フランスベッドホールディングス(7840)企業分析レポート
株価: 1,335円(時価総額 463.9億円)/ 市場: 東証プライム / 33業種: その他製品
配当利回り(会社予想): 3.07%(1株配当 41円)/ PER(予想): 14.78倍 / PBR(実績): 1.15倍
1. 企業情報
- 概要・事業内容
- メディカルサービス事業(連結売上構成比 67%):福祉用具レンタル・販売(マルチフィットベッド、手すり、多機能ベッド等)、見守り・介護ロボット、病院・高齢者施設向け販売、リネンサプライ、介護相談・ケアプラン作成、在宅介護支援など。
- インテリア健康事業(同 32%):ベッド・マットレス、ソファ、リクライニング、ベッド型マッサージャー等の製造販売。ショールーム、百貨店、家具店、ホテル向けなど多チャネル展開。
- その他(同 1%):不動産賃貸等。
- 特徴
- 高齢者市場(シルバービジネス)に重点。レンタル・リネン等のストック型収益と、家具・寝具のフロー型収益のポートフォリオを併せ持つ。
- グループ内でメディカルサービスを統合し、開発〜製販〜レンタル〜アフターまで垂直統合。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- ベッド・寝具および福祉用具レンタルの大手。全国ネットワークと医療・介護領域での豊富な顧客基盤が強み。
- 病院・施設や在宅介護向けの提案力、商品開発力(多機能ベッド、見守り機器等)を背景に、介護保険制度下の需要を取り込みやすい。
- 競争環境・課題
- 競合にはパラマウントベッドHD等、介護・医療向け機器の専業他社や地域レンタル事業者が存在。
- 課題は①住宅着工や耐久消費財サイクルの影響を受けるインテリア分野、②原材料・人件費上昇、③介護報酬・制度改定の影響、④病院・施設向け受注のタイミング変動。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画(2024年4月開始の3カ年)
- シルバービジネスへの資源集中配分。
- 重点施策
- 福祉用具レンタルの拡大(顧客譲受・M&A含む)、卸向け製品展開の強化。
- リネンサプライ能力増強(静岡の新工場開設等の設備投資)。
- 高付加価値商品の強化(マットレス・多機能ベッド、見守り・介護ロボット、在宅向け電気刺激リハ機器)。
- ショールーム販売やホテル向け販売の強化、販路多角化。
- 2026年3月期1Qの状況(会社開示要約)
- メディカル:福祉用具貸与は堅調、リネンは投資先行、病院・施設向け受注は一時減速。
- インテリア:ショールーム中心に高付加価値販売、ホテル向けは好調も、住宅着工減少・消費マインド低下で伸び悩み。
- 通期計画は据え置き(売上 6,230億円、営業利益 47.5億円、親会社純利益 30.5億円想定)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルの安定性
- 福祉用具レンタルやリネンサプライなどのストック型収益が基盤。高齢化トレンドに沿う需要で景気感応度が相対的に低い。
- 変化対応力
- 自社開発(見守り・介護ロボ)、在宅向けリハ機器などでニーズ変化に対応。ショールーム・ホテル・EC・卸など多チャネル展開で需要源の分散が進む。
- 留意点
- インテリアは景気・住宅指標の影響を受けやすく、原材料・物流・人件費上昇はマージン圧迫要因。制度改定(介護報酬等)も注視。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発
- 介護ロボット、見守り機器、電気刺激リハ機器などメディカル×テクノロジー領域での開発を継続。多機能・省力化・安全性向上に軸足。
- 主力領域
- 多ポジションベッド、手すり等の福祉用具、マットレス等の高付加価値寝具、ホテル向けベッド・リネン。レンタル・リネンの稼働率向上が収益を牽引。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現状評価
- 株価: 1,335円 / EPS(会社予想): 90.32円 → PER: 約14.8倍(業界平均 14.5倍と同水準〜やや上)
- BPS(実績): 1,158.65円 → PBR: 約1.15倍(業界平均 1.3倍を下回る)
- EV/Sales(概算): EV ≒ 463.9 – 152 + 128 = 440億円、売上 605.6億円 → 約0.73倍
- 配当利回り: 3.07%(会社予想 41円、配当性向目安 約45%=41/90.32)
- 解釈
- PERは業界並み、PBRはやや低め、EV/Sは0.7倍台と落ち着いた水準。レンタル等のストック性と資本効率のバランスが反映。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近終値 1,335円は年初来高値(1,358円)から約1.7%下、50日線 1,296円・200日線 1,280円を上回る推移。緩やかな上昇基調で高値圏に接近。
- 値動き・需給
- 10日間は小幅な上昇基調。出来高は3万株前後で平常域。
- 信用倍率 0.79倍(売り越し気味)。踏み上げ・買い戻し需要発生時は上値の軽さに寄与する可能性。
- ボラティリティ
- 5年β 0.22と低ボラティリティ。外部環境ショックに対する株価変動は相対的に小さい傾向。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(百万円):54,398(2022)→ 58,578(2023)→ 59,151(2024)→ 60,561(LTM)で3年CAGR約+3.6%、LTM YoY約+2.4%。
- 収益性(LTM、当社算出)
- 粗利率 ≈ 33,056 / 60,561 = 約54.6%
- 営業利益率 ≈ 4,697 / 60,561 = 約7.8%(外部指標の過去12か月営業利益率5.45%とは定義差の可能性)
- 当期純利益率 ≈ 2,946 / 60,561 = 約4.9%
- EBITDAマージン ≈ 10,003 / 60,561 = 約16.5%
- 効率・資本
- ROE(実績): 7.48% / ROA(LTM): 4.08%
- 自己資本比率: 57.3% / 流動比率: 約247% / D/E: 約33%(純有利子は実質ネットキャッシュ)
- 四半期動向(2026年3月期1Q)
- 売上 -3.0%、営業利益 -24.1%、純利益 -26.9%(前年同期比)。病院・施設向けの一時減速と投資先行でマージン圧迫。通期は据え置き。
- コスト・投資
- 減価償却費(四半期累計):12.69億円。設備投資はリネン工場など能力増強中心。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 実績(2025/3期):年40円。会社予想(2026/3期):年41円(中間17円/期末24円)。予想配当性向は概ね45%台。
- 5年平均利回り:3.21%(提供データ)
- 自社株買い
- 2025年5月に自己株式118.48万株を取得(約14.99億円)。1Q末の自己株式は137.48万株。発行済株式数の希薄化抑制・資本効率改善に寄与。
- 持株構成
- インサイダー持分 37.1%、機関投資家 12.7%、フロート 1,890万株。安定株主構成で中長期志向の還元が期待されやすい設計。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化 +7.19%(S&P500 +15.31%)。国内ディフェンシブ性の高い銘柄として緩やかな上昇。
- 注目材料
- 中期計画の進捗(レンタル拡大、リネン新工場稼働)、ホテル需要、介護報酬・制度改定、原材料・人件費動向、病院・施設向け受注の戻りタイミング。
- 予定
- 次回権利落ち予定:2026/3/30。直近決算発表は2025/8/8(1Q)。
11. 総評
- 高齢化という構造追い風の下、ストック型のメディカル・リネンとフロー型のインテリアを併せ持つ安定モデル。レンタル・設備投資を起点に中期的な収益基盤強化が進む一方、短期は病院・施設向け受注のタイミングやインテリアの需給環境により利益が変動。
- 財務は健全(自己資本比率57%、ネットキャッシュ、流動比率247%)。配当と自社株買いの両立で資本政策はバランス型。
- バリュエーションはPERが業界並み、PBRはやや低め。株価は年初来高値圏でテクニカルには上値抵抗に接近。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 理由:LTM売上YoY +2.4%、3年CAGR約+3.6%。中計のレンタル拡大で中期的な伸長余地。
- 収益性:B
- 理由:粗利率約55%、営業利益率7–8%台と安定だが、直近四半期はマージン低下。業界平均データ不備のため中立寄り評価。
- 財務健全性:A
- 理由:自己資本比率57%、流動比率約247%、D/E約33%、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:B
- 理由:PERは業界並み、PBRは業界平均を下回る水準、EV/S約0.73倍で総合中立。
参考データ(提供情報ベースの主要数値)
– 売上高(LTM):605.6億円 / 営業利益:46.97億円 / 当期純利益:29.46億円
– ROE:7.48% / 自己資本比率:57.3% / 現金15.2億円・有利子負債128.4億円(四半期)
– 年初来高値:1,358円 / 安値:1,110円 / 50日線:1,296.82円 / 200日線:1,280.32円
注記
– 営業利益率などは提示財務データからの計算値であり、外部指標値と差異が出る場合があります(定義や期間差による)。
– 本レポートは事実関係の整理であり、金融商品取引法上の投資助言に該当しません。用途は情報提供に限られます。
企業情報
| 銘柄コード | 7840 |
| 企業名 | フランスベッドホールディングス |
| URL | http://www.francebed-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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