバランスは要確認。
企業情報
銘柄コード | 9405 |
企業名 | 朝日放送グループホールディングス |
URL | https://corp.asahi.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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