ジャックス(8584)企業分析レポート
株価:4,145円(2025-10-22終値ベース)
市場:東証プライム|業種:その他金融業(金融・除く銀行)
時価総額:約1,867億円
1. 企業情報
- 概要
- MUFGグループの信販大手。国内外でオートローン(主力)、ショッピングクレジット、クレジットカード、家賃保証・集金代行、各種ローン保証、保険代理店、オートリース等を展開。東南アジアにも展開。
- 事業構成(連結):クレジット45%、ペイメント23%、ファイナンス20%、金融収益1%、その他10%(海外比率3%、2026年3月期想定)
- 基本データ
- 設立:1954年、本社:東京都渋谷区
- 従業員:5,566人、平均年齢40.3歳、平均年収651万円
- 今後のイベント
- 2025/11/6:決算発表予定
- 2026/3/30:権利落ち日(予想)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- MUFGの顧客基盤を活かした提携力と与信・回収の運用力。オートローンと保証(家賃・住宅・各種ローン)を柱に、カード・決済も併せ持つ総合型。
- 競合:オリコ(オリエントコーポレーション)、クレディセゾン、イオンフィナンシャル、アプラス等。キャッシュローン系とは領域が一部異なる。
- 競争優位・課題
- 優位:メガバンク基盤による調達・提携面での強み、オートローンの販売網、保証残高の積み上げ。
- 課題:金利上昇局面の資金調達コスト増・貸倒費用増、海外(特にインドネシア再編)の伸び悩み、規制・与信環境の変化。
※定量的な市場シェアの公表は確認できず。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「Do next!」(2025年度開始)
1) MUFG連携とM&Aで成長加速
2) 「量から質」への転換(事業構造改革:利益質・与信質の重視)
3) ALM高度化で財務健全性と資本効率の両立
– 重点領域
– 主力のオート・ショッピングクレジットの採算改善、保証ビジネスの拡大、家賃保証・集金代行など安定収益領域の積み増し。
– 海外は選択と集中(ベトナム・カンボジア等の堅調市場に資源配分、インドネシアは見直し)。
– 足元(2026年3月期1Q)
– 営業収益+0.3%と微増ながら、金利上昇と貸倒関連費用増で営業利益は-28.5%。国内は成長、海外は減収・赤字縮小。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 金利・手数料収入(割賦・カード・保証・リース等)+回収運用。保証はストック性が高く、景気耐性に寄与。
- 持続性の観点
- 金利上昇に対しては調達期間の分散・固定化、商品金利への転嫁、証券化等のALMが鍵。与信・回収高度化(スコアリング、データ活用)で貸倒率を制御。
- 決済・保証など非金利型収益の比重を高める方針は、金利サイクル変動に対する耐性向上に資する。
5. 技術革新と主力製品
- 主力
- オートローン、ショッピングクレジット、各種保証(住宅・家賃・教育等)、カード・決済、オートリース。
- 技術・運用面
- デジタル申込・審査、与信スコアリング、回収プロセスの効率化、家賃保証・集金のオペレーション最適化などの内製強化。
- 海外
- 東南アジアの割賦・決済基盤の拡充。再編を通じた選択と集中。
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 現状指標
- PER(会社予想):9.30倍(EPS 445.88円ベース)
- PBR(実績):0.58倍(BPS 7,133.79円)
- 予想配当利回り:約4.83%(年間200円想定)、配当性向:約35.5%
- 参考比較(業界平均:PER 10.3倍、PBR 0.9倍)
- PER比較:9.30倍は業界平均を下回る水準
- PBR比較:0.58倍は業界平均を下回る水準
- 目安計算(機械的比較・目標ではない)
- 業界平均PER×会社予想EPS(445.88円)=約4,590円
- 業界平均PER×会社通期EPS予想(346.64円:短信)=約3,570円
- 業界平均PBR×BPS(7,133.79円)=約6,420円
- 注:EPSはMUFGとの新株発行影響を考慮する資料もあり、前提により乖離。
7. テクニカル分析
- トレンド位置
- 50日線:4,256.8円(株価はやや下)/200日線:3,974.3円(株価は上)
- 52週高値:4,460円、52週安値:3,095円(現在は高値から約7%下、安値比+34%)
- 直近推移(10日)
- 4,050~4,145円での持ち合い~じり高。短期は50日線が上値抵抗、4,100円近辺が下値の目安。
- 売買需給
- 信用倍率12.65倍と買い残優位。出来高は3カ月平均8.4万株に対し直近1日1万株と低調。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結、百万円)
- 売上高:164,069(2022)→173,505(2023)→184,780(2024)→190,976(LTM)
- LTM YoY:約+3.4%、3年CAGR:約+5.2%
- 営業利益:26,745(2022)→31,680(2023)→33,127(2024)→25,732(LTM)
- 金利・貸倒費用の増加でLTMは減益
- 親会社純利益:18,316(2022)→21,651(2023)→23,770(2024)→18,620(LTM)
- 収益性(LTM)
- 営業利益率:約13.5%(25,732/190,976)
- EBITDAマージン:約19.4%(36,952/190,976)
- 純利益率:約9.8%(18,620/190,976)
- ROE(実績):7.78%、ROA:0.41%(業態特性として低め)
- 財政状態(2025/6/30)
- 総資産:3.83兆円、純資産:2,549億円、自己資本比率:6.5%
- 流動比率:約181%、総有利子負債:約2.98兆円(D/E:約1,170%)
- 業態特性上レバレッジは高水準。ALMと資本効率の管理が重要。
- キャッシュフロー
- 第1四半期はCF計算書未作成(短信)。期中は運転資金と資金調達の季節性あり。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 実績(2025年3月期):年間190円
- 予想(2026年3月期):年間200円(中間100円・期末100円)
- 予想配当利回り:約4.8%、配当性向:約35.5%
- 自社株買い
- 現時点で明示的な記載は確認できず(自己株口約0.91%保有)。
- 株主構成
- MUFG系・生保・信託が上位。機関投資家保有比率:約60%。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率:約+8.4%。年初来は緩やかな上昇基調から足元は持ち合い。
- 1Qは利益面で減速(前年比-26.6%)がモメンタムの抑制要因。
- 関心材料
- 金利上昇に伴う資金調達コストと貸倒費用の動向、ALMの進捗。
- MUFG連携・資本政策(新株発行の希薄化影響)と海外再編の成果。
- 配当継続性と保証・決済のストック成長。
11. 総評
- 売上は堅調に伸長(LTM+3~5%程度)する一方、金利上昇と信用コストで利益率は足元低下。中期では「量から質」への転換、保証・決済の拡大、ALM高度化により収益の質改善を企図。
- バリュエーションは業界平均比でPER・PBRとも低め、配当利回りは水準感あり。財務レバレッジは高く、自己資本比率は低位での運営(業態特性)となるため、資金調達環境と与信動向が主要な観察点。
- 短期テクニカルは50日線下での持ち合い。決算・金利動向・資本政策関連の開示が株価の方向感に影響しやすい局面。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上YoY+3.4%、3年CAGR+約5.2%。ストック型の保証・決済が下支え。
- 収益性:B
- 営業利益率約13.5%、EBITDA約19%(業界平均比の明示なしのため中立評価)。足元は金利・信用コストで圧迫。
- 財務健全性:C
- 自己資本比率6.5%、D/E約1,170%と高レバレッジ。流動比率は約181%。
- 株価バリュエーション:A
- PER9.3倍・PBR0.58倍は業界平均(PER10.3倍、PBR0.9倍)を下回る水準。配当利回り約4.8%。
参考データ
– 株価レンジ:年初来高値4,460円/安値3,095円
– 移動平均:50日4,256.8円/200日3,974.3円
– 予想EPS:445.88円(指標ベース)、短信通期EPS予想:346.64円(新株発行影響考慮)
– 予想配当:200円、配当性向:約35.5%
注意
– 本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や個別の投資助言を目的とするものではありません。数値は資料時点のもので、今後の開示等により変更される可能性があります。
企業情報
銘柄コード | 8584 |
企業名 | ジャックス |
URL | http://www.jaccs.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 金融(除く銀行) – その他金融業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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