モロゾフ(2217)企業分析レポート
株価: 1,560円(2025-10-24終値ベース)
市場: 東証プライム/食料品(Confectioners)
1. 企業情報
- 概要: 神戸を拠点とする老舗の洋菓子メーカー。チョコレート、クッキー、クリームチーズケーキ、カスタードプリン等を製造販売。百貨店内の直営店舗が中心で、オンライン販売も展開。喫茶・レストラン事業も併営。
- 事業構成(2025.1期 連結): 洋菓子製造販売 95%、喫茶・レストラン 5%
- 特徴: バレンタイン等のギフト需要や歳時期の季節性の影響が大きい。2025年2月に株式分割(1→3)を実施。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内位置づけ: 百貨店チャネルに強みを持つプレミアム洋菓子・ギフト領域のブランド。全国百貨店での多店舗展開と喫茶併営でブランド体験を提供。
- 競争環境: 原材料高(特にカカオ)、人件費・物流費上昇の中、価格改定・商品ミックス最適化が各社の課題。節約志向で洋生菓子など即食系の需要に選別が強まる一方、焼菓子やギフト用途は底堅さ。
- 市場シェア: 具体値の開示なし(—)
- 競争優位性(推察):
- 百貨店網・ブランド資産によるギフト需要の獲得力
- 焼菓子等の定番カテゴリーの安定性
- 課題:
- カカオ等コモディティ価格の高騰耐性
- 洋生菓子の需要弱含みと季節イベントの前倒し・期ずれ影響
- 物流委託費の増加
3. 経営戦略と重点分野
- 短中期の方針(短信より把握できる内容)
- 価格改定と人員体制の最適化でコスト上昇に対応
- 焼菓子等の好調カテゴリーを軸に商品ミックスの改善
- 物流委託を含むサプライチェーンの効率化
- 海外子会社(香港)の期ずれ影響管理
- 中期経営計画の具体記載: 本資料では明確な数値目標・KPIの開示はなし(—)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源: 百貨店直営を中心とした菓子販売(ギフト比率が高め)と喫茶事業(売上比率は小さい)
- 強み: ブランド力/百貨店チャネル/ギフト需要の季節性イベントでの動員力
- リスク・適応力:
- 価格改定・容量設計・原材料調達でコスト上昇に対応
- 洋生菓子の需要鈍化を焼菓子の好調で補完
- オンライン販売や定番商品の強化で景気変動耐性を補強
- 総合評価: 原材料高や消費選別の影響は受けやすい一方、ブランド基盤と強固な財務で耐性あり
5. 技術革新と主力製品
- 製品群: チョコレート、クッキー等の焼菓子、チルドデザート(プリン、ケーキ等)
- 技術・独自性の方向性:
- 菓子製造の品質管理・パッケージ(ギフト適性)・低温物流対応
- 季節イベントに合わせた開発・限定品の展開
- 収益牽引(短信の傾向):
- 焼菓子群が相対的に好調
- 洋生菓子群は節約志向等で弱含み
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 時価総額: 約331.7億円
- 予想PER: 54.37倍(業界平均 19.5倍)
- PBR: 1.62倍(業界平均 1.3倍)
- 予想EPS: 28.69円
- 実績BPS: 962.86円
- EV/Sales(LTM, 概算):
- EV ≒ 時価総額331.7億 + 有利子負債15.1億 − 現金66.8億 ≒ 280.0億円
- 売上高(LTM)357.4億円 → EV/S ≒ 0.78倍
- 配当利回り(会社予想): 0.90%(1株配当14円)
- 配当性向:
- 会社予想ベース概算: 14円 / 28.69円 ≒ 約49%
- 開示データ(TTM参考): 36.82%(算定基準が異なるため参考値)
- コメント: PERは業界平均を上回る水準、PBRも平均超。EV/Sは1倍未満と抑制的。利益水準の回復度合いがバリュエーション評価の焦点。
7. テクニカル分析
- 現在値と移動平均: 1,560円(50日線 1,558.7円付近、200日線 1,631.9円)
- 短期: 50日線近辺
- 中期: 200日線を下回る推移
- 年初来レンジ: 高値 1,875円/安値 1,509円 → 現在値は安値寄りゾーン(レンジ下限から約+3%)
- 売買動向: 出来高は3カ月平均(約49.7千株)を下回る日が続く。信用倍率0.52倍(売り残>買い残)で、需給はやや上値抑制的な構図。
- 短期モメンタム: 直近10日で下値を切り上げつつも、1,560円前後でのもみ合い。
8. 財務諸表分析
- 売上動向:
- 2022/1: 272.1億円
- 2023/1: 325.1億円
- 2024/1: 349.3億円
- 2025/1: 360.2億円
- LTM: 357.4億円(前年比やや減)
- 収益性(LTM, 目安)
- 粗利: 178.9億円(粗利率 ≒ 50.0%)
- 営業利益: 17.55億円(営業利益率 ≒ 4.9%)※詳細PLより算出
- EBITDA: 26.0億円(EBITDAマージン ≒ 7.3%)
- 当期純利益: 12.00億円(純利益率 ≒ 3.4%)
- 傾向: 2024/1期の営業利益率(約7.1%)から低下。原材料・人件費・物流費上昇が影響。
- 効率性・収益性指標
- ROE(実績): 7.21%
- ROA(LTM参考): 4.24%
- キャッシュフロー
- 営業CF(LTM): 13.4億円
- レバードFCF(LTM): 1.09億円(小幅ながらプラス)
- 中間期(2025/2–7): 営業CF大幅改善(+34.7億円、季節要因あり)
- 財務安全性
- 自己資本比率: 76.1%(中間期 74.7%)
- 流動比率: 約235%
- D/E(有利子負債/自己資本): 約7.8%
- 現金同等物: 66.8億円、純現金(現金−有利子負債)約+51.7億円
- まとめ: 増収基調は一服し、利益率は低下傾向。一方、バランスシートは極めて堅健で、資金繰りも安定。
9. 株主還元と配当方針
- 配当(会社予想 2026/1期): 年間14円(中間6円・期末8円)→ 予想利回り約0.90%
- 配当性向(概算): 約49%(予想EPS28.69円ベース)
- 自社株買い: 開示なし(—)
- その他: 2025/2/1に1→3の株式分割実施(見かけの投資単位を引き下げ)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率: +1.08%(ベータ -0.02で低ボラティリティ)
- 直近: 年初来安値圏からの自律反発後、50日線近辺で膠着。出来高は平常より低め。
- 需給: 信用売り超(倍率0.52倍)。決算や原材料価格ニュース、季節イベント(バレンタイン等)の前後で関心が高まりやすい。
11. 総評
- 事業・財務: 百貨店チャネル×ブランド力でギフト需要を取り込む安定モデル。財務は純現金・高自己資本で健全。一方、原材料・人件費・物流費の上昇により営業利益率は直近で低下。
- 成長: 3年では増収だが、LTMではわずかに減収。焼菓子は堅調、洋生菓子は節約志向の影響。
- バリュエーション: PERは業界平均を上回る水準。PBRはやや上振れ。EV/Sは1倍未満。利益回復の進捗が評価に影響。
- テクニカル・需給: 年初来レンジ下寄り、200日線下。信用売り超で上値は重くなりやすい一方、イベント期には需給が変化する可能性。
(注)本資料は公開データに基づく客観的整理であり、投資助言を目的としません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- 根拠: 3年での増収継続。一方、LTM YoYは微減(—0.8%程度)。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率は高位だが、営業利益率は4.9%と低下。業界平均と同水準〜やや下押しのレンジ感。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率76%、D/E約8%、流動比率約235%、純現金。
- 株価バリュエーション: D
- 根拠: 予想PER54倍は業界平均(約19.5倍)を大幅上回る。PBRも平均超。EV/Sは低めだが、利益指標とのギャップ大。
補足データ(主な数値)
- LTM売上/営業利益/純利益: 357.4億円 / 17.6億円 / 12.0億円
- 粗利率/営業利益率/純利益率(LTM): 約50.0% / 約4.9% / 約3.4%
- ROE(実績)/ROA(LTM参考): 7.21% / 4.24%
- 現金66.8億円/有利子負債15.1億円/自己資本比率76.1%
- 予想EPS 28.69円/予想配当14円(利回り0.90%)
- PER 54.37倍/PBR 1.62倍/EV/S ≈ 0.78倍
- 株式分割: 2025/2/1(1:3)
- 次回権利落ち予定: 2026/1/29
必要に応じて、セグメント別損益や原材料(カカオ)価格感応度、季節イベント別売上寄与など、追加深掘り可能です。
企業情報
| 銘柄コード | 2217 |
| 企業名 | モロゾフ |
| URL | http://www.morozoff.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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