コニシ(4956)企業分析レポート
株価:1,313円(2025-10-24終値)
市場:東証プライム | 業種:化学(素材・化学)
1. 企業情報
- 概要:接着剤の国内最大手。「ボンド」ブランドで一般家庭用から住宅・建築、産業用途まで幅広く展開。化成品商事やインフラ補修・補強などの工事事業も併営。
- セグメント構成(売上構成目安)
- ボンド(接着剤等):約54%
- 化成品(化学・樹脂材料等):約27%
- 工事事業(補修・補強等):約18%
- 特徴:住宅・建築分野に強み。耐震補強やコンクリート補修など社会インフラのストック型需要にも対応。
- 基本データ:創業1870年、設立1925年、本社・大阪。従業員1,567人、平均年齢42.0歳。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内接着剤の最大手。強固なブランド力(「ボンド」)と全国的な流通網、住宅・建築向けの施工・工事領域まで含む事業範囲の広さが特長。
- 競合環境(例示):セメダイン(国内)、スリーボンド(非上場)、海外勢ではヘンケル、3M、Sika等。用途別ニッチでの競争が激しい。
- 競争優位性:
- 高いブランド認知と家庭用〜プロ用途までの幅広い製品ライン
- 住宅・建築分野での施工・工事機能を備えた一気通貫体制
- インフラ補修・補強などストック需要の取り込み
- 課題:
- 国内住宅着工の低迷による住関連需要の鈍化
- 原材料価格・為替の変動(コスト・粗利率に影響)
- エレクトロニクス向け等、市況変動の大きい領域の波
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「中期経営計画2027」(2025/3期〜2027/3期)
- 新製品投入と成長分野(車載・インフラ補修・高機能材等)への注力
- 生産・物流・DXに過去最大規模の投資を予定し、コスト競争力と供給能力を強化
- 住関連では水性・低VOCなど環境対応製品の拡充
- セグメント別の方向性(短信より)
- ボンド:住関連は新規導入で開拓しつつ、住宅着工の逆風に対応。産業資材は自動車・紙工などで拡販。
- 化成品:化学工業・車載関連は堅調、電子・半導体向けは弱含み。
- 工事事業:公共中心の補修改修が順調。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源は消費者向け消耗品、プロ向け施工材、産業用途の機能性材料、さらに工事受注と多角化。景気・市況の影響を受ける領域もあるが、インフラ維持・更新や環境配慮型接着剤など構造的需要も存在。
- 住関連のボラティリティに対して、産業・工事事業での補完が効くポートフォリオ。DX・生産物流投資でコスト最適化・納期信頼性の向上が期待される。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:水性・低VOC、弾性・構造用接着、耐久・耐候性シーラント、高機能テープ・離型剤など。建築補修・補強材、コンクリート補修材での技術蓄積。
- 収益牽引:
- 一般〜プロ向け「ボンド」ブランド群(内装・住設・建材用途)
- 産業向け弾性接着剤・紙工用、各種テープ・樹脂材料
- 建築・土木の補修・補強・改修(工事事業)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想EPS:122.06円、予想PER:約10.76倍(業界平均PER:20.4)
- 実績BPS:1,301.79円、PBR:約1.01倍(業界平均PBR:1.1)
- EV/EBITDA(概算):約5.4倍
- 時価総額:約924.6億円
- 現金等:約200億円、借入:約12億円 → ネットキャッシュ
- LTM EBITDA:約134.1億円
- P/S(概算):約0.68倍、EV/S:約0.53倍
- コメント:PER・PBRとも業界平均を下回る水準。ネットキャッシュで財務余力も大きい(数値に基づく比較)。
7. テクニカル分析
- トレンド:直近10日でジリ高基調(終値 1,263→1,313)。50日線(約1,298)・200日線(約1,207)を上回る。
- 位置:年初来高値1,335円に接近、52週高値は1,407円。やや高値圏に近い位置。
- 需給:信用倍率0.70倍(売り超)。出来高は3カ月平均(約86千株)をやや下回る日が多く、短期は出来高伴わないレンジ上抜け試しの局面。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円):2022/3 113,671 → 2023/3 123,339 → 2024/3 132,969 → LTM 135,876
- 3年CAGR:約+6.1%、LTM YoY:約+2.2%
- 粗利・利益(百万円)
- 粗利:23,006 → 23,583 → 26,657 → 27,592(粗利率は約20%台前半)
- 営業利益:7,299 → 7,422 → 10,287 → 10,649
- 四半期(2026/3期1Q):営業利益率約6.6%
- 純利益(百万円):5,135 → 10,032 → 7,344 → 8,084
- 2023/3期は一過性項目の影響(特別要因)が大きく、平常ベースは近年安定成長。
- 収益性指標(過去12か月)
- 営業利益率:約6.5%
- 純利益率:約6.0%
- ROE:約9.5%、ROA:約4.9%
- キャッシュ・財務体質
- 現金等:約200億円、総資産:約1,345億円、自己資本比率:約64%
- 流動比率:約205%、D/Eほぼゼロ(実質ネットキャッシュ)
- セグメント(2026/3期1Q、百万円)
- 売上:ボンド18,029/化成品9,320/工事4,892
- 利益:ボンド1,450/化成品298/工事374(工事の収益性改善が寄与)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間予想38円(利回り約2.89%)、配当性向:約27%
- 実績:2025/3期は記念配当含む年間38円、2026/3期は同額予想(現時点)
- 自己株式:発行済の約5.76%を保有(自己株口)
- その他:株式分割(2023-12-28、2:1)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50日・200日移動平均線とも上回り、年初来高値接近。52週ベースでは+3.6%程度の上昇。
- ボラティリティ:β約0.45(相場全体に対して低感応度)。
- 投資家構成:インサイダー持分約21%、機関投資家約13%。流通株式は相応に限定的。
11. 総評
- 需要環境は住関連が足踏みする一方、インフラ補修や車載向け等の成長領域が補完。中計に沿った生産・物流・DX投資で供給力と効率性の向上が見込まれる。
- 財務は強固(高自己資本比率・ネットキャッシュ)。収益性は業界トップ水準ではないが安定的。LTM売上は増加基調を維持。
- バリュエーションは業界平均PER・PBRと比べ低位で、数値上は割安圏に位置。株価はテクニカル的に上昇局面にあり、年初来高値に接近。
- リスクは住宅着工の低迷、原材料・為替の変動、エレクトロニクス市況の弱さ。工事事業の安定性と産業用途の拡販が鍵。
(注)本レポートは提供データに基づく事実整理であり、投資助言ではありません。一過性損益は可能な範囲で除外・補足しています。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+2.2%、3年CAGR約+6.1%(増加傾向)。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約20%、営業利益率約6.5%。業界内で中位水準と判断。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約64%、流動比率約205%、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER約10.8倍(業界平均20.4倍)、PBR約1.01倍(同1.1倍)、EV/EBITDA約5.4倍。
参考データ
– 時価総額:約924.6億円、発行済株式数:70,414,880株
– 配当利回り(会社予想):2.89%(年間38円)
– 52週高値/安値:1,407円/974円、年初来高値:1,335円
– 次の主なイベント:2026-03-30(権利落ち予定日)
企業情報
| 銘柄コード | 4956 |
| 企業名 | コニシ |
| URL | http://www.bond.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。