ふくおかフィナンシャルグループ(8354)分析レポート

株価:4,360円(2025/10/23終値)
市場:東証プライム/銀行業
時価総額:約8,334億円

1. 企業情報

  • 概要
    • 九州を地盤とする地域金融グループ(福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行、福岡中央銀行等)。総資産は地銀首位級。個人・法人向けに預金・貸出、決済、投信・保険、M&Aアドバイザリーなど総合金融サービスを提供。
    • ネット専業「みんなの銀行」を展開(デジタル起点の新規顧客獲得・サービス高度化を志向)。
  • 資産・負債構成(2025/6末・連結の参考)
    • 資産:現預け金21%、有価証券15%、貸出金55%
    • 調達:普通預金70%、定期19%、当座5% ほか
    • 貸出先:中小企業等向け64%、住宅・消費者向け20%(2025/3期データ)
  • 規模感
    • 総資産:約32.95兆円、貸出金:約19.49兆円、預金:約21.32兆円(2025/6末)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 地銀グループとしては国内最大級の総資産規模。福岡・熊本・長崎など九州北部で高い存在感。
  • 競争優位性
    • 地域密着の預貸基盤、広域でのグループ一体運営、M&A・法人ソリューション力、デジタルチャネル(みんなの銀行)活用。
  • 課題
    • 預金金利上昇による調達コスト増、人口減少地域の需要低下、有価証券の評価変動リスク。地域経済の変動(例:半導体関連投資の波及の強弱)も影響。

3. 経営戦略と重点分野

  • 会社計画(2026/3期見通し・2025/8/7時点変更なし)
    • 経常利益:1,170億円(前期比+12.9%)
    • 親会社株主純利益:800億円(同+10.9%)
    • EPS:423.12円、年間配当予想:170円
  • 重点施策(開示・補足情報の整理)
    • コア業務純益の拡大:貸出残高拡大、金利環境の変化を踏まえたNIM改善、手数料ビジネス強化(投信・保険、M&A等)。
    • 生産性向上:DX推進、店舗・チャネル最適化、グループ共同化によるコスト効率化。
    • リスク管理・ALM:金利変動・有価証券評価のヘッジ最適化、信用コストの適正化。
    • 地域・サステナ:地域事業者の事業承継・設備投資・脱炭素投資支援、SDGs金融。
    • デジタル戦略:「みんなの銀行」を通じた新規顧客獲得とサービス差別化。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 中核は預貸利ざや+手数料。金利上昇局面では運用収益が改善しやすい一方、預金利息など調達費用も上昇。
  • 適応力
    • 手数料収益・ソリューション強化、デジタルバンクを含むチャネル高度化、ALM・ヘッジでの金利リスク対応。不良債権比率は1.63%(2025/6末)と管理は総じて良好な水準。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • ネット専業「みんなの銀行」によるモバイルファーストのUI/UX、API連携などのデジタル基盤活用。
  • 主力領域
    • 法人向け融資・ソリューション、個人向け住宅ローン・投信保険、カード・決済、M&Aアドバイザリー等。1Qの役務取引等収益は1,739億円(連結・単位換算注意)で非金利収益も寄与。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(連結・会社予想ベース)
    • PER:約10.3倍(業界平均10.7倍)
    • PBR:約0.85倍(業界平均0.4倍)
    • 配当利回り:3.90%(5年平均3.67%)
  • EPS/BPSを用いた目安比較
    • PER比較:業界平均PERを適用した理論値 ≈ 423.12円 × 10.7 = 約4,529円 → 現在株価(4,360円)はこれをやや下回る水準。
    • PBR比較:業界平均PBR(0.4)× BPS(5,128.45円) ≈ 約2,051円 → 現在株価は業界平均PBR水準を上回る(同社はROE・規模等を背景にプレミアムが付与されやすい構造)。
  • まとめ
    • PERは業界平均並み〜やや下、PBRは平均上。配当利回りは自社過去平均を上回る水準。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 50日線:4,404.6円、200日線:4,036.9円。終値は50日線を小幅下回り、200日線を上回る中期上昇トレンド内の持ち合い。
  • 位置
    • 52週高値:4,642円、安値:2,917円。現在は高値から約-6%の位置でレンジ上半分。
  • 需給
    • 信用買残95万株・信用倍率40.78倍と買い残偏重。短期的な値動きは需給の影響を受けやすい。出来高は直近10日平均(約78万株)に対し本日56.8万株でやや低調。

8. 財務諸表分析

  • 成長
    • 連結経常収益(売上に相当)は3期で増加(2022/3期 24,446億円 → 2025/3期 29,614億円)。LTM収益は3,354.5億円で前年同期比+12.7%。
    • 純利益は2024/3期 611億円 → 2025/3期 721億円。2026/3期1Qも前年同期比+9.2%。
  • 収益性
    • 過去12か月の利益率:営業37.5%、最終22.1%(銀行特有の計数であり一般事業会社との単純比較は注意)。
    • ROE:7.4%、ROA:0.22%(銀行として標準的な水準)。
  • 資本・健全性
    • 自己資本比率(会計ベース):約2.9%(2025/6末)。規制上の自己資本(CET1等)は未開示のため評価保留。
    • 不良債権比率:1.63%、1Qの信用コストは約13億円と落ち着いた水準。
  • キャッシュフロー
    • 四半期CFは未提示。銀行業の特性上、営業CFの変動は金利・預貸動向の影響が大きい。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 実績(2025/3期):年間135円。予想(2026/3期):年間170円(中間85・期末85)。
    • 予想配当性向:約35%。
  • 自己株式
    • 自己株式保有は約1%強(期中で増加傾向のデータあり)。今期の具体的な自己株買い枠の有無は本資料では不明。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週騰落率:約+26.6%。200日線上で推移し、中長期は上昇基調。直近10日では4,100〜4,400円台でのレンジ推移。
  • 投資家層
    • 機関投資家保有比率:約44%。信用買い残の積み上がりが短期のボラティリティ要因になりやすい。

11. 総評

  • 九州広域での高シェアと大規模な預貸基盤、非金利収益の拡大、デジタル戦略を背景に、増収増益基調を維持。金利上昇局面では運用収益の追い風がある一方、預金金利上昇等で資金調達費用も増加しており、NIMのコントロールとALMが重要。
  • 信用コストは低位で安定、不良債権比率も低水準。自己資本の規制ベース指標が本データでは不明なため資本健全性の詳細評価は保留。
  • バリュエーションはPERで業界平均並み、PBRはプレミアム。配当は増配予定で利回りは自社過去平均を上回る水準。テクニカルには中期上昇トレンド内での持ち合い局面。

(注)本レポートは公開データに基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言を目的としません。

12. 企業スコア

  • 成長性:A
    • LTM売上成長率+12.7%、過去数年も増収傾向。
  • 収益性:B
    • ROE約7〜8%、利益率は良好だが業界平均比は中位と判断。
  • 財務健全性:B
    • 不良債権比率は低位。一方、規制自己資本指標(CET1等)の情報不足により中立評価。
  • 株価バリュエーション:B
    • PERは平均並み〜やや下、PBRは平均上で総合中立。

参考計数
– EPS(予想):423.12円/BPS(実績):5,128.45円
– PER(予想):約10.3倍/PBR(実績):約0.85倍
– 配当利回り(予想):3.90%
– 50日移動平均:4,404.6円/200日移動平均:4,036.9円
– 不良債権比率:1.63%(2025/6末)


企業情報

銘柄コード 8354
企業名 ふくおかフィナンシャルグループ
URL http://www.fukuoka-fg.com
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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