カッパ・クリエイト(7421)企業分析レポート
株価: 1,545円(2025-10-24終値)/時価総額: 約763億円/市場: 東証プライム
予想PER: 52.8倍/PBR: 7.0倍/BPS: 221円/予想EPS: 29.28円
自己資本比率: 34.9%/ROE(実績): 約9.9%/ROA(LTM): 約3.4%
配当(前期実績): 年5円(当期は未定)
1. 企業情報
- 概要: 回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を全国展開する外食企業。デリカ(惣菜・米飯等)の製造・供給も行う。1973年創業、本社は横浜市。コロワイドの子会社。
- セグメント:
- 回転寿司事業: 既存店強化、メニュー改廃、店舗改装、DX(自動案内・セルフレジ等)導入、販促施策など。
- デリカ事業: 惣菜・米飯等の製造・供給(グループ内供給と外販)。
- 事業構成(2025年3月期目安): 回転寿司約81%、デリカ約19%。
- 店舗数: 296店(2026年3月期1Q末)。海外は韓国・インドネシアに展開。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界ポジション: 郊外型回転寿司の大手で業界4位。主な競合は、スシロー、はま寿司、くら寿司など。
- 競争優位性:
- 全国規模の店舗網と価格帯の広さ(55円〜の低価格帯拡張など)。
- DX/省人化(自動案内・セルフレジ)の導入拡大によるオペ効率。
- デリカ事業による原材料・供給面のシナジー。
- 課題:
- 食材・エネルギー・人件費の上昇で利益率が薄い。
- 価格競争や需要変動への耐性強化が必要。
- 訴訟リスク(はま寿司からの損害賠償請求)等の不確実性。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/柱(中期): 1) 強い既存店づくり(価格帯拡大、フェア、接客力向上)
2) 成長投資(店舗改装・新規出店、DX/AI導入)
3) サステナビリティ(省エネ、食品ロス削減、人材DEI)
4) 関連事業拡大(デリカ連携・海外展開)
– 直近期の施策(2026年3月期1Q):
– 店舗改装16店、自動案内284店・セルフレジ246店まで拡大。
– 既存店強化と販促(TV・SNS、地域フェア)。
– デリカは生産性向上・販管費削減で損失縮小傾向。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 回転寿司の店舗運営が柱。集客は価格・メニュー・販促に左右され、コスト上昇局面では利幅が圧迫されやすい構造。デリカはスケールと効率性改善で損益改善余地。
- 適応力:
- 低〜中価格帯の価格戦略とメニュー改廃で需要変動に対応。
- DX・省人化でコスト耐性強化を図る。
- 海外・関連事業で収益源の多角化を進める。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向: 自動案内、セルフレジ、AIシフト等のオペレーションDXを推進。省エネ投資も進行。
- 主力/収益牽引:
- 定番寿司メニューに加え、フェア商品や地域特化メニューが集客に寄与。
- デリカは常温調理パン等が堅調。
6. 株価の評価(バリュエーション)
-
指標(株価1,545円基準):
- 予想PER: 約52.8倍(業界平均約21.3倍)
- PBR: 約7.0倍(業界平均約1.8倍)
- EV: 約756億円(時価総額763億円 − 正味現金約8億円)
EV/売上(LTM): 約1.0倍/EV/EBITDA(LTM): 約19倍
– コメント: PER・PBRは業界平均を上回る水準。EV/売上は約1倍と中庸。利益率の薄さを踏まえると、利益成長実現が前提となる評価構造。
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 50日線: 1,603円、200日線: 1,509円。株価は50日線をやや下回り、200日線は上回るレンジ。
- 52週: 高値1,699円、安値1,314円。現在は高値比約-9%、安値比約+18%。
- 10日間の値動き: 1,58x円台から1,545円へ緩やかに反落。
- 需給:
- 信用倍率0.08倍(売り長)。買い残31千株、売り残378千株。短期的な需給変動に注意。
- ベータ0.14(5年)で市場連動性は低め、ボラティリティは相対的に低い。
8. 財務諸表分析
- 売上成長:
- 売上(億円): 6,720(2022)→ 7,044(2023)→ 7,220(2024)→ 7,321(2025)と緩やかに増加(3年CAGR約+2.9%、LTM YoY約+1〜2%)。
- 収益性:
- 粗利率: LTM約52%(1Qは約52.6%で改善傾向)。
- 営業利益率: LTM約1.6%。
- 純利益率: 約1.6%。
- EBITDAマージン: 約5%台。2023期の赤字から回復したが、利益水準はまだ薄い。
- 効率/資本性:
- ROE: 実績約9.9%(LTM約11%)。ROA約3.4%。
- 総資産回転率(1Q年換算ベース): 概算0.58。
- 財政状態/流動性:
- 自己資本比率: 34.9%。
- 流動比率: 約109%。
- 有利子負債: 約72億円、現金等: 約80億円で正味現金約+8億円(ネットキャッシュ)。
- 1Q実績(2026年3月期):
- 売上+2.0%、営業利益+214%、純利益+117%と改善。デリカの損失は小幅に縮小。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 前期(2025/3期)実績: 年5円(期末5円、通期5円)。実績利回り約0.32%。
- 当期(2026/3期): 現時点「未定」。
- 参考: 直近データの配当性向は約24%(過去実績ベース)。
- 自社株買い: 開示情報の範囲では特段の実施情報なし(自己株保有は約0.13%)。
- 大株主: SPCカッパ(約50%)を中心にインサイダー保有比率が高く、フリーフロートは限定的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週変化率-3.6%とやや軟調。直近は50日線割れで短期の勢いは鈍化。
- 関心/材料:
- 収益改善(1Qで各段階利益が前年を上回る)。
- コストインフレ耐性(価格・メニュー改定、DX、省人化の実効性)。
- 訴訟(はま寿司からの損害賠償請求、金額5.11億円)の帰趨。
- 海外・デリカの拡大と収益寄与度。
11. 総評
- 需要回復と施策(価格帯拡大、フェア、DX、省人化)により売上と利益は改善傾向。粗利率は改善も、営業利益率は依然として低く、コスト上昇環境下での収益耐性が論点。
- 財務面は自己資本比率が35%弱、流動比率約1.1倍と中立的。ネットキャッシュは小幅ながらプラス。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均を大きく上回る水準。今後は利益率の持続的改善や成長投資の成果(既存店強化・改装・海外/デリカ拡大・DXの定着)が評価のカギ。
- 需給面は信用売り長で短期変動要因となり得る。訴訟動向など一過性リスクの注視が必要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- 理由: LTM売上+約1〜2%、3年CAGR約+2.9%と緩やかな成長。
- 収益性: C
- 理由: 営業利益率約1.6%、EBITDAマージン5%台で外食平均に比べ薄利。
- 財務健全性: B
- 理由: 自己資本比率34.9%、流動比率約1.1倍、ネットキャッシュ小幅プラスで総合的に中立。
- 株価バリュエーション: C
- 理由: PER約53倍、PBR約7倍と業界平均(PER約21倍、PBR約1.8倍)を上回る水準。EV/Sは約1倍。
注記:
– 本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。
– 記載の数値は概算を含みます。最新の公式開示をご確認ください。
– 一過性損益は評価から除外するよう留意しています。
企業情報
| 銘柄コード | 7421 |
| 企業名 | カッパ・クリエイト |
| URL | http://www.kappa-create.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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