福田組(1899)企業分析レポート
株価: 7,010円(2025-10-24終値)/市場区分: 東証プライム/業種: 建設業
1. 企業情報
- 概要: 新潟を地盤とする準大手・地域系ゼネコン。土木を強みとし、県内トップクラスの実績。首都圏の民間建築・再開発へ展開し、事業多角化(不動産、維持管理、資機材リース、アスファルト合材製造、福祉関連等)を進める。
- 事業構成(連結・2024.12):建設96%(営業利益率約4%台)、不動産3%、その他0%
- 特徴: 豪雪・河川・農業インフラなど地域特性に根差した土木施工力、資機材・合材内製や維持管理まで含む一貫体制、受注の伸長(2025年上期 受注高+28.4%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 新潟で圧倒的な地位を持つ地域系ゼネコン。全国シェアは大手5社(鹿島・大成・清水・大林・竹中)に比し限定的だが、地場公共・民間案件に強み。
- 競争優位性
- 地域密着の関係性と積算・調達力(豪雪地帯や河川・道路等の土木分野に知見)
- 資機材・合材の内製、リース等のグループ機能によるコスト・納期対応力
- 維持補修・アセットマネジメント等のライフサイクル対応
- 課題
- 人手不足・技能者の高齢化、労務・材料コスト上昇によるマージン圧迫
- 大都市圏では大手・準大手との競争激化、価格競争と品質確保の両立
- 案件採算のばらつき(共同企業体JV案件含む)と工期・資材価格の変動リスク
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(会社記載の要旨)
- 生産性・品質向上(デジタル化、人材育成、多様な働き方の推進)
- 財務基盤の強化(高い自己資本比率、有利子負債の極小化を継続)
- 重点分野
- 首都圏の民間建築・開発の拡大(2025年上期:民間建築受注が大幅増)
- 受注選別と採算重視、手持ち工事の着実な進捗管理
- 維持管理・更新需要、環境・防災関連(豪雪・河川・道路・下水道等)への対応
- 通期見通し(会社予想・据え置き)
- 売上高 1,670億円、営業利益 60億円、純利益 43億円、EPS 519.33円
- 上期は増収増益だが、通期は保守的見通し(採算・コスト要因を織り込み)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 受注工事の出来高計上が中心。不動産は補完的規模。維持管理・点検・補修などのストック性サービスを拡大。
- 持続性評価
- 受注環境は堅調(上期受注+28.4%)、公共投資・防災/減災、更新需要が下支え
- コスト上昇局面では、単価転嫁・工期調整・JVの活用等の採算管理が鍵
- 人材・下請ネットワークの確保とDX活用が中期的な競争力に直結
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術・独自性
- アスファルト合材の製造販売、仮設材リース、計測機器レンタル等の周辺事業で内製化・付帯収益を確保
- 豪雪地帯向けの地熱融雪や道路・橋梁・下水等の維持管理ノウハウ
- 建設DX(BIM/CIM、i-Construction等)やプレキャスト活用による省力化・品質向上(一般論としての取り組み方向)
- 収益源
- 主力は建設(土木・建築)。2025年上期セグメント利益:建設345.9億円売上に対し34.59億円の利益。不動産は規模小さく安定補完。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 7,010円
- 予想EPS: 519.39円 → 予想PER ≈ 13.5倍(業界平均14.0倍比でややディスカウント)
- 実績BPS: 10,330.15円 → PBR ≈ 0.68倍(業界平均1.1倍を大きく下回る)
- 現株価 ≒ 純資産価値の68%水準(簿価割れではないがブック近辺の評価)
- EV関連
- 時価総額 約630億円、現金364億円、負債7億円弱 → EV ≈ 272億円
- LTM売上 1,683億円 → EV/S ≈ 0.16倍
- LTM EBITDA 約90〜94億円 → EV/EBITDA ≈ 3.0倍前後
- 配当利回り(予想): 2.85%(5年平均2.8%並み)、配当性向 約31%
7. テクニカル分析
- トレンド: 50日線 6,507円、200日線 5,457円。株価は両移動平均線を大きく上回り、上昇トレンド継続。
- 位置づけ: 年初来高値 7,090円に接近(高値圏)。直近終値は7,010円。
- 出来高: 3カ月平均約59.9千株に対し、直近10日平均約16.9千株と軽め。上抜けには出来高増伴うか注視。
- 水準感: 支持帯 6,800〜6,900円、抵抗 7,090円(年初来高値)。
- 信用動向: 信用買残60.5千株・信用倍率2.67倍、売残は増加。短期的な需給の振れには留意。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円)
- 2021: 179,845 → 2022: 154,357 → 2023: 162,241 → 2024: 166,588 → LTM: 168,373
- トレンド: 2022に落ち込み後、回復基調。LTMは前年比+約1〜4%(指標により)。
- 利益
- 営業利益(百万円): 2021: 8,892 → 2022: 5,209 → 2023: 5,205 → 2024: 7,665 → LTM: 7,731(改善)
- マージン: 粗利率 約10.7%(LTM)、営業利益率 約4.6%(上期)/LTMは概ね4%台
- 純利益(百万円): LTM 5,404(2024: 5,309)
- 収益性指標
- ROE 約6.5%、ROA 約3.4%(LTM)
- キャッシュフロー
- LTM 営業CF ▲166億円、FCF ▲188億円(工事前受金・未収入金等の運転資本増減影響が大きい)
- 2025年上期は営業CF +70億円と改善傾向
- 財政状態
- 自己資本比率 59.3%(上期60.1%)、流動比率 212%
- 総現金 364億円、有利子負債 約7億円、D/E 0.77%と極めて低レバレッジ
総評: マージンは業界水準並〜やや良、財務は堅健。運転資本の季節性・案件進捗によるCFの振れに注意。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当: 年間200円、利回り約2.85%、配当性向約31%
- 自己株式: 発行株の約6.9%を保有(J-ESOP含む注記あり)。今期の新規自己株買いの記載はなし(短信ベース)。
- 方針: 業績・財務の範囲で安定配当を継続(会社予想据え置き)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 200日線上でトレンド強い。年初来高値圏での攻防。
- ベータ: 0.31(市場連動性は低め)
- オーナーシップ: インサイダー約29%、機関約19%。浮動株は限定的(流動性に留意)。
- 影響要因
- 受注高の推移・手持ち工事の採算、労務・資材価格動向
- 公共投資・防災関連予算、民間建築(首都圏)の市況
- 通期ガイダンス据え置きからの上方/下方修正の有無
11. 総評
- 事業面: 地域密着×土木を基盤に、首都圏建築・開発でバランスを取りつつ、維持管理や資機材内製で安定性を高める構造。受注は堅調。
- 収益面: 粗利・営業利益率は業界標準域で改善傾向。コスト上昇環境下の採算管理が引き続き鍵。
- 財務面: 高自己資本・実質無借金に近い体質で耐性が高い。運転資本の振れによるCFボラティリティは注視。
- 株価面: PERは業界平均並み〜やや割安、PBRは0.7倍弱とブック近辺。EV/EBITDA約3倍は保守的評価を示唆。テクニカルは高値圏でモメンタム良好。
- 留意事項: 下期採算・工期進捗、物価・為替、地政学リスクなど外部要因の影響。
本資料は提供データに基づく分析であり、投資判断ではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- 根拠: LTM売上は前年比プラス、受注も堅調。一方、3年CAGRはおおむね横ばい〜微減。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率約10%台・営業利益率4%前後で業界水準並〜やや上。ROE約6.5%。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率約59〜60%、流動比率約212%、D/E約0.8%と極めて健全。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PERは業界平均比で小幅割安、PBR0.68倍、EV/EBITDA約3倍と保守的評価。
—
注記: 数値は特記なき限り連結ベース。LTM・株価・出来高などは提示データ時点。業界平均は提供値。業績見通しは会社公表の据え置き予想。
企業情報
| 銘柄コード | 1899 |
| 企業名 | 福田組 |
| URL | http://www.fkd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。