浜松ホトニクス(6965)企業分析レポート
株価:1,703.5円(2025-10-24終値)/市場:東証プライム/時価総額:5,437億円
1. 企業情報
- 概要:光検出・光計測の専業メーカー。光電子増倍管(PMT)、MPPC/SPAD(SiPM)、フォトダイオード、イメージセンサ、X線・放射線検出器、各種光源・レーザ、画像計測機器などをグローバル展開。PMTは世界シェア約90%とされ、高感度・高信頼性の製品群で医療、半導体検査、産業・科学(宇宙・素粒子など)に供給。
- 事業構成(売上構成比・括弧内は利益率の目安):電子管38%(30%)、光半導体38%(23%)、画像計測機器16%(32%)、レーザ5%(-2%)、その他2%(24%)。海外売上比率77%(2024.9期)。
- 補足:ホテル事業を含む「その他」を有するが、連結への影響は限定的。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:超高感度・低ノイズを要する光検出分野のグローバル・リーディングカンパニー。PMTは代替困難な用途が多く、独自プロセス・長期R&D蓄積が参入障壁。
- 競争優位性
- 高感度・低暗電流・高信頼性などの製品性能
- カスタム対応力とOEM深耕(医療・検査装置での採用実績)
- 縦型一貫体制、特注・少量多品種の製造対応
- 長寿命・長期供給(装置ライフに沿う)
- 課題
- SiPM/MPPC等の固体化(ソリッドステート)への技術転換と製品ライン間のカニバリゼーション管理
- EVや医療設備投資などマクロ連動の需要変動、輸出規制・通商政策の影響
- レーザ事業ののれん償却・費用増による収益圧迫
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(短信・会社開示の要点)
- 将来成長分野(生成AI関連の半導体製造・実装、非破壊検査、医療画像)への投資継続
- M&A(Fairchild Imagingなど)によるイメージング領域拡張、製品ポートフォリオ強化
- 研究開発・設備投資の継続(基礎研究を含む)
- 通期予想(会社修正、2025/9期):売上高2,128億円、営業利益180億円、純利益140億円へ下方修正(為替前提:USD/JPY=149など)
- 重点分野(例)
- 半導体検査・実装:ステルスダイシング等レーザ応用、X線/NDT
- 医療:X線CT/SPD、歯科用FPS、デジタルイメージング
- 科学・産業:分光・極微弱光計測、放射線検出
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:部材・モジュールを装置メーカーへ供給(組込比率が高く粘着性が強い)。装置ライフに沿った長期供給や更新需要、消耗部材(光源等)・サービスで安定性を補完。
- 適応力:PMTに加えMPPC/SPADなどソリッドステートへ展開、用途拡大(ToF/LiDAR、医療・分析)。一方で、買収関連費用・のれん償却や販管費増が短期収益性を圧迫。
5. 技術革新と主力製品
- 技術:超高感度検出、低ノイズ設計、特注光学・読出し回路、X線・放射線検出材料、光源(重水素ランプ、UV-LED、エキシマ等)、レーザ(半導体・固体)など。
- 主力・収益牽引
- 電子管:PMT、マイクロフォーカスX線源、重水素ランプ
- 光半導体:フォトダイオード、イメージセンサ、SPAD/MPPC
- 画像計測:X線ラインセンサ、科学・バイオ向け高感度カメラ
- レーザ:ステルスダイシング等(売上拡大中だが費用先行)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:1,703.5円
- 会社予想EPS:46.57円 → 予想PER:約36.6倍(業界平均PER 24.2倍)
- 実績BPS:1,042.88円 → PBR:約1.63倍(業界平均PBR 1.6倍)
- 参考比較(単純計算)
- 業界平均PERを適用:46.57×24.2 ≒ 1,127円
- 業界平均PBRを適用:1,042.88×1.6 ≒ 1,669円
- EV/S(概算):EV≒時価総額5,437億−正味現金約400億=約5,037億円、売上約2,067億円 → EV/S≒2.4倍
- コメント:PERは業界平均を上回り、PBRは平均並み。配当利回りは2.23%(5年平均1.28%)で自社過去平均比では高め。
7. テクニカル分析
- トレンド:直近10日で1609→1703.5円へ上昇基調。50日移動平均1,617円、200日1,611円の上に位置。
- 位置取り:年初来高値1,954円に対し約-13%、52週高値2,083.5円に対し約-18%、52週安値1,116.5円に対し約+53%。
- 需給:信用買残2,834千株、倍率13.89倍と買い超過。出来高は3ヶ月平均(約252万株)と同程度。
- 評価:短期は上向きのモメンタムが確認できる一方、信用買い偏重は変動要因。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(百万円):2021 169,026 → 2022 208,803 → 2023 221,445 → 2024 203,961 → LTM 206,720
- 3年CAGR(2021→LTM):約+7%
- LTM YoY(対2024):約+1.4%
- 収益性(LTMベース)
- 粗利率:約49.9%(103,043/206,720)
- 営業利益:22,834 → 営業利益率:約11.0%
- EBITDA:45,571 → EBITDAマージン:約22.0%
- 当期純利益:18,309 → 純利益率:約8.9%
- 直近9カ月(2025/9期3Q累計):増収(+3.3%)・大幅減益(販管費増、のれん償却、金利負担等)。営業利益率約7.9%に低下。
- 効率・資本
- ROE(実績):7.74%(会社公表指標)
- 自己資本比率:76.2%(2024期末)、3Q時点70.1%(短期借入増で低下)
- 流動比率:約2.23倍、D/E約0.20、正味現金基調
- コメント:中期では売上は拡大傾向だが、足元はコスト増・M&A関連費用で利益率が低下。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:年38円(利回り約2.23%)、配当性向目安:63%(予想EPSベース)
- 自己株式:保有比率9.37%(取得・消却実施済み)
- 株式分割:2024/9/27に1→2
- コメント:安定配当を維持。自己株式の活用により資本効率向上の取り組みが見られる。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期上昇、50日・200日線上。52週では市場平均に劣後(52 Week Change -15.7%)。
- 投資家構成:機関投資家保有約47.5%、インサイダー約5.3%、フロート約2.88億株。
- イベント:決算発表予定 2025-11-07(UTC)。決算に伴うボラティリティに留意。
11. 総評
- 強み:PMTを中心に高感度光検出で独自競争力、カスタム・長期供給モデル、粗利率の高さ、堅固な財務(高自己資本、ネットキャッシュ)。
- 課題:レーザ事業の費用先行・のれん償却、販管費増、医療・EV関連需要の変動、通商・為替の外部リスク。固体化への転換期における製品ポートフォリオ最適化。
- バリュエーション:PERは業界平均を上回る水準、PBRは概ね平均並み。短期はモメンタム改善も、信用買い偏重は振れを大きくしやすい。
- 中期視点:半導体実装・検査、医療・NDT、科学領域での需要機会は継続。収益性は費用増で一時的に低下しているが、製品競争力と研究開発の厚みが基盤。
(注)本資料は公開情報に基づく定性的・定量的整理であり、投資勧誘を目的としません。記載値は概算を含みます。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上YoY +約1〜5%程度、3年CAGR約+7%。直近通期は減収の年もあり、総合して中立評価。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約50%は高水準。一方、営業利益率は足元で低下(3Q累計約7.9%)。業界平均並み〜やや上程度と判断。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率70%台、流動比率>2倍、D/E低位、正味現金。健全。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:予想PER約36.6倍は業界平均24.2倍を上回る。PBRは平均並み。
【主要数値(再掲)】
– 株価:1,703.5円/時価総額:5,437億円
– 予想EPS:46.57円/予想PER:36.6倍
– 実績BPS:1,042.88円/PBR:1.63倍
– 予想配当:38円/配当利回り:2.23%/配当性向:約63%
– LTM売上:2,067億円/LTM営業利益:228億円(OPM約11%)
– 自己資本比率:76.2%(2024期末)、約70.1%(2025/6末)
– 海外売上比率:77%(2024.9期)
– 次回決算予定:2025-11-07(UTC)
企業情報
| 銘柄コード | 6965 |
| 企業名 | 浜松ホトニクス |
| URL | http://www.hamamatsu.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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