以下は、ツバキ・ナカシマ(6464)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

ツバキ・ナカシマは、鋼球、精密ローラー、ボールねじ(譲渡予定)の製造を手掛けるグローバル機械部品メーカーです。特に軸受け用の精密鋼球や精密ローラーを主力製品とし、セラミック球にも注力しています。かつてはMBOにより非上場化しましたが、2015年に再上場しました。
事業は主に「プレシジョン・コンポーネントビジネス」(精密ボール、ローラー、リテーナー、シートメタル部品等の製造・販売)が連結売上の約99%を占め、残りを「ブロア・リアルエステイトビジネス」(ブロア・送風機及び不動産賃貸)が構成しています。海外売上高比率は84%(2024.12時点)に達し、国際的な事業展開を行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は精密な機械部品、特に軸受け用の鋼球やローラーにおいてグローバルに事業を展開しています。開示情報によると、市場環境は自動車産業の低迷や国際貿易環境の不確実性、欧州製造業の弱含み、中国の動向などに影響されやすい特性があります。また、価格競争が激しく、マーケットシェアの低下が売上減少の一因であると報告されています。具体的な市場シェアの数値は提供されていませんが、グローバルプレーヤーとして競争環境に身を置いている状況がうかがえます。

3. 経営戦略と重点分野

同社は2025年2月17日に新中期経営計画を公表しており、費用削減などの施策を実施しています。経営戦略の重点分野として「事業選択と集中」を推進し、ボールねじ製造販売事業を会社分割・譲渡(2025年10月3日にミネベアミツミへ譲渡予定)することで、経営資源を成長分野であるセラミックやメディカルといった高付加価値製品へ投入する方針を掲げています。

4. 事業モデルの持続可能性

ツバキ・ナカシマの収益モデルは、精密機械部品の製造・販売が中心です。主要顧客産業である自動車産業の動向に業績が左右されやすい側面があります。しかし、ボールねじ事業の譲渡と、セラミックやメディカル分野への注力は、従来の事業構造に依存するリスクを軽減し、市場ニーズの変化に適応しようとする取り組みと見られます。高精度な部品製造技術を基盤としつつ、新分野への展開を図ることで、事業モデルの持続性向上を目指しています。

5. 技術革新と主力製品

主力製品は、軸受けなどに用いられる精密鋼球や精密ローラーです。技術開発の動向としては、セラミック球への注力が挙げられます。これは、より厳しい使用環境や高性能化の要求に応えるための技術革新の一環と考えられます。精密部品製造における独自の技術力が、同社の事業競争力の源泉となっています。収益を牽引する具体的な新製品やサービスに関する詳細な情報は開示されていませんが、成長分野への経営資源投入により、新たな主力製品の創出を目指す方針です。

6. 株価の評価

現在の株価は414.0円です。
同社のEPS(会社予想)は-20.41円(連結)と赤字予想のため、PERの算出はできません。
PBR(実績)は0.28倍(連結)であり、BPS(実績)1,471.18円に対して株価が大きく低い水準にあります。
業界平均PBRが1.4倍であることを考慮すると、現在のPBR0.28倍は業界平均と比較して低い水準にあります。

7. テクニカル分析

現在の株価414.0円は、直近10日間の推移を見ると373円(10/14)から上昇傾向にあります。
50日移動平均線(371.28円)と200日移動平均線(392.55円)の両方を上回っており、短期から中期にかけての上昇トレンドが見られる可能性があります。
年初来高値が490円、年初来安値が318円であることと比較すると、現在の株価は高値圏と安値圏の中間に位置していますが、直近のモメンタムは上昇方向です。

8. 財務諸表分析

  • 売上収益: 2022年の790億円をピークに、2023年770億円、2024年759億円、過去12か月716億円と減少傾向にあります。2025年12月期第2四半期(中間期)の売上収益は360億円(前年同期比△10.5%)と継続事業ベースでも減収が続いています。
  • 粗利益: 過去数年間で変動が大きく、2022年に大幅減少、2023年に回復するも、2024年および過去12か月では再び減少しています。
  • 営業利益: 2022年に-90億円と大幅な赤字を計上した後、2023年には50億円の黒字に回復しましたが、2024年には8億円、過去12か月では-5億円と再び減少または赤字に転じています。2025年中間期も7億円(前年同期比△63.5%)と大幅な減益です。
  • 最終利益: 2022年、2023年は赤字でしたが、2024年に9億円の黒字に転換しました。しかし、過去12か月では-17億円、2025年中間期では-9億円と再び赤字に陥っています。
  • ROE(実績): 1.58%(過去12か月:-2.42%)と低水準であり、株主資本の効率的な活用に課題が見られます。
  • 自己資本比率(実績): 35.2%(2025年中間:33.7%)と、一般的に健全とされる40%を下回っています。
  • 流動比率(直近四半期): 1.27(127%)であり、短期的な支払い能力は確保されています。
  • D/E比率(直近四半期): 160.77%と、負債が自己資本に対して高い水準にあります。

9. 株主還元と配当方針

会社予想の配当利回り、1株配当はともに0.00%です。2025年12月期は、中間配当、期末配当ともに0.00円の無配が予想されています。これは業績悪化を背景としたものと考えられます。過去には2024年12月期で年間25.00円の配当実績があります。
自社株買いについては、期末自己株式数として3,346,658株の記載があり、過去に自社株買いを実施していることは確認できます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は上昇傾向にあり、短期的な上昇モメンタムが見られます。しかし、信用買残が100万株を超え、信用倍率が9.05倍と高水準であるため、将来的な売り圧力が存在する可能性があります。
株価変動の要因としては、自動車産業の市況、グローバルな価格競争の動向、進行中のボールねじ事業譲渡を含む構造改革の進捗、セラミックやメディカル分野への成長投資の成果などが投資家の関心を集める可能性があります。業績の不安定さと配当停止は投資家心理に影響を与える要因となり得ます。

11. 総評

ツバキ・ナカシマは、精密部品製造のグローバル企業であり、主力製品は軸受け用の鋼球・ローラーです。自動車産業の景気動向や激しい価格競争の影響を大きく受けており、近年は売上と利益が減少傾向にあります。特に直近の業績は赤字に陥り、2025年12月期は無配を予想しています。
経営戦略としては、不採算事業の譲渡(ボールねじ事業)を進め、成長分野であるセラミックやメディカル分野に経営資源を集中する「事業選択と集中」を掲げています。この構造改革が今後、収益体質の改善につながるかが注目されます。
財務面では、自己資本比率が低く、負債比率が高い点が課題として挙げられます。
株価はPBRが業界平均と比較して著しく低い水準にあり、割安感がある一方で、業績の不安定さや赤字予想、配当停止が投資リスク要因となる可能性があります。直近の株価は上昇モメンタムを示していますが、信用買い残が多い点も留意が必要です。

12. 企業スコア

  • 成長性:C
    • LTM売上成長率は-12.60%(前年比)であり、過去数年間の売上も減少傾向にあります。
  • 収益性:C
    • 過去12か月の営業利益率は-0.79%と赤字であり、直近の中間期営業利益率も2.19%と低い水準で、収益性には課題が見られます。
  • 財務健全性:C
    • 自己資本比率35.2%(2025年中間33.7%)は一般的に健全とされる40%を下回っています。D/E比率160.77%も負債が高い水準を示しており、財務基盤はやや弱いと評価されます。
  • 株価バリュエーション:S
    • PERは赤字のため評価できませんが、PBRが0.28倍であり、業界平均の1.4倍と比較して著しく低い水準にあります。

企業情報

銘柄コード 6464
企業名 ツバキ・ナカシマ
URL http://www.tsubaki-nakashima.com/jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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