ハマキョウレックス(9037)企業分析レポート
株価:1,628円(2025-10-24終値)/市場:東証プライム/時価総額:1,238億円
セクター:運輸・物流(陸運業)/事業:3PL(物流一括受託)・トラック輸送
1. 企業情報
- 概要
- 独立系の3PL(物流一括受託)大手。アパレル、医療機器、日用品・化粧品、EC、食品、ホームセンター・ドラッグ向けなどのセンターロジスティクスを展開。
- トラック輸送(路線系)もグループ内外向けに提供。M&Aでの規模拡大に積極的。
- 連結事業構成(2025.3)
- 物流センター:売上構成約64%、セグメント利益率が高い中核
- 貨物自動車運送:売上構成約36%、利益率は相対的に低い
- 直近トピック(2026年3月期1Q)
- 売上+4.6%、営業利益+9.6%、純利益+15.6%(前年同期比)
- 物流センター新規受託・既存稼働拡大、2025年2月のリケン(株)子会社化が寄与
- 石丸運輸株取得で負ののれん発生益36百万円を計上
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 独立系3PLの有力企業。製配販横断の一括受託やECフルフィルメントに強み。
- センター数191拠点(1Q時点)とスケールを有し、業種分散により景気局面の平準化が期待できる事業構成。
- 競争優位と課題
- 優位性:3PLの高付加価値(設計・運営力)、業種分散、M&Aでのネットワーク拡充。
- 課題:トラック輸送の低い利益率、燃料・人件費・外注費の上昇、労働力確保。M&A統合コスト・PMIの確実性。
- 市場シェア:–(公表資料に明記なし)
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針
- 3PL(物流センター)領域の拡大を成長ドライバーに設定。新規受託の獲得と既存センターの稼働率向上を継続。
- M&Aでのネットワーク・顧客基盤拡充と、収益性改善(運賃改定・効率化)を並行。
- 重点分野(開示ベース)
- 産業別の3PL深耕(アパレル、医療、日雑・化粧品、食品、EC、ホームセンター等)
- トラック輸送は運賃改定を進めつつ、コスト増(外注費・燃料)の吸収を図る
- 通期見通し(2026/3期、会社計画)
- 売上高1,530億円(+4.3%)、営業利益139億円(+5.2%)、純利益94億円(+5.2%)、EPS予想126.43円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 3PLは契約ベースでストック性が高く、稼働率と効率化でマージンを確保。スイッチングコストが相対的に高い領域。
- 輸送は物量・単価・コストの綱引きとなり、原価(燃料・人件費・外注費)上昇時の価格転嫁力が鍵。
- 変化対応力
- 1Qでの運賃改定寄与やセンター拡大から、コスト・需要変動への一定の適応が示唆。
- 軽油価格1円/Lの変動で年間約4,000万円の感応。コスト環境のモニタリングが重要。
5. 技術革新と主力製品(サービス)
- 技術・運営
- 物流センター運営の標準化・効率化投資を継続(1Qで固定資産増加、減価償却費計上)。
- 主力サービス
- 3PL(センター運営受託、ECフルフィルメント等)が収益の柱。1Qマージン目安:センター約13.6%、輸送約2.3%。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在値と指標
- 株価1,628円、予想EPS 127.01円、PER 12.82倍
- 実績BPS 1,226.46円、PBR 1.33倍
- 参考:EV ≒ 1,264億円(時価総額1,238+有利子負債242−現金216億円)、EV/S ≒ 0.85倍、EV/EBITDA ≒ 6.4倍
- 業界平均との比較(提供平均:PER 13.9倍、PBR 1.0倍)
- PER:業界平均比で低め
- PBR:業界平均比で高め
- 目安試算
- 業界平均PER適用価格:127.01円×13.9倍 ≒ 1,765円
- 業界平均PBR適用価格:1,226.46円×1.0倍 ≒ 1,226円
- 配当利回り(予想):2.38%、配当性向:約29%
(注)上記は与件データに基づく単純比較であり、投資判断ではありません。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線:1,553.6円、200日線:1,387.5円。株価は両移動平均線を上回る上昇トレンド。
- 52週高値1,643円に接近(終値1,628円、約0.9%下)。高値圏。
- モメンタム
- 直近10営業日で終値は1,564→1,628円へ緩やかに上昇。出来高は3カ月平均(約12.5万株)と同水準。
- 需給
- 信用倍率13.93倍(買い長)。短期の価格変動要因となる可能性。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(LTM)1,466.7億円、YoY +4.3%。3年CAGR約+5.5%(2022→2025)。
- 1Q(2026/3期)も売上+4.6%、営業利益+9.6%と増収増益基調。
- 収益性(LTM目安)
- 粗利率:約12.4%
- 営業利益率:約9〜10%(提供指標9.62%)
- EBITDAマージン:約14%
- 当期純利益率:約6%、ROE:約10%、ROA:約5%
- 安定性・効率
- 自己資本比率:56.2%、D/E:23.5%、流動比率:1.33倍。バランスシートは健全域。
- キャッシュ:216億円、有利子負債:242億円。EBITDA(約198〜208億円)に対しレバレッジは抑制的。
- セグメント(1Q)
- 物流センター:売上2,417億円、利益327億円(百万円単位)。高収益で連結を牽引。
- 輸送:売上1,322億円、利益30.6億円。増収もコスト増で利益は抑制。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2026/3期予想:年間38.75円(中間18.75円、期末20.00円)/利回り約2.38%
- 5年平均利回り:2.62%(現状は平均をやや下回る)
- 配当性向:約29%(LTMベース)
- その他
- 2024/9/27に1→4の株式分割実施。自己株式保有あり(約2.68%)。自社株買いの有無:–(与件に明記なし)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス
- 52週騰落:+29.3%(参考:S&P500 +16.6%)。年初来高値圏で推移。
- 投資家構成
- インサイダー保有:約22.4%、機関投資家保有:約27.4%、フロート約5,529万株。安定株主と市場流通のバランス。
- 近時の関心材料
- 3PL新規受託・M&A寄与、運賃改定、原燃料・人件費動向。軽油価格の感応度(±1円/Lで年約4,000万円)も注目点。
11. 総評
- 3PLを主軸に中期的に堅調な成長を継続。高収益のセンター事業が拡大し、連結の利益率を押し上げている。
- 課題は輸送の低マージン構造とコストインフレ、労働力確保、およびM&Aに伴う一時費用や統合の確実性。
- 財務は健全で、増配基調・配当性向も無理のない水準。バリュエーションはPERで業界平均比「低め」、PBRは「高め」。株価はテクニカル的に高値圏で推移。
- 業績見通し(通期)は増収増益計画。コスト転嫁とセンター稼働の進捗、燃料価格・外注費の動向が主要チェックポイント。
(注)本資料は公開データの整理であり、投資助言を目的としません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上YoY+4.3%、3年CAGR約+5.5%、1Qも二桁近い利益成長。
- 収益性:A
- 営業利益率約9〜10%、EBITDAマージン約14%、ROE約10%。3PL主導で業界水準を上回る構成。
- 財務健全性:A
- 自己資本比率56%、D/E約0.24、流動比率1.33倍。レバレッジは抑制的。
- 株価バリュエーション:B
- PERは業界平均比で低め、PBRは高め、EV/Sは1倍未満。総合すると概ね平均圏。
参考データ(抜粋)
– LTM:売上1,466.7億円、粗利1,822億円、営業利益1,322億円、純利益893億円、EBITDA2,076億円
– 指標:PER12.82倍、PBR1.33倍、ROE10.3%、自己資本比率56.2%、配当利回り2.38%
– テクニカル:50日移動平均1,553.6円、200日移動平均1,387.5円、52週高値1,643円/安値1,160円
– イベント:権利落ち(予定)2026/3/30
企業情報
| 銘柄コード | 9037 |
| 企業名 | ハマキョウレックス |
| URL | http://www.hamakyorex.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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