ツバキ・ナカシマ(6464)企業分析レポート
株価(2025-10-23終値):414円/時価総額:約172.6億円/市場:東証プライム(機械)
1. 企業情報
- 概要:精密機械部品のグローバルメーカー。主力は軸受け用の精密鋼球・ローラー、リテーナーなど。セラミック球の比率拡大に注力。ブロア(送風機)と不動産賃貸も展開。
- 事業セグメント(連結、2024年):プレシジョン・コンポーネント約99%、ブロア・リアルエステイト約1%。海外売上比率は約84%。
- 最近の重要トピック:
- ボールねじ・ボールウェイ事業を非継続事業に区分し、2025年10月3日にミネベアミツミへ譲渡予定(会社分割によりTNリニアモーションへ承継後譲渡)。選択と集中の一環。
- 2024年に品質問題が発生し、対象事業の切り離しや是正措置を進行。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:精密ボール・ローラーではグローバル供給能力を持つ大手の一角。自動車・産業機械・家電・工作機械など広範な最終用途に供給。
- 競争優位性:
- 世界各地の生産・供給体制、量産技術、品質トレーサビリティ。
- セラミック球など高付加価値領域への展開。
- 課題:
- 価格競争の激化(特に欧州におけるシェア低下が開示)。
- 自動車産業の弱含み、コスト上昇(人件費・原材料)によるマージン圧迫。
- 為替・貿易政策の不確実性。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/基本方針:選択と集中による収益力回復と資本効率の改善。グローバルサプライチェーン最適化と高付加価値ポートフォリオへの転換。
- 重点施策(中期):
- ポートフォリオ再編:ボールねじ・ボールウェイ事業を譲渡。精密ボール/セラミック/メディカル等の成長分野に資源配分。
- 収益改善:価格政策の見直し、歩留・稼働率改善、固定費のスリム化、購買最適化。
- 財務:運転資本圧縮でキャッシュ創出、ネット有利子負債の抑制、自己株式取得の機動的活用(期中の自己株式増加を確認)。
- 通期見通し(会社計画・据え置き、2025年):売上715億円、営業利益10億円、当期純損失8億円(EPS -20.10円)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:大量生産の標準品(鋼球・ローラー)と高付加価値品(セラミック等)のミックス。景気循環・顧客産業(自動車/産機)に連動しやすい一方、製造・品質ノウハウの蓄積が参入障壁。
- 適応力:
- 非採算・リスク事業の切り離しを進め、収益性の底上げを狙う構造改革が進行中。
- 高機能材(セラミック)や医療用途へのシフトで景気敏感度の低減を企図。
- リスク:マクロ需要鈍化、価格競争、品質対応コスト、為替。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性:
- 高精度球(鋼・セラミック)製造のプロセス技術、表面粗さ・真球度管理、材料選定。
- セラミック球(窒化ケイ素等)は高速・高温・長寿命特性が強みで、EV・工作機械・特殊用途で需要期待。
- 収益牽引:
- 中核は依然として精密ボール・ローラー。中長期的にセラミック/メディカル分野の構成比上昇を目指す。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価414円、BPS 1,471.18円、時価総額約172.6億円、現金約252.7億円、総有利子負債約905.4億円、売上(LTM)約716.7億円、EBITDA(LTM)約29億円。
- 指標比較
- PER:赤字のため算出困難(LTM・会社予想ともにEPSマイナス)。
- PBR:約0.28倍(業界平均1.4倍比で低位)。
- EV:約825億円(時価総額+ネット有利子負債)。
- EV/S:約1.15倍(716.7億円売上比)。
- EV/EBITDA:約28倍(EBITDA低位の影響)。
- まとめ:PBRは業界平均比で低位。一方、利益水準が弱くEV/EBITDAは高めに見える。赤字局面のためPER評価は不適。
7. テクニカル分析
- トレンド:直近10営業日で373円→414円へ反発基調。50日線(約371円)・200日線(約393円)を上回る。
- 位置:年初来レンジ318–490円の中位〜やや上。52週では711円高値に対し依然下方。
- 需給:信用倍率9.05倍と買い長。短期ボラティリティ拡大リスクに留意。
- 出来高:当日14.5万株で3カ月平均(約29.7万株)を下回るが、直近10日平均(約25.7万株)並み。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(IFRS)
- 売上高:2022年790億→2023年771億→2024年759億→LTM約717億と減少傾向。
- LTM粗利率:約13.7%(98.3億/716.7億)。営業損失約5.7億で営業利益率はマイナス。
- 2025年上期(継続事業ベース):売上360.6億(前年比-10.5%)、営業利益7.9億(同-63.5%)、営業利益率約2.2%。
- 純利益:LTMで約-14.7億の赤字(会社資料では上期-9.65億)。
- キャッシュフロー
- 営業CF(LTM):約66.6億、フリーCF:約52.9億とプラス。運転資本圧縮の効果。
- 効率・収益性
- ROE:2024年実績1.58%(LTMは-2.42%相当)。ROA(LTM):-0.17%。
- 財務体質
- 自己資本比率:35.2%(2025/6期末33.7%)。流動比率:1.27倍。
- 総有利子負債:約905億、現金約253億でネット有利子負債約652億。D/E(総負債/自己資本):約1.61倍(会社開示比率ベースはネット有利子負債/自己資本約116%)。
- ネット有利子負債/EBITDA(LTM):20倍超でレバレッジは高め。
(注)非継続事業の区分変更等で各指標にブレが生じ得ます。一過性要因の影響は排除しきれない可能性があります。
9. 株主還元と配当方針
- 2024年実績:年間25円(中間15円、期末10円)。
- 2025年予想:年間0円(中間0円、期末0円)。会社予想ベース。外部データの「フォワード25円」は最新会社予想と不整合。
- 自社株買い等:自己株式が期末1,761千株→中間3,347千株へ増加(取得実施の可能性)。今後の方針は開示動向に依存。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は反発基調。50・200日線を回復。
- 関心材料:
- 事業ポートフォリオ再編の進捗(ボールねじ事業譲渡完了、譲渡後の収益力回復)。
- 自動車・欧州産業の需要動向、価格交渉の進展。
- コスト削減と稼働率改善、在庫調整の進捗。
- レバレッジ低減(デレバレッジ)の可視化。
11. 総評
- 売上は数期にわたり減少傾向、利益水準も低位~赤字で推移。選択と集中(非継続事業の譲渡)とコスト施策により、継続事業の収益率を底上げする局面。
- バリュエーションはPBR0.28倍と低位。一方でネット有利子負債が重く、EBITDA対比のレバレッジは高め。キャッシュフローは改善しているが、持続的な営業利益率の回復が鍵。
- 短期的には需給(高い信用買い残)と再編進捗ニュースに影響を受けやすい構図。中期はセラミック等の高付加価値領域の伸長と、価格・コスト両面の改善度合いが注目点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上YoYマイナス(四半期ベース-12.6%)、3年で漸減傾向。
- 収益性:C
- 根拠:LTMで営業損失、EBITDA率低位(約4%)。業界平均を下回る水準。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率35%前後、流動比率1.27倍。ネット有利子負債大、D/E高め。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PBR0.28倍は業界平均1.4倍を大きく下回る。赤字のためPERは参考外。EV/EBITDAは利益水準低位により高め。
注記
– 本分析は提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を行うための助言ではありません。
– データにはIFRSにおける非継続事業区分や一過性項目の影響が含まれる可能性があります。会社開示の最新資料をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 6464 |
企業名 | ツバキ・ナカシマ |
URL | http://www.tsubaki-nakashima.com/jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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