レック(7874)企業分析レポート
作成日:2025-10-26
株価:1,102円(前日比 -0.7%)/時価総額:約420億円
注:本レポートは公開情報に基づく整理であり、投資勧誘や投資助言を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 概要:日用品の企画・製造・販売を行うメーカー。清掃・衛生用品、サニタリー、キッチン・ランドリー、収納、ベビー・ヘルスケアなど幅広いカテゴリーを展開。代表ブランドにメラミンスポンジ「激落ちくん」。2024年には殺虫剤「バルサン」事業を譲受。100円ショップ・ドラッグストア向けで強みを持つ。
- 事業構成(2025/3期 連結):家庭用日用雑貨品 39%、清掃・衛生用消耗品 40%、その他 21%
- 上場区分:東証プライム/業種:化学(Household & Personal Products)
- 拠点:東京都中央区(京橋トラストタワー)
- 従業員:924人、平均年齢38.8歳、平均年収524万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内日用雑貨の中堅メーカー。消耗品・清掃用品・サニタリーの幅広いSKU構成と、100円ショップ等のバラエティチャネルでプレゼンス。大手総合消費財(花王・ライオン・ユニ・チャーム等)と比較すると広告投下やブランドポートフォリオでは劣後しうるが、コスパ志向と売場提案力で棲み分け。
- 競争優位性
- 「激落ちくん」に代表される認知ブランドと棚取り力
- 価格感度の高い需要層(100円ショップ等)に適合した商品開発・SKU展開
- 「バルサン」取得による虫対策分野のラインアップ強化
- 課題
- 原材料高・円安のコスト増圧力と価格転嫁タイムラグ
- 大手との広告・販促競争、PB(プライベートブランド)との競合
- 殺虫剤は天候要因の影響が大きく、需要の振れが発生しやすい
- 市場シェア:公表データなし(清掃・衛生・殺虫等の複合領域のためセグメントベースでの正確なシェアは不明)
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(公表資料より要旨)
- 新製品投入(キャラクターコラボ等)と販促強化(TVCM・発表会)による売上拡大
- 円安・原材料高に対し、生産性向上・経費削減・製品リニューアルで利益率改善
- ポートフォリオ拡充(虫・ウイルス対策、化粧品、家電、食品等を含む「その他」分野が高伸長)
- 直近実行(2026/3期1Q)
- 売上+7.6%、営業利益+46.6%と収益性が改善(営業利益率約7.5%)
- 2024年の事業譲受(飲料/「バルサン」等)に関する会計確定(のれん減少)
- 中計・KPI:数値目標の明細は開示なし
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:日用品の継続需要に支えられた回転型モデル。チャネル(100円ショップ、ドラッグ、量販)での棚シェア確保と新製品サイクルが成長ドライバー。
- 変化への適応力:価格・サイズ・素材変更、ブランド拡張、販促強化によりコスト上昇期でも一定のマージン回復余地。為替と原材料は引き続きリスク。
- 多様化:虫対策・衛生用品等の季節・外部要因に左右されやすい領域を含むため、ポートフォリオマネジメントが重要。
5. 技術革新と主力製品
- 主力
- 清掃:メラミンフォーム系「激落ちくん」、各種洗浄・除菌関連
- サニタリー:トイレ・バス用品、衛生・マスク、ベビー・介護関連
- 虫対策:「バルサン」ブランドの燻煙・駆除関連
- 住まい用品:収納・粘着・磁石・吸盤等の機能性グッズ
- 技術・独自性:素材選定・形状設計・使い勝手の改善とコスト設計、販促(キャラクター展開等)を組み合わせた商品開発。大型の基礎化学R&D色は相対的に薄く、応用・商品化力で勝負するタイプ。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:1,102円
- 予想EPS(会社):64.61円 → 予想PER:約17.1倍(業界平均PER 20.4倍)
- 実績BPS:1,073.94円 → PBR:約1.03倍(業界平均PBR 1.1倍)
- EV/売上(参考計算)
- EV ≒ 時価総額420.6億 + 純有利子負債132.2億(借入451.5億−現金319.3億)= 約552.8億円
- 売上高(LTM)約663億円 → EV/S ≈ 0.83倍
- コメント:PER・PBRはいずれも業界平均比で低め水準。EV/Sは1倍未満。
7. テクニカル分析
- トレンド指標:50日移動平均 1,168円、200日移動平均 1,203円 → 現在値は両移動平均を下回る
- 52週レンジ:992円〜1,423円 → 現在値はレンジ下寄り(高値比 -22%、安値比 +11%)
- 直近10日:1,078円 → 1,114円 → 1,102円と戻り基調も、出来高は3カ月平均(約49千株)< 直近10日平均(約42千株)でやや細り
- 信用動向:信用倍率 14.77倍(買い残増加、売り残減少)→ ロング偏重
- 総合:短中期は戻り弱含み〜もみ合いの範囲。出来高と信用需給の偏りに留意。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(連結):66,304百万円(2025/3 LTM、前年比 +9.1%)
- 3年CAGR(2022→2025):約+8.8%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約26.3%(17,450/66,304)
- 営業利益:2,711百万円(営業利益率 約4.1%)
- 当期純利益:1,729百万円(純利益率 約2.6%)
- EBITDA:6,076百万円(EBITDAマージン 約9.2%)
- 2026/3期1Q(会社計算値)
- 売上 17,335百万円(+7.6%)、営業利益 1,299百万円、営業利益率 約7.5%と改善
- 四半期純利益は前年同期比 -17.5%(一過性要因やのれん関連の影響注記あり)
- 効率・資本
- ROE(実績):4.94%、ROA(LTM):約2.2%
- 有利子負債:451億円、現金等:319億円 → ネットDE:+132億円
- 金利負担:支払利息 26億円/年、EBIT 25億円 → インタレストカバレッジ 約9.6倍
- 安全性
- 自己資本比率:約38.5%
- 流動比率:約5.23倍(流動性は厚い)
- D/E(会社指標):約124%(レバレッジは高め)
- キャッシュフロー:四半期CF計算書は未作成(1Q)。期末現預金は増加基調。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:年間20円(中間10円・期末10円)を継続見通し
- 配当利回り:1.81%(株価1,102円ベース)
- 配当性向:実績ベース約38%(トレーリングEPS 52.35円)
- 自社株:自己株式保有比率は一桁後半〜10%超(期末自己株5,612千株、発行株数3,816万株)。過去に取得実績があるとみられるが、今期の新規枠等の開示はなし
- 参考:5年平均利回り 2.43%(現状は平均を下回る)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス:52週変化率 -14.2%(同期間のグローバル株式指標はプラス圏)。年初来高値からの調整局面。
- 材料・ドライバー
- 1Qは売上・営業利益とも増加、通期見通しも増益計画(売上7,000億円、営業利益34億円、EPS 64.53円)
- 原材料・為替動向(円安、原油・樹脂価格)がマージンに影響
- 季節需要(虫対策等)や天候の振れ
- 信用買い残の積み上がりによる需給影響
11. 総評
- 需要の安定性が高い日用品領域で、価格志向の強いチャネルに適合した商品開発力と「激落ちくん」「バルサン」等のブランドを有する。2026/3期1Qは粗利改善と効率化で営業利益率が回復。一方で、為替・原材料・季節性の影響は引き続きリスク。
- 財務は高流動性(潤沢な現金)とやや高めのレバレッジが併存。ROEは一桁台半ばで、持続的な利益率改善が課題。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で低め。テクニカル面では移動平均線を下回り、レンジ下寄りでの推移。需給(信用買い残)の偏りには注意が必要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
理由:LTM売上YoY +9.1%、3年CAGR約+8.8%と拡大基調。
– 収益性:C
理由:LTM営業利益率約4.1%、粗利率約26%で、同業大手平均比では低め。直近四半期は改善(7.5%)も通期トレンドの確認が必要。
– 財務健全性:B
理由:自己資本比率約38.5%は標準に近く、流動比率は厚い一方、D/Eは1倍超でやや高め。
– 株価バリュエーション:A
理由:予想PER約17倍(業界平均20.4倍)、PBR約1.03倍(同1.1倍)とディスカウント。EV/Sも0.8倍台。
参考データ(抜粋)
– 2026/3期会社予想:売上700億円、営業利益34億円、純利益21億円、EPS 64.53円、配当20円
– 2026/3期1Q:売上173.3億円(+7.6%)、営業利益13.0億円(+46.6%)、営業利益率約7.5%
– LTM(2025/3期):売上663億円、営業利益27.1億円、純利益17.3億円、ROE 4.9%、自己資本比率38.5%
注記
– 市場シェアや中期計画KPI等は公表データが見当たらないため割愛。
– 一過性損益(のれん関連等)はスコア評価から除外。
企業情報
| 銘柄コード | 7874 |
| 企業名 | レック |
| URL | http://www.lecinc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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