岡部(5959)企業分析レポート
最終更新: 2025-10-24
1. 企業情報
- 概要
- 建設・土木向けの仮設機材、型枠用金物、構造機材、建材製商品を中核とするメーカー。日本・北米等で展開。
- セグメント(実務上):建設関連製品(国内/海外)が主力、その他に産業機械、海洋資材、自動車向けボルト・ナット、賃貸等。
- 米国の自動車バッテリー部品事業は売却済み(ポートフォリオの整理を実施)。
- 事業構成(2024年実績ベースの参考)
- 建設関連製品・国内67%、同・海外24%、その他9%/海外売上比率28%(2024.12)
- 従業員969名、自己資本比率68.4%(連結)。本社:東京都墨田区。
主な製品群(例)
– 仮設・型枠:クランプ、足場関連、型枠用インサート/セパレーター/フォームタイ/コーン等
– 構造機材:支保工(シャリングプロップ等)、梁・壁用サポート、軽量梁
– 土木:滑り型枠、ボルト/アンカー、仮設橋、床版マット 等
– 鉄筋関連:継手、スペーサー、基礎・梁関連
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 建設・資材(金属製品)分野で、仮設・型枠・構造機材に強み。国内で幅広い顧客基盤と製品ラインアップを持ち、海外(とくに米国)でも建材販売を拡大。
- 競争優位性(示唆)
- 製品数・用途の広さ、安全規格や施工効率に配慮した製品設計、国内外の販売網。
- 海外(米インフラ)需要の取り込みによる分散効果。
- 課題
- 建設投資サイクル、労務費高騰、鋼材価格など原材料の変動に業績が影響。
- 施工現場の人手不足に伴う納期・コスト圧力。
- 一部製品は価格競争が起きやすい領域もあり、差別化・サービス化(レンタル等)の強化が鍵。
- 市場シェア:公開情報から定量把握は困難(記載なし)。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「OX-2026(okabe Transformation 2026)」の骨子
1) カスタマー・セントリック(顧客課題の解決を最優先)
2) 人的資本経営と経営基盤の強化
3) DXのさらなる推進
– 重点施策(決算短信記載の要点)
– 新工法関連製品の拡販、製品改良、営業力強化
– レンタルサービスの開始・拡大(収益の安定化、顧客利便向上)
– 海外(米国中心)での建材需要取り込み
– ポートフォリオ再編
– 低採算/非中核の整理(米自動車バッテリー部品売却 等)により資本効率の改善を志向。
– 2025年通期会社予想
– 売上高 72,500百万円、営業利益 4,700百万円、純利益 3,120百万円、EPS予想 67.46円(修正なし)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 製品販売が中心。加えてレンタルや改良型製品の提供により、価格競争からの脱却とマージン安定化を目指す。
- 需要動向への適応
- 国内は公共投資が底堅い一方、民需の振れやコスト上昇リスクあり。
- 海外(米国)のインフラ関連需要が成長ドライバー。為替や通商政策の影響は注視点。
- 財務余力
- 高い自己資本比率(69%前後)、ネットキャッシュ(約60億円)により、投資・還元・耐久性のバランスに余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の方向性
- 施工効率化・安全性向上に資する新工法・改良製品の投入(滑り型枠、各種アンカー/ボルト、鉄筋継手、支保工など)。
- DX活用による設計・調達・在庫・現場支援の高度化。
- 収益牽引領域(2025年中間期・製品別売上)
- 構造機材製商品 10,284百万円(+3.6%)
- 建材製商品(海外) 8,095百万円(+8.7%)
- 土木製商品 3,439百万円(+11.8%)
- 仮設・型枠製品は小幅減(需要ミックスの影響)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価 928円、時価総額 457億円、EPS(会社予想)67.96円、BPS 1,324.42円
- 業界平均:PER 17.5倍、PBR 0.7倍
- 指標
- PER:約13.7倍(= 928 / 67.96)→ 業界平均比で低水準
- PBR:約0.70倍(= 928 / 1,324.42)→ 業界平均並み
- EV/S:約0.57倍(EV≈457+65-126=約397億円、LTM売上 690億円)
- 益回り(予想):約7.3%(= 1 / PER)
- 配当利回り(会社予想):約4.42%(年間41円)
- コメント
- 収益正常化(特殊要因除き)を前提とした水準感。PBRは簿価並み、PERは業界平均を下回るレンジ。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 終値 928円は50日移動平均(約936円)をやや下回り、200日(約858円)は上回る。中期は上向き、直近はもみ合い。
- 位置
- 52週レンジ 718~993円の上半分(現状は高値から約6.5%下)。
- 節目(目安)
- レジスタンス:950円近辺、年初来高値 993円
- サポート:900円前後、50日移動平均帯
- 出来高
- 直近出来高は3カ月平均並み(約6.2万株)。信用倍率15.67倍は買い残超過で、短期の需給偏りは留意。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長
- 売上高(LTM)690.6億円(前年 678.1億円比 +1.9%)。四半期ベースの前年比成長 +5.8%(会社計数)。
- 2025年中間:売上 330.7億円(+3.9%)。
- 収益性
- 粗利率(LTM)約31%(粗利 216億円 / 売上 691億円)
- 営業利益(LTM)約47億円、営業利益率 7.57%(会社計数)
- 特殊要因(特別損失等)でLTM純損失(-4.6億円、純利益率 -0.7%)。一方、中間期は親会社純利益 17.5億円(純利率約5.3%)と回復。
- 正常化ベース(Normalized EBITDA)ではマージン約10%。
- 効率
- ROE(実績):-1.44%(LTMベースで一時損失の影響)。中間期ベースのROEは約2.9%(単純計算)。
- ROA(LTM):約3.25%。
- キャッシュフロー・財政状態
- 営業CF(LTM)60.5億円、レバードFCF 37.3億円(プラス)。
- 現金等 125.5億円、有利子負債 65.4億円でネットキャッシュ約60億円。
- 自己資本比率 68.4~69.0%、流動比率 2.69倍、D/E 約0.11倍と健全。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年通期予想:41円(中間20円[普通15+特別5]、期末21円[普通16+特別5])
- 予想配当利回り:約4.42%(株価928円)
- 予想ベースの配当性向(会社EPS 67.46円比):約61%(参考)
- 公表データのPayout Ratio 81%はトレーリング基準の影響(LTMでは一時損失で純損)。
- 自己株式
- 2025年2月に自己株705,300株を取得。RS(一部)で処分あり。自己株比率は増加基調。
- 方針
- 安定配当に特別配当を上乗せ。資本政策は配当+自己株買いの併用。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近10営業日:900円台前半~930円台でのレンジ推移、やや上昇基調。
- 52週騰落:約+18.7%と堅調。
- 関心材料
- 2025年中間で利益回復。海外(米国)建材の伸長、土木製商品の堅調。
- 原材料価格・為替の動向、公共投資/民需の強弱、通商政策の影響。
- 次の配当権利落ち日:2025/12/29。
11. 総評
- 事業環境は、国内の人手不足やコスト上昇という逆風が続く一方、公共投資や米国インフラ需要が下支え。岡部は製品改良・新工法、レンタル等の施策でマージン安定化を志向。
- 財務基盤は強固(高自己資本比率・ネットキャッシュ・正のフリーCF)。2025年中間では利益が回復し、通期計画も維持。
- バリュエーションはPERが業界平均を下回り、PBRは簿価並みのレンジ。配当利回りは社内方針どおり安定的に見える一方、一時損益の影響度合いには留意が必要。
- テクニカルは中立圏(50日線前後のもみ合い)。需給は信用買い超過で短期の振れに注意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
注)欠損データはB(中立)、一過性損益は除外の方針。
– 成長性:B
– LTM売上成長率 +1.9%、四半期YoY +5.8%。3年では緩やかな伸長にとどまる。
– 収益性:B
– 粗利率約31%、営業利益率7%台。正常化EBITDAマージン約10%。一方、特殊要因で最終赤字期が混在。
– 財務健全性:S
– 自己資本比率約69%、流動比率2.7倍、D/E約0.11倍、ネットキャッシュ。指標は良好。
– 株価バリュエーション:A
– PER約13.7倍(業界平均17.5倍比で低水準)、PBR約0.70倍(業界並み)、EV/S約0.57倍。
参考データ
– 株価レンジ:年初来高値 993円/年初来安値 718円
– 直近期(2025年中間):売上 330.7億円(+3.9%)、営業利益 22.7億円(+28.4%)、純利益 17.5億円(+30.8%)
– 次イベント:2025年12月29日(配当権利落ち日)
出典:提供データ(決算短信、財務・株価指標等)。詳細は会社開示(決算短信・有価証券報告書等)をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 5959 |
企業名 | 岡部 |
URL | http://www.okabe.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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