4559 ゼリア新薬工業 分析レポート(株価: 2,018円)
以下は提供データに基づく客観的な整理です(投資助言ではありません)。
1. 企業情報
- 概要:消化器領域に強みを持つ中堅製薬。事業は「医療用医薬品」と「コンシューマーヘルスケア(OTC等)」の二本柱。海外はスイス拠点(Tillotts Pharmaなど)を軸に欧州中心へ展開。
- 主力領域・製品例:
- 医療用:アサコール(潰瘍性大腸炎)、エントコート(炎症性腸疾患)、アコファイド(FD:機能性ディスペプシア)、ディフィクリア(C. difficile関連)、経口腸管洗浄剤、便秘治療薬、ビルタサ(高カリウム血症)など
- CH(OTC):ヘパリーゼ群(滋養強壮・肝関連)、ウィズワン(便秘)、コンドロイチン群 ほか
- 連結事業構成(売上比率・営業利益率):医療用医薬品 68%(18%)、CH 32%(23%)、その他 0%(35%)
- 海外売上比率:57%(2025.3期)
- 従業員:1,787人
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内は消化器系のスペシャリティに特化した中堅。OTCでは「ヘパリーゼ」などの強いブランドを保有。海外は欧州のGI領域で一定のプレゼンス。
- 競争優位性:
- GI特化による製品・販売ノウハウの蓄積
- OTCでの高いブランド認知とチャネル力
- 海外展開(特に欧州)による地域分散
- 課題:
- 国内医療用は薬価改定・長期収載品の制度影響・競合で構造的な下押し
- 一部製品の特許・ライフサイクル管理、ジェネリック圧力
- 為替変動の損益影響(前期は差益→当期は差損に転じた局面)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(短信・開示より要旨):
- GI領域の集中強化(新薬導入・適応拡大、海外拡販)
- CH(OTC)での主力ブランド育成・新製品投入、デジタル販促強化
- 海外子会社の基幹システム投資等による基盤強化
- 直近の施策:
- 高カリウム血症治療薬「ビルタサ懸濁用散」発売(国内浸透を推進)
- 前期の出荷反動やコスト増を踏まえつつ通期見通しは据え置き(2026/3期 会社計画)
- 2026/3期 会社予想:
- 売上 900億円(+3.1%)、営業利益 120億円(-1.6%)、純利益 95億円(-4.4%)、EPS 215.52円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源の多様化(医療用×OTC、国内×海外)で構造的リスクを分散
- OTCは薬価改定の影響を受けにくく、ブランド継続投資で収益安定化に寄与
- 医療用は薬価改定・ジェネリック圧力の影響が続くため、新規導入薬や適応拡大、海外拡販で補完する必要
- 為替・出荷タイミングによる変動は継続的な留意点
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発動向:GI領域に研究開発と導入を集中。海外子会社のシステム・オペレーション投資で供給・販売基盤を強化。
- 収益牽引:
- 医療用:アサコール、エントコート、アコファイド等のGI中核品、加えて「ビルタサ」立ち上がり
- CH:ヘパリーゼ群、ウィズワン群が堅調(コンドロイチン群は競争影響で弱含み)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(提供値)
- PER(予想):9.36倍(業界平均 27.8倍)
- PBR(実績):1.02倍(業界平均 1.4倍)
- EPS(予想):215.52円
- BPS(実績):1,983.62円
- 配当利回り(予想):2.38%(配当性向 約21%)
- EV指標(概算)
- 時価総額 約1,052億円、ネットDE ≒ 有利子負債 383億円 − 現金 200億円 → EV 約1,236億円
- LTM売上 873億円、EBITDA 206億円 → EV/S ≈ 1.42倍、EV/EBITDA ≈ 6.0倍
- 参考試算(機械的比較・前提に依存)
- 業界平均PER(27.8倍)× EPS(215.52円)= 約6,000円相当
- 現在PBR 1.02倍はBPS(1,984円)近辺
- コメント:主要バリュエーション(PER・PBR・EV/EBITDA)は業界平均比で低位。利益の安定性、成長見通し、為替・制度リスクなどの織り込み度合いが市場評価に影響。
7. テクニカル分析
- 位置:株価 2,018円は
- 50日線 2,047.8円、200日線 2,134.7円をいずれも下回る
- 52週高値 2,505円/安値 1,966円のレンジ下限寄り
- 直近10日:1,979円→2,018円と小幅切り返し。直近出来高は3カ月平均(約9.95万株)並み〜やや上。
- 目安:サポート 1,966円(52週安値)、レジスタンス 2,050円(50日線)/ 2,135円(200日線)
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、単位:億円相当)
- 売上:595(2022)→ 684(2023)→ 757(2024)→ 873(LTM 2025)
- 営業利益:63.7 → 90.1 → 96.2 → 122.0
- 当期純利益:39.6 → 62.0 → 77.3 → 99.4
- 3年CAGR(売上):約+13〜14%
- 収益性(LTMベース、概算)
- 粗利率 ≈ 73.2%(= 639.6/873.1)
- 営業利益率 ≈ 14.0%(= 121.98/873.1)
- EBITDAマージン ≈ 23.6%
- ROE(実績):11.75%、ROA(実績):約4%
- 四半期動向(2026/3期1Q)
- 売上 -9.2% YoY、営業利益 -61.4% YoY、純利益 -74.1% YoY
- 要因:前期4Qの出荷前倒し反動、為替差益→差損、原価・システム投資等
- 財務健全性
- 自己資本比率 56.3%(1Q末 57.8%)、D/E(総負債/資本)≒ 0.44、流動比率 ≈ 1.29
- 現金等 200億円、有利子負債 383億円(1Q)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:47円(2025/3期実績)→ 48円(2026/3期予想)、利回り 2.38%、配当性向 約21%(余力あり)
- 自社株:自己株式保有比率 17.0%、2025/8/5に自己株式の消却を決議(EPS・資本効率に中立〜改善要因)
- 株主構成:創業家・自己株・金融機関・事業会社のバランス。インサイダー保有 27.1%、機関保有 20.4%
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス:52週で -13.0%(ベータ 0.05で低ボラティリティ)
- 信用需給:信用買残 96,100株、信用倍率 6.54倍。買残微減、売残増で短期はやや慎重姿勢。
- 出来高:直近は平常域〜やや増。イベントドリブンの材料待ち。
- 需給・外部要因:為替、薬価・制度改定、海外出荷タイミング、OTCの販促期の強弱がモメンタムに影響。
11. 総評
- 成長:直近数年は海外拡大とCH堅調で増収増益トレンド。LTMでも収益性は改善。足元1Qは反動・為替・コスト増で減益だが、通期は据え置き見通し。
- 収益性:粗利率・営業利益率とも業界水準感で良好。OTCの高マージンとGIスペシャリティの組み合わせが効率性を下支え。
- 財務:自己資本比率56%・D/E 0.44・流動比率1.29でおおむね健全。投資余力と株主還元余地を確保。
- バリュエーション:PER・PBR・EV/EBITDAはいずれも業界平均比で低位。構造的リスク(薬価・為替・製品ライフサイクル)や1Qのブレを織り込む形。
- テクニカル:株価は移動平均線下でレンジ下限近辺。業績イベント・OTC商戦・為替などの新材料待ち。
(注)上記は提供データの範囲での整理。将来予想は前提に依存します。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 3年CAGR 約+13〜14%、LTM YoYも二桁増。足元1Qは反動で減収。
- 収益性:A
- 粗利約73%、営業利益率約14%、EBITDAマージン約24%。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率56%超、D/E ≈ 0.44、流動比率 ≈ 1.29。
- 株価バリュエーション:A
- PER 9.36倍(業界 27.8倍)、PBR 1.02倍(業界 1.4倍)、EV/EBITDA ≈ 6.0倍。
参考データ(主要数値)
– 株価:2,018円、時価総額:約1,051.8億円、発行済株式数:52,119,190株
– 予想EPS:215.52円、予想配当:48円、配当利回り:2.38%、ROE:11.75%
– LTM:売上 873億円、営業利益 122億円、純利益 99億円、EBITDA 206億円、粗利率 ≈ 73%
– 2026/3期1Q:売上 194.9億円(-9.2%)、営業利益 15.2億円(-61.4%)
注意事項
– 本レポートは公開情報の客観的整理であり、特定銘柄の売買推奨等の投資助言ではありません。
– 数値は提供データに基づき、単位・定義の差により整合しない場合があります。最新の有価証券報告書・決算短信等でご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 4559 |
企業名 | ゼリア新薬工業 |
URL | http://www.zeria.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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