壱番屋(7630)企業分析レポート(プライム・小売業)
株価: 916円(2025-10-24終値)
時価総額: 1,462億円
1. 企業情報
- 概要: カレーハウス「CoCo壱番屋(ココイチ)」を中心に、直営・FCで国内外に展開。パスタ業態「Pasta de CoCo」や麺・焼肉等の子会社業態も保有。ハウス食品グループ本社の連結子会社。
- 特徴:
- フランチャイズ比率が高く約9割がFC(資産ライトな運営)。
- 国内のカレー専門チェーンとして最大級の店舗網と高いブランド認知。
- 海外展開を積極化(英国など堅調地域がある一方、中国・台湾は伸び悩み)。
- 事業内訳(参考・会社公表の連結事業構成):
- カレー直営店: 31
- カレーFC向け: 61
- 新業態: 7
- その他: 1
- 海外: 17(括弧内は2026年2月期会社区分の比率・単位は%相当の目安)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: カレー専門チェーン国内最大手。価格改定後も客単価上昇とブランド力で集客を維持。
- 競争優位:
- 全国規模の認知・標準化オペレーション・トッピングによる高いカスタマイズ性。
- FCモデルによる出店拡大の柔軟性と安定的なロイヤリティ収入。
- 課題:
- 食材(米など)・人件費・物流費の上昇への継続対応。
- 価格改定による客数の戻りの鈍さ(既存店は単価上昇・客数減のミックス)。
- 海外は地域差と為替影響、撤退・減損の管理。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・基本方針:
- 国内の既存店収益性改善(価格適正化、デリバリー強化、販促最適化)。
- 海外の選択と集中(堅調地域の深耕、採算改善・撤退基準の厳格化)。
- マルチブランド戦略(麺・焼肉・もつ鍋等の子会社事業の伸長)。
- 直近の施策(2026年2月期上期):
- 価格改定効果で客単価+8.1%(国内全店ベース)、配達促進・CM・コラボ施策。
- 本部ソフトウェア入替(IT投資)と不採算店舗の減損認識。
- 国内店舗数: 1,208店(前期末比+5)、海外店舗数: 213店(同-3)。
- 通期計画(会社計画・据え置き):
- 売上 673億円、営業利益 54億円、純利益 33億円、EPS 20.68円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: FCロイヤリティ・商品供給・直営店収益の複合。FC比率が高く、景気変動時も一定の安定性。
- 適応力:
- 価格改定でコスト上昇を吸収し、営業利益増を確保。
- IT投資やデリバリー強化による販売機会拡大。
- 海外は出退店管理・為替対応が鍵。減損の機動的認識は資産健全性に寄与。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営:
- 本部ソフトウェア入替など基幹システム刷新を実施。オペレーション効率化・データ利活用の基盤整備。
- デリバリー販促・マーケティング強化。
- 主力:
- CoCo壱番屋(国内が収益の柱)。新業態(麺屋たけ井、大黒屋、前田屋など)が高成長でポートフォリオ多様化に寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション比較)
- 現在株価: 916円
- 指標(会社予想・実績)
- PER: 44.29倍(業界平均 21.3倍)
- PBR: 4.56倍(業界平均 1.8倍)
- EPS(会社予想): 20.68円
- BPS(実績): 200.67円
- EV/S(試算): 約2.1倍[EV=約1,329億円(時価総額1,462億−現金1,468億+有利子負債138億)/ 売上LTM約625億円]
- 相対比較(単純計算の参考値)
- 業界平均PER(21.3倍)適用の理論株価: 約441円
- 業界平均PBR(1.8倍)適用の理論株価: 約361円
- 現状は同業平均に比べ高めのマルチプル水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 50日移動平均 956円、200日移動平均 949円に対し、現値 916円は両線を下回る。
- 52週レンジ 865–1,056円の下寄り(安値圏寄り)。
- 直近10日:
- 終値は概ね下落基調(942円→916円)。当日の出来高は3カ月平均を上回る水準。
- 需給:
- 信用倍率 0.80倍(売り残が買い残を上回る)。買残・売残ともに前週比減少。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高推移(百万円): 45,022(2022)→48,287(2023)→55,137(2024)→61,007(2025)→LTM 62,503
- 3年CAGR(2022→LTM): 約+11〜12%
- 収益性(LTMベース・目安):
- 粗利率 約50%
- 営業利益率 8.8%前後
- 純利益率 約4.7%
- ROE(実績)10.07%、ROA(LTM)6.84%
- EBITDA 約72億円、EBITDAマージン約11%
- キャッシュフロー:
- 営業CF 60.7億円、レバードFCF 23.6億円(LTM)
- 財政状態:
- 自己資本比率 68.8%、流動比率 268%、D/E 約4.2%(低負債)
- 現金同等物 146.8億円、有利子負債 13.8億円(流動性・安全性は高水準)
- 2026年2月期上期の特記事項:
- 売上+8.2%、営業利益+5.5%と増収増益。一方、固定資産除却損・減損計上で中間純利益は▲11.0%。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当: 年間16円(中間8円・期末8円)
- 配当利回り: 1.75%(現株価ベース)
- 配当性向: 約85%(トレーリングベースの概算)
- 自社株買い: 直近開示では特段の実施なし(自己株式 24,680株と小規模)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 50日・200日線を下回り、52週比で▲8.43%。短期は弱含みの値動き。
- ボラティリティ: β 0.11(市場連動性は低位)。
- 株主構成: 親会社(ハウス食品G)約51%保有、インサイダー保有比率が高くフリーフロートは限定的。
- 近未来イベント:
- 2025-12-22: 決算発表予定
- 2026-02-26: 配当権利落ち予定(予想)
11. 総評
- 売上と利益は中期的に堅調に拡大。FC中心の資産ライトモデルと高い財務健全性が特徴。価格改定でコスト上昇に対応し、営業利益は改善傾向。
- 一方、海外は地域差が大きく、為替や撤退・減損の影響が収益のブレ要因。上期は特損計上により純利益が一時的に減少。
- バリュエーションはPER・PBRともに同業平均を大きく上回る水準。株価は移動平均を下回り、短期モメンタムは弱め。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上成長・上期+8.2%、3年CAGR約+11〜12%。
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約50%、営業利益率8〜9%、外食平均を上回る水準。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率約69%、D/E約4%、流動比率268%、現金厚め。
- 株価バリュエーション: D
- 根拠: PER44倍・PBR4.6倍は業界平均(PER21倍、PBR1.8倍)を大幅に上回る。EV/Sも概ね2倍超。
注記:
– 本レポートは公開情報の整理であり、投資助言を目的とするものではありません。数値は百万円・円を基本単位とし、一過性の損益は評価から除外するよう留意しています。
企業情報
| 銘柄コード | 7630 |
| 企業名 | 壱番屋 |
| URL | http://www.ichibanya.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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