クリーク・アンド・リバー社(4763)分析レポート

株価:1,565円(2025-10-24終値基準)
市場:東証プライム/サービス業

1. 企業情報

  • 概要:クリエイター(映像・ゲーム・Web・広告・出版等)や専門職(医師、会計士・弁護士、ITエンジニアなど)に対し、エージェンシー(人材紹介・派遣)、制作受託、プロデュース、ライツ(権利)管理を提供。国内中核に加え、韓国でも出版・映像関連を展開。投資・事業承継支援(CRES)、デジタルコミック、メタバース/NFT、アグリ等の新規領域にも取り組む。
  • 連結セグメント(2026年2月期中間期):クリエイティブ(日本・韓国)、医療、会計・法曹、CRES、その他(IT/AI・ファッション・建築・アグリ等)。
  • 直近の組織・M&A:高橋書店グループ(T&Wオフィス等)の連結化、URS Games設立(ゲーム開発強化)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:クリエイティブ人材のエージェンシーとコンテンツ制作を両輪とする独自モデル。クリエイターと企業双方のネットワーク厚みが参入障壁に。
  • 競争優位性
    • 領域横断の専門職ネットワーク(クリエイティブ×医療×会計・法曹×IT)が強み。
    • 制作(受託・自社起案)と人材エージェンシーを内包し、需要変動への緩衝機能を持つ。
    • 医療分野の高収益性(中間期のセグメント利益率は30%超の水準)でポートフォリオ安定化。
  • 課題
    • クリエイティブ分野は景況・広告市況の影響を受けやすい。
    • 出版(高橋書店グループ)は返品・季節性など商習慣の影響が大きく、のれん償却・短期損失の振れに留意。
    • 短期借入金増加に伴う自己資本比率低下(連結範囲拡大の影響)が財務レバレッジ面の課題。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略
    • 中核の「クリエイティブ(日本)」と高利益の「医療」を伸長軸に据え、CRES(事業承継・再生、投資・M&A)で新たな収益源を構築。
    • デジタルコミック、ゲーム(URS Games)、AI/DX、メタバース/NFTなど成長領域へ投資。
  • 中期的施策
    • M&A・資本提携(高橋書店連結化など)による事業ポートフォリオ拡充。
    • エージェンシー×制作×ライツの統合で付加価値を高め、単価・稼働率向上を追求。
    • 医療人材紹介の成約増(イベント・コミュニティ運営強化)で収益の安定性を確保。
  • ガイダンス(2026年2月期通期予想:据え置き)
    • 売上高 600億円(前年比+19.3%)
    • 営業利益 50億円(+38.3%)
    • 親会社株主に帰属する当期純利益 32億円(+42.1%)
    • 1株当たり利益 149.88円

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:人材紹介・派遣(エージェンシー)による継続収益+制作・プロデュースのプロジェクト収益+ライツ等のストック性収益のミックス。医療や会計・法曹等の専門職分野が市況耐性の向上に寄与。
  • 需要変化への適応:AI/DX、ゲーム、デジタルコミック、メタバース/NFTなど新規領域を取り込み、景気循環の影響を分散。M&Aを活用した事業ポートフォリオの再構築で構造的な成長を企図。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・製品動向
    • ゲーム開発(URS Games)、デジタルコミック制作・配信、Web/動画制作、ブランドマーケティングの内製力強化。
    • メタバース/NFT関連の実証・案件化に注力(早期は実験的要素が多く、収益化の可視化が課題)。
  • 収益ドライバー
    • クリエイティブ(日本):売上の約7割を担う中核。映像・ゲーム・Web制作および人材エージェンシーが堅調。
    • 医療:高利益率セグメントとして利益貢献大。
    • CRES:短期はのれん・移行コストで損失だが、中期の収益寄与を計画。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 主要指標(現在株価 1,565円)
    • 予想EPS:151.3円 → 予想PER:約10.34倍(業界平均PER 17.0倍を下回る)
    • 実績BPS:812.98円 → PBR:約1.93倍(業界平均PBR 1.8倍をやや上回る)
    • EV:時価総額360億+有利子負債約181億−現金約269億 ≒ 約272億円
    • LTM売上:約525億円 → EV/S:約0.52倍
    • LTM EBITDA:約43億円 → EV/EBITDA:約6.3倍
  • コメント:PERは業界平均比で低位、水準面ではEV/S・EV/EBITDAも落ち着いたレンジ。PBRはROE水準(実績14%台〜LTM18%程度)を踏まえると説明可能な範囲。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 短期:直近10営業日で1,449円 → 1,565円へ上昇。陽線優位。
    • 移動平均:50日線1,498円、200日線1,549.8円。終値は両移動平均を上回る(短中期は改善基調)。50日線は200日線を下回るが、価格はゴールデンクロス予備段階に接近。
  • 位置づけ:年初来高値1,768円に対し約12%下、安値1,343円に対し約17%上の中位〜やや上方圏。
  • 需給:信用買残18.6万株、信用倍率46.4倍と買いに偏重。短期の需給調整には留意。

8. 財務諸表分析

  • 成長
    • 売上:2022/2 418億 → 2023/2 441億 → 2024/2 498億 → LTM 503〜525億(データ差異あり)と増加基調。3年CAGRおおむね+7〜8%台。
    • 2026/2中間:売上280.9億(前年同期比+8.7%)。
  • 収益性
    • 粗利率:中間期約37.4%。
    • 営業利益:LTM約36〜41億、営業利益率LTM約5.0%(中間期約7.6%)。セグメントでは医療が高利益、CRESは一時的損失。
    • 当期純利益:LTM約22.5〜30億(データ差異あり)。中間純利益は+50.7%と増加(税効果・連結影響含む)。
  • 効率性
    • ROA(LTM):約5.8%
    • ROE:実績14.3%、LTMベース18.4%と改善示唆のデータあり。
  • キャッシュフロー・財務
    • 営業CF(LTM):約24億、フリーCF:約24億でプラス。
    • 現金同等物:約269億、有利子負債:約181億でネットキャッシュ。
    • 自己資本比率:期末58.6% → 中間35.9%(連結範囲拡大・短期借入増で低下)。流動比率約127%、D/E約104%。
    • コメント:手元資金は厚い一方、短期借入金の増加でレバレッジが上昇。通期推移と資金繰りのモニタリングが必要。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:会社予想 年間45円(期末一括)、予想配当利回り約2.88%。実績年間41円から増配予想。
  • 配当性向:約29%(会社公表値28.94%)。EPS対比で余力あり。
  • 自己株式:期中自己株式約185.8万株。自己株保有比率は増加基調(ESOP等の影響あり)。明示的な自社株買いプログラムの開示は本件抜粋では確認不可。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:50日線上抜け、200日線も上回り短中期は改善。52週騰落は-2.1%と市場平均(S&P500 +16.6%)にはアンダーパフォーム。
  • 流動性・保有構造:インサイダー持分約52.8%、フロート約843万株、平均出来高(3カ月)約4.3万株と流動性は限定的。材料(M&A、四半期業績、出版返品動向等)に対する価格反応は相対的に大きくなりやすい。
  • 需給要因:信用買い偏重が短期のボラティリティ要因。

11. 総評

  • コア事業(クリエイティブ日本・医療)の堅調さに加え、CRESやゲーム、デジタルコミックなど新規領域への投資で中期成長を狙う構図。中間期は売上増ながら、出版連結の季節性やのれん影響、短期借入増で財務指標が変動。
  • バリュエーションはPER・EV系倍率が業界平均比で低位水準。PBRはROEを踏まえれば許容レンジ。技術的には移動平均上改善しつつも、信用需給の偏りに留意。
  • 通期は会社計画据え置き。主要事業の安定成長が続く一方、出版返品・CRESの収益化進捗、レバレッジの推移が注視ポイント。

12. 企業スコア

  • 成長性:A

理由:LTMで一桁後半の成長、3年CAGRも+7〜8%程度。通期計画も増収見込み。
– 収益性:B

理由:粗利率は良好だが、営業利益率は5〜8%台でコンサル平均よりやや低め。医療が補完。
– 財務健全性:B

理由:手元資金は厚くネットキャッシュだが、中間期の自己資本比率 ~36%、D/E ~104%、流動比率 ~127%と中立評価。
– 株価バリュエーション:A

理由:PERが業界平均を大きく下回り、EV/EBITDAも6倍台。PBRはやや高めだがROE水準で説明可能。

参考データ(抜粋)

  • 2026年2月期 中間:売上 280.9億(+8.7%)、営業益 21.4億(−2.6%)、純利益 22.1億(+50.7%)
  • 予想配当:45円、予想EPS:151.3円、予想PER:10.34倍、PBR:1.93倍
  • 52週高値/安値:1,768円/1,343円、50日/200日移動平均:1,498円/1,549.8円
  • 信用倍率:46.38倍(買い残 18.6万株、売り残 0.4万株)
  • 次の主なイベント:権利落ち日(予定)2026-02-26

企業情報

銘柄コード 4763
企業名 クリーク・アンド・リバー社
URL http://www.cri.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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