ダイセル(4202)企業分析レポート

株価:1,374円(2025-10-22終値)
市場区分:東証プライム/化学(素材・化学)
時価総額:3,667億円

1. 企業情報

  • 概要
    • 1919年創業の総合化学メーカー。エンジニアリングプラスチック(POM、PBT、PPS、LCP、COC等)、マテリアル(酢酸・セルロース系・有機化学品)、セイフティ(エアバッグ用インフレータ、シートベルト用ガス発生器等)、スマート(電子材料・光学レンズ・フォトレジスト用ポリマー等)、メディカル・ヘルスケア(セルロース系粒子、エクオール、ウロリチンA、キラル分離、Actranza lab 等)を展開。
  • 事業構成(会社公表の目安)
    • メディカル・ヘルスケア 2%、スマート 6%、セイフティ 17%、マテリアル 31%、エンプラ 42%、その他 1%(売上構成の目安)
  • 海外売上比率:約67%
  • 主力分野の用途
    • 自動車(安全部品・エンプラ)、エレクトロニクス(機能フィルム・レンズ・溶剤)、生活・医療(セルロース誘導体・分離分析)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • エンジニアリングプラスチックで幅広い樹脂群を保有し、用途開拓力が強い。
    • エアバッグ用インフレータはグローバルに主要サプライヤーの一角。
    • セルロースアセテートやLCD向け材料など高機能素材に強み。
  • 競争優位性・課題
    • 優位性:多角ポートフォリオ(自動車・電機・医療等)と材料設計力、グローバル供給体制。
    • 課題:自動車・電子の景気循環の影響、原材料・為替の変動、価格競争の継続。安全部品は品質・規制遵守が重要。

3. 経営戦略と重点分野

  • 会社方針(短信・公表情報の整理)
    • 2026年3月期通期予想:売上6,000億円、営業利益540億円、純利益300億円(為替・原料前提により変動可能性あり)。
    • 重点:収益寄与の大きいエンプラ・マテリアルの収益性維持・改善、セイフティの安定供給・案件獲得、メディカル・スマートの育成。
  • 施策例(短信・セグメント動向)
    • 高付加価値グレードの拡販、製品ミックス改善。
    • コストコントロールと設備投資の選択と集中。
    • ヘルスケア・分離分析等の新規テーマの規模化。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:高機能樹脂・機能性化学品の継続供給+安全部品の安定需要+新規医療・分離分析の拡張。
  • 適応力:分野分散(自動車/電機/医療)により需要変動耐性を一定確保。為替・原材料変動への価格転嫁とミックス改善が鍵。
  • リスク:自動車サイクル、ディスプレイ・スマホ市況、品質関連リスク、規制対応コスト。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向・独自性
    • ポリマー設計・精密成形、光学グレード、電子材料(レジスト用ポリマー)、セルロース化学、分離分析(キラルカラム)など。
    • 皮内投与技術(Actranza lab)や機能性成分(S-エクオール、ウロリチンA等)を展開。
  • 収益牽引
    • エンジニアリングプラスチック、マテリアルが利益寄与大(2026年3月期1Qのセグメント利益:エンプラ6,529百万円、マテリアル4,403百万円)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在株価:1,374円
  • 会社予想EPS:203.68円 → 予想PER:6.75倍
  • 実績BPS:1,367.91円 → PBR:1.00倍
  • 配当:年間60円(予想)→ 配当利回り:約4.37%、配当性向:約33%
  • EV/売上:おおよそ1.03倍(EV ≒ 3,668億 + 有利子負債3,008億 − 現金688億 ≒ 5,988億円、売上 ≒ 5,802〜5,865億円)
  • EV/EBITDA:約6.1倍(EBITDA ≒ 988〜1,088億円)
  • 業界平均との比較(目安)
    • 業界平均PER:20.4倍、PBR:1.1倍 → 同社はPER・PBRともにディスカウント水準。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 50日移動平均:1,363円、200日移動平均:1,291円 → 現在値は両線上で上向き傾向。
  • 位置
    • 52週高値:1,482円、安値:1,059円 → レンジ上方(約75%地点)。年初来高値1,420円に近接。
  • 短期値動き
    • 直近10日で1,310〜1,380円のレンジ推移。出来高は3カ月平均並み。
  • 需給
    • 信用買残23.8万株・倍率4.65倍、売残5.1万株(前週比売り増加)→ 個人投資家の買い傾向がある一方、短期の売りポジションも増加。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益の推移(連結、百万円)
    • 売上高:467,937(2022)→ 538,026(2023)→ 558,056(2024)→ 586,531(LTM)
    • YoY(LTM/2024):+5.1%、3年CAGR:約+7.8%
    • 営業利益:50,697 → 47,508 → 62,393 → 61,011
    • 当期純利益:31,254 → 40,682 → 55,834 → 49,480
  • 収益性
    • 粗利率:約28.1%(164,746/586,531)
    • 営業利益率:約10.4%(61,011/586,531)
    • EBITDAマージン:約18.2%(106,871/586,531、正規化)
    • ROE(実績):13.77%
  • 直近期(2026年3月期1Q)
    • 売上高:1,392.7億円(YoY -4.3%)、営業利益:130.4億円(YoY -25.3%)
    • 営業利益率:約9.4%(前年同四半期:約12.0%)
  • キャッシュフロー・負債
    • EBITDA:約988〜1,088億円、利払い:198億円 → 利払余裕(EBIT/金利)約30倍超。
    • 現金同等物:約688億円、有利子負債:約3,008億円、D/E(簿価):約0.80倍。
    • 自己資本比率:44.2%、流動比率:1.88 → 財務は安定的。
  • 効率性
    • 総資産回転(四半期年換算の参考):約0.17回/期(短信試算、参考値)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間60円(予想、前期同水準)。5年平均利回り:約3.85%。
  • 配当性向:約33%(予想ベース)。
  • 自社株:自己株式比率4.27%(保有状況)。新規の自己株買いプログラムの有無は本データでは不明。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週変化率+3.3%(大型指数比では控えめ)。足元は移動平均線上で堅調。
  • ボラティリティ:β(5年):0.19(市場連動性は低め)。
  • 投資家構成:機関投資家保有比率約63.2%、インサイダー約9.9%、フリーフロート約2.31億株。イベントとして決算(2025/11/6予定)や配当前(2026/3/30権利落ち)が関心材料。

11. 総評

  • 需要面では自動車・電機のサイクル影響を受けつつも、エンプラ・マテリアルが利益の柱。1Qは数量・ミックス・コストの影響で減益となったが、通期は売上6,000億円・営業利益540億円を見込む計画。
  • 収益性は粗利率約28%、営業利益率約10%と、化学業界の中位〜良好水準のレンジ。ROEは約14%。
  • 財務健全性は自己資本比率44%、流動比率1.88、金利負担軽く、耐性は一定確保。
  • バリュエーションはPER約6.8倍、PBR約1.0倍、EV/EBITDA約6倍と、同業平均PER(20.4倍)・PBR(1.1倍)と比較して割安水準に位置。
  • テクニカルは上昇基調のなかレンジ上方で推移。短期はイベント(決算)と需給(信用動向)の影響に留意。

(注)本レポートは提供情報に基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言ではありません。不明点はスキップしています。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • LTM売上YoY +5.1%、3年CAGR約+7.8%。
  • 収益性:A
    • 粗利率約28%、営業利益率約10%、ROE約14%。
  • 財務健全性:A
    • 自己資本比率44.2%、流動比率1.88、D/E約0.80。
  • 株価バリュエーション:A
    • PER 6.75倍、PBR 1.00倍、EV/EBITDA約6倍。業界平均PER・PBR対比で割安。

参考データ
– 直近株価レンジ(10日):1,301〜1,384円、終値1,374円
– 年初来高値:1,420円/年初来安値:1,058円
– 今後のイベント
– 2025-11-06:決算発表予定
– 2026-03-30:権利落ち日(予定)


企業情報

銘柄コード 4202
企業名 ダイセル
URL http://www.daicel.com/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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