明和産業(8103)企業分析レポート
更新日: 2025-10-23(株価 886円、年初来高値 886円/年初来安値 593円)
本レポートは提供データに基づく事実整理であり、投資助言は行いません。
1. 企業情報
- 概要
- 三菱系の中堅専門商社。主力は化学品・樹脂、石油製品、資源・環境(難燃剤・建材を含む)、自動車・電池材料。
- 炭素製品や難燃助剤(アンチモントリオキサイド、臭素・リン系)で高いシェアを持つ分野があり、中国における潤滑油販売に強み。
- 海外売上比率:約35%(2025年3月期)。
- 事業構成(連結・2025年3月期目安)
- 資源・環境・難燃剤・建材:27%
- 石油製品関連:28%
- 化学品・樹脂:38%
- 自動車・電池材料:7%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 総合商社系のネットワークと化学・素材領域の専門性を併せ持つ中堅商社。
- 一部ニッチ分野(難燃助剤、炭素製品)での商流・供給網に強み。
- 競争優位性
- 仕入先・顧客基盤の広さ、海外(特に中国)での販売力、分散された商材ポートフォリオ。
- 課題
- 市況感・為替動向・原材料価格の影響を受けやすい低い営業利益率構造。
- 中国景気やEV関連投資サイクルに左右される領域のボラティリティ。
- 持分法適用会社の業績変動が収益の振れ幅要因。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(短信・開示の示唆)
- 高付加価値商材の比率拡大:難燃剤、機能建材など利益率の高い商材の伸長。
- 成長分野の強化:電池材料(特に中国向け)の拡販、自動車・高機能素材の深耕。
- 地域戦略:タイ子会社の連結化(2025年7月)などASEANでの基盤強化。
- ポートフォリオ最適化:子会社化(タカロク、取得原価14.9億円)による非連続成長の取り込み。
- 2026年3月期会社計画(現状維持)
- 売上高 1,600億円(前年比+2.1%)、営業利益 32億円(同-10.3%)、純利益 30億円(同-11.2%)、EPS 74.63円。
- 第1四半期は高採算商材の寄与で営業利益率が改善(3.71%)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 典型的な商社型:薄利多売の基盤に、ニッチ高採算商材で全体の利益率を底上げ。
- 持続性評価の視点
- ニッチ高シェア領域(難燃剤・炭素製品・機能建材)のストック的需要は一定の粘着性。
- EV・電池材料は成長期待がある一方で、サイクル・地域需給の変動が大きい。
- 為替差損や短期資金調達の増減が利益・資本効率に与える影響に留意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・商材の特徴
- 難燃助剤(アンチモントリオキサイド、臭素・リン系)、高機能フィルム・樹脂、潤滑油・添加剤、電池材料(正極・負極材、電解液、セパレーター原料等)を幅広く取り扱い。
- 収益牽引領域(2026年3月期1Q)
- 第一事業(資源・環境・難燃剤・建材)がセグメント利益の約68%を創出。難燃剤・防水材等が好調。
- 電池材料は売上増だが、持分法会社の低迷で自動車領域は伸び悩み。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:886円、時価総額:約357億円
- EPS(会社予想):74.63円 → 予想PER:約11.87倍(業界平均PER 12.1倍と同水準〜やや割安)
- EPS(直近12カ月):約83.3円 → 実績PER:約10.6倍
- BPS(実績):939.2円 → PBR:約0.94倍(業界平均PBR 1.0倍に対しやや低位)
- 配当:予想38円(利回り約4.29%)、配当性向:約50%
- 参考比較
- 業界平均PER×予想EPS=約903円(12.1×74.63)に対し、現株価はやや下回る水準。
- 業界平均PBR×BPS=約939円に対し、現株価はディスカウント。
7. テクニカル分析
- 位置づけ
- 52週高値=886円に到達。50日移動平均 830.6円、200日移動平均 724.2円の上方に位置。
- 年初来高値圏で推移。
- モメンタム
- 直近10日で上昇基調(856→886)。出来高は3カ月平均(約15.7万株)に対しやや低め(本日9.8万株)。
- 信用倍率 22.04倍と高水準(買い残積み上がり)。短期の需給変動に留意。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(百万円)
- 売上高:2022/3 143,025 → 2023/3 156,662 → 2024/3 158,279 → 過去12カ月 156,727(横ばい〜微減)
- 営業利益:2022/3 3,402 → 2023/3 3,656 → 2024/3 2,970 → 過去12カ月 3,569
- 親会社純利益:2022/3 2,407 → 2023/3 1,720 → 2024/3 2,754 → 過去12カ月 3,376
- 収益性
- 粗利率:約8.0%(12,552/156,727)
- 営業利益率:約2.3%(LTMベース計算値)。2026年3月期1Qは3.71%に改善。
- ROE:実績 8.79%(LTM指標では約9.6%のデータあり)
- ROA:実績ベース約3.4%
- 安全性・流動性
- 自己資本比率:51.5%(1Q末 50.3%)
- 流動比率:1.72倍(1Q末)
- 総有利子負債:約36億円、現金同等物:約85億円(ネットキャッシュ基調)。D/E約9.4%。
- キャッシュフロー
- 1QのCF計算書は未作成(注記)。減価償却費は小さい(1Q 6.1億円)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:年間42円
- 2026年3月期(会社計画):年間38円(中間無配・期末38円)
- 予想利回り:約4.3%、配当性向:約50%
- 自社株
- 自己株式は僅少(1Q末 約13.3万株)。大規模な自己株買いの開示はなし(提供情報ベース)。
- 株主構成
- 三菱商事が約24%を保有、主要株主の安定性。インサイダー保有比率約41%、浮動株約2,705万株。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価推移
- 52週騰落率:約+38.3%。低ベータ(5年 -0.19)ながら年初来は堅調。
- 投資家関心
- 信用買い残の増加(前週比+5.26万株)と高い信用倍率が示す関心の高まり。
- 出来高は直近やや減速も、移動平均線上での推移継続。
11. 総評
- 収益面では、難燃剤・機能建材など高採算商材の伸長で1Qの利益率が改善。通期計画は保守的で、為替差損や持分法損益の振れに留意。
- 財務体質は自己資本比率50%超、低D/E・良好な流動性で安定。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均並み〜やや割安水準、配当利回りは約4%台。
- テクニカルは年初来高値圏でモメンタム良好だが、信用需給の偏りは短期変動要因。
(リスク要因の例:為替変動、原材料市況、中国需要、持分法会社の業績、短期借入の増加動向等)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 売上はLTMで微減(YoY)ながら、3年で見ると緩やかに拡大。総合して中立評価。
- 収益性:B
- LTMの営業利益率は約2~3%台と商社・卸売平均レンジ。1Qで改善も、通期での継続性は要観察。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率50%超、流動比率1.7倍、D/E約9%と健全。
- 株価バリュエーション:A
- PER・PBRともに業界平均並み〜やや割安、配当利回りも相対的に高い水準。
注記
– 本資料は提供データに基づく事実の整理であり、投資判断は各自の責任で行ってください。提示指標は端数処理の関係で小数点差異が生じる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 8103 |
企業名 | 明和産業 |
URL | http://www.meiwa.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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