ソニーグループ(6758)企業分析レポート
株価:4,400円(2025-10-22終値)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要:エレクトロニクス、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)、音楽、映画、イメージセンサー(I&SS)など、エンタメとデバイスを両輪とするグローバル企業。2024年に社名をソニーグループ株式会社へ変更。画像センサーは世界シェアトップクラス。
- 主要セグメント構成(参考・2025.3期構成イメージ):G&NS 35%(営業利益率約9%)、音楽14%(同19%)、映画12%(同8%)、ET&S 18%(同8%)、I&SS 13%(同15%)、金融・他8%(同11%)。海外売上比率83%。
- 直近トピック:金融事業(SFGI)のパーシャル・スピンオフ方針を決定(2025年10月実行予定)。金融事業は非継続事業として表示。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- ゲーム:家庭用ゲーム機ではソニー、任天堂、マイクロソフトの三つ巴。PS5は普及期から収益性重視のフェーズへ。
- 音楽・映画:世界大手メジャー(ソニー・ミュージック)および有力スタジオ(ソニー・ピクチャーズ)を保有。
- 画像センサー:スマホ向けCMOSで世界トップクラスのシェア。高画素・積層型・車載向けで技術優位。
- 競争優位:
- 強力なIP(音楽・映画・ゲーム)とハード・ソフト・ネットワークの統合運営。
- 先進的CMOS技術(積層型・2層トランジスタ画素等)と量産能力。
- 課題:
- コンソール世代交代の波、ヒットソフトの発生タイミング依存。
- スマホ需要サイクル、テレビなど成熟領域の価格競争。
- 為替や関税政策、サプライチェーンの外的リスク。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン:クリエイティビティとテクノロジーで感動を創出。エンタメ×テクノロジーの深化。
- 戦略の柱:
- IP価値最大化:音楽・映画・ゲームのクロスメディア展開とD2C/ネットワークサービス強化。
- 半導体の成長投資:スマホ高性能化・車載/産業向けセンサー拡大。
- ポートフォリオ再編:金融事業のスピンオフで事業ポートフォリオをシンプル化し、資本効率の可視化。
- 2026年3月期の方針(継続事業ベースの会社計画):
- 売上高 11.7兆円(前年比▲2.8%)、営業利益 1.33兆円(+4.2%)、親会社純利益 9,700億円(▲9.1%)。
- 米関税前提を織り込み済み(政策変更により変動可能性)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- エンタメの継続課金(PS Plus等)、デジタル販売、音楽ストリーミング、ライセンス収入などストック性拡大。
- 画像センサーは高付加価値製品へのミックス改善、車載等の用途拡大で中長期成長余地。
- 適応力:
- IPの多面的展開、D2C・ネットワークの収益化、半導体の技術ロードマップで市場変化に対応。
- 一方で、ハードのサイクル性やコンテンツ投資の回収リスクは継続的な管理が必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:
- 積層型CMOS、2層トランジスタ画素、グローバルシャッター化など高機能センサーで先行。
- 車載向け高感度・高ダイナミックレンジ、産業/XR用途の拡大。
- 主力:
- G&NS:PS5プラットフォーム、ファースト/サードの大型タイトル、ネットワークサービス。
- 音楽・映画:グローバルヒットIP群、配信・ライセンス。
- ET&S:カメラ・音響・テレビ等の高付加価値製品。
- I&SS:スマホ向け高性能センサー、車載・産業用センサー。
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 会社予想EPS 128.08円 → 予想PER 約34.4倍(開示値と一致)。
- LTM希薄化EPS 196.60円 → トレーリングPER 約22.4倍(4,400円÷196.60円)。
- PBR 4.01倍(BPS 1,097.03円基準)。
- EV/S 約2.1倍(EV ≒ 時価総額27.1兆円 + 有利子負債1.61兆 − 現金1.60兆 ≒ 27.1兆円、売上LTM13.0兆円)。
- 業界平均との比較(参考):PER 24.2倍、PBR 1.6倍。予想ベースではプレミアム、LTMベースではPERは概ね同水準〜やや下回る可能性、PBRはプレミアム水準。
- 参考水準の試算:
- 業界平均PER(24.2倍)×会社予想EPS(128.08) ≒ 3,101円
- 業界平均PER(24.2倍)×LTM EPS(196.60) ≒ 4,756円
- 業界平均PBR(1.6倍)×BPS(1,097円) ≒ 1,755円
(指標の基準期間により乖離が大きい点に留意)
7. テクニカル分析
- トレンド:株価4,400円は50日移動平均4,229円、200日移動平均3,751円を上回り、中期~長期とも上向き。
- 位置づけ:年初来高値4,648円に対し約5%下、年初来安値2,882円からは大幅上昇。上限圏に近いレンジでの推移。
- 直近の値動き:10/9の年初来高値更新後に調整、4,300~4,450円での揉み合い。出来高は3カ月平均(約1,425万株)並み。
- 需給:信用買残増(信用倍率6.79倍)で短期的な上昇期待の一方、逆回転時の需給圧力に留意。
8. 財務諸表分析
- 収益性(LTM):
- 売上高 13.01兆円、営業利益率 13.0%、純利益率 8.8%、ROE 14.4%、ROA 2.7%。
- 粗利率 約28.7%(粗利3.74兆円/売上13.01兆円)。
- 成長:
- 売上推移:9.92兆円(2022)→10.97兆円(2023)→13.02兆円(2024)→13.01兆円(LTM)。3年CAGR約9–10%、直近は横ばい。
- 2026年3月期1Q(継続事業):売上+2.2%、営業利益+36.5%。G&NSとI&SSが牽引、ET&Sは減収減益。
- キャッシュフロー(LTM):
- 営業CF 2.53兆円と堅調。レバードFCF ▲1.98兆円はコンテンツ投資や半導体の設備投資等の影響が示唆される。
- 安全性:
- 自己資本比率 23.2–23.6%(四半期時点)、D/E約19%、流動比率 1.09。自己資本比率はやや低めだが、有利子負債と手元資金は概ね均衡。
- セグメント(2026年3月期1Q・継続事業):
- G&NS:売上9,128億円、営業利益1,480億円
- 音楽:売上4,589億円、営業利益928億円
- 映画:売上3,262億円、営業利益187億円
- ET&S:売上5,187億円、営業利益431億円
- I&SS:売上3,855億円、営業利益543億円
(G&NS・I&SSが伸長、ET&Sが調整)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 年間25円(中間12.5円、期末12.5円)。予想配当利回り約0.57%(トレーリング0.45%)。配当性向は約10%と控えめ。
- 自社株:自己株式保有約2.0%(開示ベース)。過去に自己株取得の実施実績があることを示唆。
- 参考:金融事業のスピンオフによる現物分配は配当表示に含まず(短信注記)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週騰落率+65.3%、β 0.78。年初来で市場をアウトパフォーム。
- ドライバー:
- 画像センサーの需要回復・高付加価値化、車載向け拡大期待。
- ゲームの収益性改善(ソフト/ネットワーク比率上昇)。
- 金融事業スピンオフによるポートフォリオの明確化と資本効率の可視化。
- 留意点:為替・関税・供給網、コンテンツ投資の回収、コンソールサイクルの変動。
11. 総評
- エンタメIPとテクノロジー(とりわけCMOSセンサー)の組み合わせが、セグメント分散と収益力を支える構図。2026年3月期1QはG&NSとI&SSが牽引し、全社の収益性は改善。
- 財務は営業CFが厚い一方、積極投資でFCFは振れやすい。自己資本比率は20%台前半とやや低めだが、純有利子負債は抑制的。
- バリュエーションは、予想PER・PBRで見るとプレミアム、LTM PERでは業界平均に近い水準も示唆。評価の見立ては、どの利益指標(LTMか会社予想か)を重視するかで差が出やすい。
- 中期は、車載/産業センサーの伸長、ネットワーク・サブスクの積み上がり、IP展開の多様化が焦点。外部環境(為替・政策・需要サイクル)による変動性には留意。
(本レポートは公開情報に基づく客観的な整理であり、投資判断を勧誘・助言するものではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
理由)3年CAGR約9–10%、四半期ベースでも増収。直近LTMは横ばいだが中期的には伸長傾向。
– 収益性:A
理由)営業利益率約13%、粗利率約29%、ROE約14%と同業平均を概ね上回る水準。
– 財務健全性:B
理由)自己資本比率23%台・流動比率1.09と中立。D/Eは約19%と抑制的、営業CFは厚い。
– 株価バリュエーション:C
理由)予想PER34倍・PBR4.0倍は業界平均(PER24倍・PBR1.6倍)に対しプレミアム。LTM PERは約22倍と指標により差異あり。
【参考データ】
– 時価総額:27.06兆円、発行株式数:6,149,810,645株
– 年初来高値/安値:4,648円 / 2,882円
– 次回決算予定:2025-11-11(予定)
– 配当(会社予想):年間25円、予想利回り約0.57%(基準株価により変動)
企業情報
| 銘柄コード | 6758 |
| 企業名 | ソニーグループ |
| URL | https://www.sony.com/ja/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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