9304 澁澤倉庫(Shibusawa Logistics Corporation)企業分析レポート

注記:本資料は公開情報の整理であり、投資助言を目的とするものではありません。数値は特記なき限り連結ベース、通貨は百万円・円です(LTM=直近12か月)。一過性損益は適宜除外に留意。

1. 企業情報

  • 概要・事業
    • 倉庫・配送加工を核に、陸上輸送(混載・貸切・海上コンテナ)、国際輸送(海空・通関)、ドキュメント/トランクルーム、引越・家財保管、ECフルフィルメント等を提供する総合物流。
    • 医薬品・医療機器・化粧品向けの包装・表示・保管と品質管理に強み。情報システムの企画・運用、不動産(保有土地・建物の賃貸・開発)も展開。
    • 1897年創業(渋沢栄一創業)。2025年1月に英文社名を Shibusawa Logistics Corporation に変更。
  • 事業構成(2025.3)
    • 物流 92%(営業利益率目安 約5%)
    • 不動産 8%(営業利益率目安 約52%)
  • 上場区分・業種
    • 東証プライム/倉庫・運輸関連業(17業種:運輸・物流)
  • 従業員等
    • 従業員 1,321名、平均年齢 43.0歳、平均年収 753万円
  • 所在地・代表
    • 東京都江東区永代2-37-28/代表取締役社長 大隅 毅

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 倉庫準大手の一角。倉庫・陸運・国際輸送を一体で提供し、不動産事業が収益安定に寄与。
  • 競争優位の要素
    • 長期保有アセット(倉庫・土地)を活用した安定収益基盤
    • 医薬・化粧品、ECなど付加価値領域の取扱い
    • 通関含む国際一貫体制
  • 課題
    • 人手不足・ドライバー時間外規制(いわゆる2024年問題)対応コスト
    • 作業費・減価償却等の上昇と価格転嫁のバランス
    • 海外景気・為替による国際物流の変動
  • 市場シェア
    • 公表情報から定量的シェアは不明。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・方向性
    • 総合物流+不動産のポートフォリオで安定成長。基盤整備と高付加価値領域の深耕で収益性を高める。
  • 中期経営計画(「中計2026」2年目)
    • 重点施策(短信・開示より)
    • 物流拠点の整備・再編(立地最適化、増床)
    • 自動化機器導入・省人化(庫内作業の効率化)
    • ECフルフィルメントの強化
    • 医薬品・化粧品等の規制対応ロジの拡充
    • 国際・アジア展開の強化
    • 不動産の賃料最適化・稼働率向上
    • 進捗:計画通り推移の開示。
  • 直近期の運営ポイント(2026/3期1Q)
    • 陸上運送や国際輸送は増収。人件費・作業費、減価償却の増加で営業利益は前年同期比減。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 物流(景気・需給連動、コスト構造重い)+不動産(高採算・安定)の二本柱で収益平準化。
  • 需要適応力
    • EC・医薬/化粧品向け等の成長分野に注力。通関・国際一貫で取扱い拡大余地。
    • 自動化・DXによる人手依存低減と品質標準化を推進。
  • リスク対応
    • コスト上昇(人件費・燃料・建築費)への価格転嫁力が鍵。
    • ドライバー規制対応(中継拠点整備、積載効率向上等)を進める必要。
  • 投資負担
    • 直近は設備投資によりフリーCFがマイナスの局面あり(LTM LFCF -41億円)。自己資本比率は54.8%で耐性。

5. 技術革新と主力サービス

  • 技術・運用
    • 自動化搬送・仕分け、WMS/TMS等の倉庫・輸配送管理システム導入を推進。
    • トレーサビリティや温度管理など規制対応機能(医薬・医療機器)。
  • 主力・収益源
    • 国内倉庫・陸上運送がボリュームの柱、国際輸送・通関が補完。
    • 不動産(賃貸)が高採算で全社利益を下支え。
    • ECフルフィルメント、ドキュメント/トランクルーム等ニッチで安定収益。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:1,140円、時価総額:約692.7億円
  • 予想EPS:88.58円 → 予想PER:約12.9倍(会社公表 12.85倍)
  • 実績BPS:1,117.45円 → 実績PBR:約1.02倍
  • 配当(会社予想):45円 → 予想配当利回り:約3.95%、配当性向:約41.5%
  • 業界平均との比較
    • PER:同社 12.9倍 vs 業界平均 14.8倍
    • PBR:同社 1.02倍 vs 業界平均 1.10倍
  • 参照点
    • 予想EPS・配当は株式分割(4:1、2025/10/1効力)考慮後の数値に留意。

7. テクニカル分析

  • 位置づけ
    • 直近株価 1,140円は50日移動平均(約1,131.8円)、200日移動平均(約952.5円)を上回る上昇トレンド内。
    • 年初来高値 1,180円に接近(約3%下)。高値圏に近い水準。
  • モメンタム
    • 10日間は1,100円台前半での揉み合いからやや上方向。出来高は直近平均と同程度~やや低下。
  • 需給
    • 信用倍率 9.79倍と買い残優位。短期的に値動きの振れが出やすい可能性に留意。

8. 財務諸表分析

  • 収益・利益(単位:百万円)
    • 売上高:2022 71,743 → 2023 78,500 → 2024 73,413 → LTM 78,617(YoY +7.1%、3年CAGR 約+3%)
    • 営業利益:2022 4,520 → 2023 4,896 → 2024 4,275 → LTM 4,673
    • 親会社純利益:2022 5,257 → 2023 3,759 → 2024 3,728 → LTM 4,908(うち一過性益の寄与あり、Normalized 3,853)
  • 利益率・効率
    • 粗利率(LTM):約11.3%
    • 営業利益率:直近四半期 約5.05%(前年同期約6.5%から低下)
    • 純利益率(LTM・参考):約6.4%
    • ROE(実績):7.78%、ROA(LTM):2.38%
  • セグメント(2026/3期1Q)
    • 物流:売上 18,604、利益 878(利益率約4.7%)
    • 不動産:売上 1,421、利益 743(利益率約52%)
  • キャッシュフロー・財務
    • 営業CF(LTM):約54.8億円
    • レバードFCF(LTM):約-41億円(投資先行)
    • 総資産:117,622、自己資本比率:54.8%、流動比率:約1.39倍
    • 有利子負債:307.7億円、D/E:約47.1%
  • コメント
    • 物流でのコスト増・減価償却負担が短期の営業利益率を圧迫。一方、不動産が高採算で補完。
    • 1Qの純利益増は投資有価証券売却益増の影響。一過性要素を除くと基調は堅調だが増益率は緩やか。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 予想年間配当:45円(分割後換算)、予想利回り約3.95%、配当性向約41.5%
    • 過去実績(2025/3期):年140円(分割前ベース)
    • 権利落ち予定日:2026/3/30
  • 自社株
    • 自己株式保有比率 約4.88%(最新株主構成)。新規の自己株買い実施有無は本データ内で不明。
  • その他
    • 2025/10/1に4:1の株式分割を実施済み。流動性向上の効果に留意。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • パフォーマンス
    • 52週騰落率:約+43.7%(市場平均を上回る伸び)
    • 52週レンジ:712.5~1,180円(現状はレンジ上限付近)
  • 投資家属性
    • インサイダー保有比率:約36.8%、機関投資家保有:約16.5%、フロート約4,495万株
  • 需給・話題
    • 信用買い残優位(倍率 9.79倍)。短期的なイベント(決算、配当・分割)後のポジション調整に注意。
    • 次回決算スケジュールは会社公表に従う(直近予想は据え置き)。

11. 総評

  • 物流×不動産のポートフォリオで安定性と成長性を両立。ECや医薬・化粧品など付加価値領域、国際一貫体制を強化し、中計通りに基盤整備と自動化を進めている。
  • 直近は人件費・作業費、減価償却の増加で営業利益率がやや低下。一方、投資有価証券売却益の計上により純利益は増加しており、一過性の影響を勘案した評価が必要。
  • 財務は自己資本比率54.8%と健全。投資先行でフリーCFは一時的にマイナスだが、資本余力は確保。
  • バリュエーションは業界平均と比べPER/PBRともにやや低位、配当利回りは過去平均を上回る水準。株価は移動平均線上で上昇トレンドを維持し、年初来高値圏に位置。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上YoY +7.1%、3年CAGR約+3%(増収を評価)
  • 収益性:B
    • 根拠:物流の営業利益率は中位水準。不動産が高採算だが、一過性益を除いた純利益は標準的。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率54.8%、D/E約47%、流動比率約1.39倍と健全。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER 12.9倍・PBR 1.02倍はいずれも業界平均を下回る水準。

参考データ
– 株価:1,140円
– 予想EPS:88.58円/予想PER:約12.85倍
– 実績BPS:1,117.45円/PBR:約1.02倍
– 予想配当:45円/配当利回り:約3.95%
– ROE:7.78%/自己資本比率:54.8%
– 直近四半期(2026/3期1Q):売上+2.8%、営業利益-19.9%、純利益+11.5%(投資有価証券売却益寄与)


企業情報

銘柄コード 9304
企業名 澁澤倉庫
URL https://www.shibusawa.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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