伊藤忠商事(8001)企業分析レポート
株価(10/24終値近辺):8,765円/時価総額:13.88兆円/配当利回り(予想):2.28%
注記:本資料は公開データの整理であり、投資助言ではありません。不明な項目・業界平均値がない項目は記載を控えるか中立評価とします。一過性損益は可能な限り除外して評価しています。
1. 企業情報
- 概要
- 総合商社大手。非資源(消費・小売・生活関連)を中核に、中国ビジネスやコンビニ(傘下にファミリーマート)に強み。
- セグメント:繊維、機械、金属、エネルギー・化学品、食料、住生活、情報・金融(ほか第8・その他)。
- 事業内容(例)
- 食料:生産・流通・小売(ファミマ等を含む食品・小売チェーン)
- エネルギー・化学品:原油・LNG・化学品のトレーディング、再エネ・蓄電関連
- 金属・機械:資源・素材、プラント・インフラ、輸送機
- 住生活:紙パルプ、建材、不動産(住宅・物流施設)、物流サービス
- 情報・金融:IT、モバイル端末流通、BPO、医療・ヘルスケア、宇宙・衛星、金融・再保険・保険仲介
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 五大総合商社の一角。非資源偏重の収益構造が特徴で、消費・小売領域の安定収益に強み。
- 競争優位性
- 安定的な非資源キャッシュフロー(食品・小売・生活関連)
- 中国・アジアのネットワーク、CVSとの垂直統合に近いバリューチェーン
- 資産リサイクル(投資と売却の機動運用)による資本効率の維持
- 主な課題
- 中国景気・規制動向、為替・金利の変動
- 投資有価証券売却益等の一過性要因への依存度管理
- 生活消費分野の競争激化(小売・物流コスト上昇、デジタル対応)
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(短信・公開情報の要点)
- 非資源・消費/小売・生活関連の深掘り(食料が最大セグメント)
- 選択と集中+資産リサイクル(Q1に投資売却益を計上)
- 再生可能エネルギー・蓄電等のエネルギートランジション領域
- ICT・データ活用、BPO、医療・宇宙・保険仲介など成長分野の拡大
- 資本効率重視(LTM ROE約16%)、株主還元の継続(配当・自社株)
- 直近の進捗(2026/3期1Q)
- 投資売却益の計上により税引前利益が大幅増
- 期中に自己株式を追加取得(約535万株)
4. 事業モデルの持続可能性
- 特徴
- 基礎収益:食品・小売・生活関連のストック性/日常需要に根差した安定収益
- 変動収益:資源・投資・持分法益/売却益等。一過性が混在しやすい
- 適応力
- ポートフォリオの組換え(取得・売却・縮小)で環境変化に対応
- 為替・金利・資源価格など外部変数に対し、分散とヘッジでリスク低減
- 留意
- 一過性の投資売却益を除いたコア利益のトレンド把握が重要
5. 技術革新と主力製品・事業
- 技術・新領域
- 再エネ・蓄電、代替エネルギー、宇宙・衛星、デジタルマーケ、BPO、ヘルスケア、保険仲介など
- 収益牽引(1Q外部収益の目安)
- 食料 約36%、エネルギー・化学品 約20%、住生活 約10%、機械 約10%、金属 約8%、情報・金融 約7%、繊維 約4%(連結外部収益計3,558,933百万円ベースの概算)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:8,765円
- 会社予想EPS:635.53円 → PER:約13.8倍(業界平均PER:12.1倍)
- 実績BPS:4,064.85円 → PBR:約2.16倍(業界平均PBR:1.0倍)
- 参考:EV/Sales(概算)
- EV ≒ 時価総額13.88兆+有利子負債4.62兆−現金0.62兆 ≒ 17.88兆円
- LTM売上高 14.68兆円 → EV/S ≒ 1.22倍(業界平均は未提示)
- 配当利回り:200円/株 → 約2.28%(5年平均2.70%を下回る)
- 所見(定量比較)
- PER・PBRとも業界平均を上回る水準。一方、ROEは高位で、プレミアムの一因。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線:8,434円、200日線:7,509円。株価は両移動平均線を上回り、上昇トレンド。
- 52週高値:8,860円、現値は高値まで約1%の水準で「高値圏」。
- 需給
- 信用倍率:4.95倍(買い残増加)。上昇局面での買い残積み上がりに留意。
- 出来高は直近平均(10日:264万株、3カ月:281万株)比ではやや落ち着き。
- 水準感
- レジスタンス:8,800~8,860円帯
- サポート目安:8,430円(50日線近辺)、8,540円(直近日足押し目)
8. 財務諸表分析(LTM中心)
- 成長
- 売上高:14.72兆円(前期14.03兆円)YoY+約5.0%
- 3年CAGR(2022→LTM):約+6.2%
- 収益性
- 粗利率:約16.1%(2.376兆/14.724兆)
- 営業利益率:約4.7%(0.698兆/14.724兆)
- EBITDAマージン:約11.6%(1.710兆/14.724兆)
- 純利益率:約6.5%(0.958兆/14.68兆、企業財務指標ベース)
- ROE:15.74%、ROA:2.74%
- キャッシュフロー・効率
- 営業CF:1.04兆円、レバードFCF:5,424億円(いずれもLTM)
- 総資産回転・在庫等詳細は資料外
- 安全性
- 自己資本比率:38.0%(四捨五入で中位)
- D/E(総):約0.74倍(Total Debt/Equity 73.6%)
- NET DER(短信ベース):0.52倍
- 流動比率:1.29倍
- セグメント概況(2026/3期1Q)
- 食料が最大の外部収益。金属・エネ化は市況影響を受けやすい一方、当期は投資売却益の寄与が大きい(「その他及び修正消去」の純利益寄与が大)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 会社予想:年間200円(中間100円・期末100円)、配当性向:約32.5%
- 5年平均配当利回り:2.70%(現状はやや下回る)
- 自社株
- 期中に自己株式を取得(約535万株)。自己株式比率:10.43%
- コメント
- 配当の安定継続と機動的な自社株買いの併用が示唆される(開示ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近10日で緩やかな上昇基調、年初来高値圏で推移。52週変化率+15.1%。
- 投資家属性
- インスティ比率:41.55%、インサイダー:9.11%、フロート:13.8億株
- 影響要因
- 投資売却益・資産リサイクルの動向、為替・金利、資源価格、中国需要、小売(CVS)動向
- 決算・ガイダンス更新(直近イベント:2025/11/5 決算予定)
11. 総評
- 強み
- 非資源・消費/小売中心の安定収益+資産リサイクルでROE約16%を実現
- キャッシュ創出力(営業CF・FCF)と機動的な株主還元(配当+自社株)
- 留意
- 一過性の投資売却益の寄与度が高い期があり、コア利益の見極めが必要
- 為替・金利・中国景気・資源価格など外部要因への感応度
- バリュエーション
- PER・PBRともに業界平均を上回る(プレミアム評価)。ROEやポートフォリオの質が背景とみられる一方、割安感は限定的。
- テクニカル
- 年初来高値圏で上昇トレンド継続。レジスタンスを明確に上抜けできるか、出来高の伴い方に注目。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY+約5%、3年CAGR約+6.2%
- 収益性:A
- 根拠:ROE約16%、営業利益率約4.7%、EBITDA率約11.6%(一過性を除いた基調を重視)
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率38%(40%未満)、流動比率1.29倍、D/E約0.74倍/NET DER0.52倍
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER13.8倍(業界平均12.1倍)、PBR2.16倍(業界平均1.0倍)、EV/S約1.22倍(比較平均は不明)
参考データ(抜粋)
– LTM売上高:14.68〜14.72兆円、LTM粗利:2.38兆円、LTM営業益:約6,980億円、LTM当期益:約8,802〜9,576億円
– EPS(予想):635.53円、BPS:4,064.85円、ROE:15.74%、自己資本比率:38.0%
– テクニカル:50日線8,434円/200日線7,509円、52週高値8,860円・安値5,873円
– 今後のイベント:2025/11/5 決算、2026/3/30 権利落ち予定
(注)本レポートは情報提供のみを目的とし、金融商品取引法上の投資助言に該当しません。数値は提供データに基づき、桁・単位の揺れを含む可能性があります。
企業情報
| 銘柄コード | 8001 |
| 企業名 | 伊藤忠商事 |
| URL | http://www.itochu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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