6140 旭ダイヤモンド工業 分析レポート(個人投資家向け)
株価: 858円(2025-10-24終値)
市場区分: 東証プライム/機械
時価総額: 427億円
海外売上比率: 56%(2025.3期)
1. 企業情報
- 概要
- ダイヤモンド・CBN(立方晶窒化ホウ素)工具の専業大手。1937年創業、東京本社。
- 顧客は電子・半導体、輸送機器(自動車等)、一般機械、石材・建設まで幅広い。製品は研削・切断・穿孔・ドレッシング等の工程で使われる消耗工具が中心。
- 主な製品群(例)
- 研削・切断: ダイシングブレード、ODブレード、電着バンドソー、ダイヤモンドワイヤ
- 精密加工: コアドリル、ダイヤモンドスクライバー、PCD/PCBN工具(ドリル・リーマ・バイト・エンドミル等)、ダイヤモンド被覆工具
- 摩耗部材: ワイヤガイド、ノズル類、ダイヤモンドダイス
- ドレッサー: 各種ローラードレッサー、単石/多石ドレッサー ほか
- 事業セグメント
- 単一セグメント(ダイヤモンド工具の製造・販売)。産業別売上構成(2026年3月期1Q):電子・半導体40.7%、輸送機器22.8%、機械24.1%、石材・建設9.5%、その他2.9%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内のダイヤモンド工具で最大手クラス。高精度・高耐久の加工工具分野で実績があり、顧客ニーズに応じたカスタム対応力と応用技術(加工プロセスのノウハウ)に強み。
- 競争環境
- グローバルには欧米・アジアの大手(研削砥石・超硬工具・電着工具メーカー)や国内専業・総合工具各社に加え、中国メーカーの参入加速で一部価格競争が強まる傾向。
- 先端半導体・高付加価値用途では性能要求水準が高く、品質・安定供給・アフター技術支援が差別化要因。一方、汎用品ではコモディティ化リスク。
- 課題
- EV関連の減速、パワー半導体投資の一服、中国製品の台頭などによる需要・価格圧力の管理。原材料・物流コストの上昇に対する価格転嫁の継続。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針
- 中期経営計画2025に基づき、(1)先端半導体/成長市場向けの製品開発、(2)顧客ニーズに即した生産体制整備、(3)物価上昇への適時の価格見直しを推進。
- 重点領域(開示の要旨)
- 先端半導体・化合物半導体向けの高性能工具の拡充
- 海外における資源探査など建設・採鉱向けの需要回復取り込み
- 価格転嫁と収益性の維持・改善
- 連結範囲拡大(AAダイヤモンドテクノロジー株式会社の新規連結)
- 投資・開発
- 2026年3月期1Q:研究開発費 6.32億円、設備投資 8億円。継続的な製品性能向上と生産性改善を志向。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 多くが消耗工具であり、顧客の生産活動に連動した継続需要が見込まれる一方、景気・設備投資動向の影響を受けやすい。
- 強み
- 産業/地域の分散(海外比率56%)により特定分野の変動を一定程度平準化。
- 高付加価値領域(先端半導体・精密加工)での技術的エッジとカスタム比率の高さ。
- リスク/適応力
- EV関連の需要鈍化、為替・地政学、原材料高など外部要因。会社は価格見直し、生産体制の柔軟化、用途転換(先端半導体・資源探査等)で対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術の方向性
- 超砥粒(ダイヤモンド/CBN)の焼結・電着・メタルボンド・レジンボンド技術、コーティング、刃先形状・保持体最適化など材料/プロセス技術の深化。
- 収益を牽引する領域(例)
- 半導体ウェハの切断・溝入れ用ダイシングブレード、化合物半導体向けワイヤ/研削工具、ガラス・セラミックスの精密穴あけ工具、PCD/PCBN切削工具など。
- 近年の動き
- 先端半導体向け需要は堅調。一方、パワー半導体/EV周辺は足元停滞との開示。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 基礎データ
- 株価 858円、BPS 1,203.79円、EPS(会社予想)43.65円、LTM EPS 48.36円
- PER(会社予想)約19.7倍、LTM PER 約17.7倍
- PBR 約0.71倍
- EV ≒ 427億 + 有利子負債208億? → 注: 単位は百万円(以下同)で整合
- 時価総額 427.05億円、現金122.6億円、負債20.8億円 ⇒ EV 約325.3億円
- 売上高(LTM)410.5億円、EBITDA(LTM)約58億円
- EV/S 約0.79倍、EV/EBITDA 約5.6倍
- 業界平均との比較(機械/Tools & Accessories)
- 業界平均PER 16.6倍、PBR 1.4倍(提供データ)
- 同社はPERはやや上振れ、PBRは大幅に下回る水準。EV/S・EV/EBITDAは穏当なレンジに位置。
- 参考
- ネットキャッシュ約101.8億円(現金122.6−負債20.8)。1株当たりネットキャッシュは概ね200円台前半。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均 839円、200日移動平均 793円。株価は両移動平均を上回る推移。
- 位置取り
- 52週レンジ 684–935円。現在値858円はレンジ上位帯(約69%地点)。
- 短期動向
- 直近10営業日の出来高は3カ月平均を下回る日が多く、上昇は緩やか。信用倍率12.65倍(買い長)で短期需給の偏りに留意。
8. 財務諸表分析
- 損益推移(連結)
- 売上高:2022/3 371.6億 → 2023/3 393.2億 → 2024/3 386.5億 → 2025/3(LTM)410.1億
- 3年CAGR 約+3.3%、直近期(LTM)前年比 約+6%
- 営業利益:2022/3 28.1億 → 2023/3 25.1億 → 2024/3 15.3億 → 2025/3 23.1億
- 一時的減益後に回復。LTM営業利益率 約5.8%
- 親会社純利益:2024/3 21.1億 → LTM 24.9億、純利益率 約6.2%
- 収益性
- 粗利率 約27.6%、営業利益率 約5.8%、EBITDAマージン 約14〜18%(開示によって差異)。ROE 約4.0%、ROA 約2.0%。
- 財政状態
- 自己資本比率 約80.7%(Q1末80.8%)、流動比率 5.01倍、D/E 約3%台。ネットキャッシュ基調で安全性は高い。
- キャッシュフロー
- 四半期CFは未開示(当該期間)。減価償却費は年換算で30億円前後のレンジ。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間配当予想 30円(中間15円・期末15円)、予想利回り 約3.5%。
- 直近の配当性向 約62%(会社データ)。過去コメントでも配当性向5割超の水準を志向。
- 自社株関連
- 2026年3月期1Q末の自己株式は約222万株(短信開示)。自己株買いの新規方針は本資料での明示なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 年初来高値935円に対し約8%下、年初来安値684円比では上昇。50日・200日線上で、緩やかな上向き基調。
- 投資家属性・関心
- Beta(5年)-0.03と低位。機関投資家保有約29%。信用買い残が売り残を上回る買い長局面。
- 影響要因
- 先端半導体・資源関連の需要、EV/パワー半導体の動向、為替差益/差損、価格転嫁の進捗、地政学・関税政策など。
11. 総評
- 需要環境は分野間で濃淡がある中、先端半導体や一部海外(資源探査等)が支え、LTMで増収・増益。収益性は回復傾向ながら、ROEは4%程度にとどまる。
- 財務健全性は高く、ネットキャッシュかつ自己資本比率80%台で耐性がある。価格転嫁と高付加価値領域の拡大が利益率改善の鍵。
- バリュエーションはPERで業界平均を上回る一方、PBRは大きなディスカウント、EV倍率は中庸。技術優位の活かせる領域の伸長と収益性の底上げが評価の焦点。
- テクニカル面では上位レンジに位置。短期需給(買い長)には変動要因がある。
(本資料は公開データに基づく客観的整理であり、投資助言を目的としません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+約6%、3年CAGR約+3.3%。直近1Qも売上+0.5%と小幅増。
- 収益性:B
- 根拠:粗利約28%、営業利益率約5.8%、ROE約4%。回復途上の中位水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約81%、流動比率5.0倍、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超、PBRは平均大幅下回り、EV指標は中庸。総合で中立評価。
参考データ抜粋
– 通期会社予想(2026/3期):売上高425億円(+3.6%)、営業利益23億円(△0.5%)、経常利益26億円(△15.3%)、純利益22億円(△11.8%)、EPS 44.13円。
– 1Q(累計):売上1,002.6億円? → 注: 単位は百万円、10,026百万円(+0.5%)、営業利益585百万円(+6.9%)。
– 52週レンジ:684–935円、配当予想:30円(利回り約3.5%)、PBR 0.71倍、自己資本比率 80.7%。
– 今後の予定:2025/8月に1Q発表済、次回中間決算予想修正済(通期据え置き)、権利落ち予定日 2026/3/30。
企業情報
| 銘柄コード | 6140 |
| 企業名 | 旭ダイヤモンド工業 |
| URL | http://www.asahidia.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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