1. 企業情報
新東は、1963年設立の愛知県高浜市に本社を置く企業です。主な事業内容は、日本および洋風の屋根瓦の製造販売です。特に「三州瓦」と呼ばれる愛知県三河地方で生産される瓦が主力で、その大手3社の一角を占めています。平板瓦に実績があり、廃材の少ないモジュール瓦も手掛けています。積水ハウス等の大手ハウスメーカーに製品を納入する実績もあります。事業の構成は、製品瓦34%、商品瓦19%、工事他47%(2025年6月期)となっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
新東は三州瓦大手の一角として、国内の屋根瓦市場において一定の地位を確立しています。洋風・和風瓦を幅広く生産し、特に平板瓦に強みを持っています。競争優位性としては、長年の実績と大手ハウスメーカーへの納入実績が挙げられます。一方で、国内の新設住宅着工戸数が低水準で推移しており、建築資材価格や労務費の高騰、住宅ローン金利上昇の懸念が市場の下押し要因となっています。原材料(粘土・釉薬)や燃料(LPG・重油)を特定仕入先に依存している点や、大手ハウスメーカー向けの採用比率が高いことによる影響、他社の類似品投入も課題となりえます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、安定的かつ継続的な配当を基本方針として掲げています。中期経営計画に関する具体的な数値目標の記載はありませんが、決算短信において以下の施策や重点分野を継続して実施していく方針を示しています。
– 主力製品(CERAMシリーズ、SHINTOかわらS等)の拡販と新規顧客の掘り起こし。
– SNS(YouTube等)やWeb会議型アプリを用いたリモート営業による販促力強化。
– 環境配慮型・高付加価値商品の拡販。
– 生産プロセスの見直しと効率化、業務プロセスの効率化。
– 財務体質のスリム化。
これらの施策を通じて、厳しい市場環境下での収益性向上と事業基盤の強化を目指しています。
4. 事業モデルの持続可能性
新東の主要事業モデルは、瓦の製造販売と屋根工事の施工です。国内の新設住宅着工戸数に業績が左右される傾向がありますが、省エネ住宅やリフォーム需要といった特定分野の堅調な動きに対応することで、市場ニーズの変化への適応を図っています。また、廃材の少ないモジュール瓦や環境配慮型・高付加価値商品の拡販は、環境意識の高まりや持続可能性への要求に応えるものです。しかし、原材料・エネルギー価格の高騰や住宅着工数の変動、特定仕入先への依存は事業の持続可能性におけるリスク要因として認識されています。
5. 技術革新と主力製品
新東は、三州瓦大手として瓦製造における実績とノウハウを有しています。特に平板瓦に強みがあり、主力製品として「CERAMシリーズ」や「SHINTOかわらS」などが挙げられています。詳細な技術革新に関する具体的な記述は少ないものの、「廃材少ないモジュール瓦」の開発・提供は、環境負荷低減といった市場の要請に応える技術的な取り組みの一例と考えられます。これらの製品群が売上全体の34%を占める製品瓦の収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価1,660.0円をもとに各種指標を確認します。
– PER(会社予想): 58.74倍。これは業界平均PER 7.3倍と比較して大幅に高い水準です。これは会社の予想EPSが28.26円と低いため、利益水準に対して株価が非常に高く評価されていることを示唆しています。
– PBR(実績): 0.36倍。これは業界平均PBR 0.7倍と比較して低い水準であり、会社の純資産に対して株価が割安に評価されていると見ることができます。
現在の株価は、利益面から見ると割高感がある一方で、資産面から見ると割安感がある状態です。
7. テクニカル分析
現在の株価は1,660.0円です。
– 年初来高値は3,090円、年初来安値は1,275円です。現在の株価は年初来高値から大きく下落し、年初来安値に近い水準で推移しており、安値圏にあると言えます。
– 50日移動平均線は1,674.64円、200日移動平均線は1,584.53円です。現在の株価は50日移動平均線をわずかに下回っていますが、200日移動平均線は上回っており、中長期的なトレンドは安定している可能性がありますが、短期的な上値は重い状況です。
– 直近10日間の株価は1,610円から1,675円のレンジで推移しており、出来高が非常に少ないことから、積極的な売買があまり行われていない状況がうかがえます。
8. 財務諸表分析
新東の財務状況を過去数年間のデータで比較します。
– 売上高:
– 2021年6月期: 5,013百万円
– 2022年6月期: 5,419百万円
– 2023年6月期: 5,042百万円
– 2024年6月期: 4,521百万円
– 2025年6月期 (過去12か月/実績): 4,627百万円
売上高は2022年6月期をピークに減少傾向にありましたが、2025年6月期には前期比+1.8%と微増に転じました。しかし、2026年6月期の会社予想では再び減収となる見込みです。
– 営業利益:
– 2021年6月期: 19百万円
– 2022年6月期: -2百万円(損失)
– 2023年6月期: 18百万円
– 2024年6月期: -87百万円(損失)
– 2025年6月期 (実績): 105百万円
営業利益は不安定で、過去には赤字を計上する期もありました。2025年6月期には前期の損失から黒字転換を果たしましたが、2026年6月期の会社予想では利益が大幅に減少する見込みです。
– 当期純利益:
– 2021年6月期: 1百万円
– 2022年6月期: -1百万円(損失)
– 2023年6月期: 24百万円
– 2024年6月期: -65百万円(損失)
– 2025年6月期 (実績): 70百万円
当期純利益も営業利益と同様に不安定な推移を見せています。2025年6月期は黒字化しましたが、次期予想では大きく減少する見込みです。
– ROE(実績): 2.15% (過去12ヶ月: 3.87%)。低い水準であり、株主資本を効率的に活用できているとは言えません。
– 自己資本比率(実績): 52.3%。比較的健全な水準にあります。
– キャッシュフロー: 2025年6月期は棚卸資産の増加などにより営業活動によるキャッシュフローが△127百万円とマイナスに転じました。投資活動によるキャッシュフローもマイナスですが、財務活動によるキャッシュフローが短期借入によりプラスとなり、期末現金残高は83百万円となっています。流動比率は0.81と1.0を下回っており、短期的な支払い能力には課題が見られます。
9. 株主還元と配当方針
新東は「安定的かつ継続的な配当を基本方針」としています。
– 配当利回り(会社予想): 2.26%
– 1株配当(会社予想): 37.50円
– 配当性向(2025年6月期実績): 37.9%
2024年6月期、2025年6月期ともに年間37.50円の配当を実施しており、2026年6月期も同額を予想しています。自社株買いなどの株主還元策に関する具体的な記載はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は年初来高値3,090円から大幅に下落しており、現在の1,660円は年初来安値1,275円に近い水準で推移しています。直近10日間の株価推移は小動きで、出来高も平均で1,970株(10日間平均)と非常に少なく、市場の投資家関心は低い状態であると考えられます。信用取引では信用買残が20,300株、信用売残が0株であり、信用倍率が0.00倍となっています。流動性が低い銘柄であるため、株価の急な変動や売買のしにくさには留意が必要です。
11. 総評
新東は三州瓦大手の一角を占め、瓦製造販売および屋根工事を主要事業とする企業です。国内の新設住宅着工戸数減少や原材料価格高騰といった厳しい外部環境に直面していますが、販売価格転嫁や生産効率改善により2025年6月期は黒字化を達成しました。ただし、売上高は減少傾向にあり、利益水準も不安定な推移が続いています。財務健全性は自己資本比率52.3%と良好ですが、流動比率や借入金は課題を抱えています。株価はPBRでみると割安感がありますが、利益水準の低さからPERは非常に高く評価されており、バリュエーションは二極化しています。株主還元は安定配当を維持する方針を示しています。低い出来高は、市場の関心が限定的であることを示唆しています。
12. 企業スコア
- 成長性: C
- 過去数年の売上高は減少傾向にあり、直近2025年6月期は微増に転じたものの、2026年6月期の会社予想では再び減収を見込んでいます。事業規模の拡大には課題がある状況です。
- 収益性: C
- 過去の営業利益は赤字と黒字を繰り返しており、安定性に欠けます。2025年6月期は黒字化しましたが、翌期予想では利益が大幅に減少する見込みであり、高い収益性を継続的に確保できているとは評価しにくい状況です。
- 財務健全性: B
- 自己資本比率は52.3%と健全な水準を維持しています。一方で、流動比率は0.81と短期的な支払い能力に懸念があり、Total Debt/Equityも90.67%と負債水準が高い点は注意が必要です。
- 株価バリュエーション: C
- PER(会社予想58.74倍)は業界平均(7.3倍)と比較して非常に割高です。しかし、PBR(実績0.36倍)は業界平均(0.7倍)を下回っており、資産面では割安感があります。利益の不安定さや低水準がPERを押し上げているため、総合的には割高との評価になります。
企業情報
| 銘柄コード | 5380 |
| 企業名 | 新東 |
| URL | http://www.shintokawara.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – ガラス・土石製品 |
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