萩原工業(7856)企業分析レポート
株価: 1,722円(2025-10-24終値)/市場: 東証プライム/時価総額: 256.5億円
1. 企業情報
- 概要: 合成樹脂加工製品(ブルーシート、防災シート、土嚢、メッシュ・防音・遮熱シート、フレコンバッグ、粘着テープ、人工芝用原糸、清掃モップ、PETボトル・液晶用フィルム、コンクリート補強繊維「バルチップ」等)と機械製品(スリッター、巻取り機、押出関連機器、スクリーンチェンジャー、パレット等)を展開。原糸〜製品〜関連機械までの一貫生産が強み。国内に加え、インドネシア・中国でも生産。
- 事業構成(2024.10 期ベース目安): 合成樹脂加工製品 約81%(営業利益率約6%)、機械製品 約19%(営業利益率約6%)/海外売上比率 約29%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内の合成樹脂シート・産業資材分野で大手の一角。原糸から機械まで内製する一貫体制は差別化要因で、品質・納期・コスト面の総合力に強み。
- 競争優位性:
- 一貫生産によるコスト競争力と供給安定性。
- 製品×装置の両輪展開(顧客の加工・生産課題に装置面からも対応)。
- 海外拠点による為替・物流リスクの一部吸収。
- 課題:
- 建設・土木向けの需要変動、原材料価格(樹脂)や為替のボラティリティ。
- 海外市場(特に北米)での通商政策・関税の不確実性。
- 一部製品(例: バルチップ)での海外競合激化。
※公表された明確な市場シェア数値は未開示。
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針: 一貫生産体制を軸に、製品ポートフォリオの高付加価値化と生産効率の継続改善。海外拠点と国内の再配置で物流混乱にも対応。
- 中期の重点トピック(短信・補足資料より把握できる範囲):
- 生産体制再構築(物流混乱・需給変化に対応)。
- 新分野開拓: 金属箔用スリッター(初号機納入済)で新規用途へ展開。
- リサイクル関連装置の商材拡大(引合い増の兆し)。
- 国内新工場(笠岡工場)計画推進(補助金収入計上あり)。
- 製品ミックス改善(農業資材・人工芝原糸、飲料用フィルムなど堅調領域に注力)。
- 会社計画(2025/10期 会社予想): 売上340億円(+2.7%)、営業利益24億円(+14.4%)、純利益22.3億円(+46.9%)。EPS予想は短信で162.49円(注: 提供データ内に120.45円の表記もあり、整合性に注意)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源: 建設・土木、防災、農業資材、包装・フィルム、産業資材向けの継続需要+機械製品の設備投資需要。ストック性とサイクル性の組合せ。
- 持続性評価ポイント:
- 防災・インフラ維持需要は底堅い一方、建設・設備投資サイクルの影響を受けやすい。
- 原材料価格・為替・関税リスクに対し、製品価格改定・海外生産分散・効率化で対応。
- 装置分野の新規領域(リサイクル、金属箔スリッター)の伸長余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:
- 原糸〜加工〜機械の一貫開発・製造による工程最適化ノウハウ。
- 金属箔スリッターの技術導入・初号機納入で新市場へ参入。
- コンクリート補強繊維「バルチップ」など機能性素材を保有。
- 主力・収益牽引:
- 合成樹脂シート群(ブルーシート、防災・遮熱・防音シート)、フレコン、粘着テープ、人工芝原糸、飲料・液晶用フィルム等。
- 機械はスリッター・押出関連機器が中心。リサイクル関連装置の拡大に注力。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(提供データベース)
- PER(会社予想): 14.30倍(EPS 120.45円ベース)
- 参考: LTM EPS 123.81円 → トレーリングPER約13.9倍
- 参考: 短信のEPS予想 162.49円 → フォワードPER約10.6倍
- PBR: 0.81倍(BPS 2,126.57円)
- EV/Sales(概算): EV ≒ 256.5億円 − ネットキャッシュ約6.3億円 ≒ 250.2億円、売上 ≒ 327.5億円 → 約0.76倍
- 業界平均との比較(提供平均: PER 14.5倍、PBR 1.3倍)
- PER: 同水準〜やや低位(算定EPSにより幅あり)
- PBR: 低位(0.81倍 vs 1.3倍)
- 配当利回り:
- 実績/会社予想: 65円 → 約3.8%
- フォワード(提供値): 70円 → 約4.1%
- 留意: 会社予想EPSに120.45円と162.49円の2種表記があり、前提によりPER評価が変動。
7. テクニカル分析
- トレンド: 終値1,722円は50日線1,672円、200日線1,539円を上回り、上昇トレンド継続。
- 位置: 年初来高値1,743円に接近=高値圏。
- 出来高: 3カ月平均8.5万株に対し直近10日平均9.7万株とやや増加。
- 需給: 信用倍率0.22倍(売り長)。売り残優勢で、短期的な値動きの振れに注意。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上高: 277.1億円(2021)→ 299.5(2022)→ 312.5(2023)→ 331.2(2024)→ LTM 331.5億円。3年CAGR約+6%。
- 直近期の四半期売上成長率(YoY): −4.9%(提供指標)。
- 収益性(LTM目安):
- 粗利率: 約26%(粗利862.5/売上3314.5)
- 営業利益率: 約5.1〜5.7%(データによりブレ)
- EBITDAマージン: 約11%
- 純利益率: 5.45%
- ROE: 6.03%、ROA: 2.49%
- 安全性:
- 自己資本比率: 68.1%(3Q末70.3%)
- 流動比率: 2.52倍
- D/E(総負債/自己資本): 約16.6%(有利子負債49.4億円、現金55.7億円 → ネットキャッシュ約6.3億円)
- 特記事項:
- 2025年10月期3Qに笠岡工場関連の補助金(特別利益8億円)計上。営業面は前年同期比で減益。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想: 2024期 60円、2025期予想 65円(提供別データでフォワード70円の記載あり)
- 配当性向: 約52.5%(提供値)
- 自己株式: 3Q末 901,373株(発行株の約6%)。保有は確認できるが、今期の新規自己株買い実施可否は開示データからは不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 直近10営業日で安定上昇(1660円台→1700円台→1720円台)。年初来高値圏で推移。
- 投資家需給:
- 信用売残 > 買残(信用倍率0.22倍)。イベント(配当・決算)前後のボラティリティに注意。
- 出来高は平常比やや増加。直近関心は配当・年度高値更新可否、新工場や新領域の進捗に向きやすい。
11. 総評
- 一貫生産と装置事業の併営で、製品×設備の提案力が強み。売上は中期で緩やかに拡大しており、財務健全性も高水準。
- 一方、建設・設備投資サイクルや原材料・為替・通商政策の影響を受けやすく、短期の収益は変動。足元は補助金による純利益押上げがあるため、営業段階のトレンド確認が重要。
- バリュエーションはPBR0.8倍台と低位、PERは前提EPSにより同業平均並〜低位のレンジ。テクニカル面では高値圏で、信用売り長による短期的な値動きの振れに留意。
※本レポートは提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 理由: 3年CAGR約+6%、LTM売上は横ばい〜微増。直近四半期YoYはマイナスだが中期では伸長。
- 収益性: B
- 理由: 粗利率約26%、営業利益率約5–6%、EBITDA約11%。業界水準との差は未確認のため中立寄り評価。
- 財務健全性: A
- 理由: 自己資本比率約68–70%、流動比率2.5倍、実質ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: A
- 理由: PERは業界平均並〜やや低位、PBRは平均を下回る0.81倍、EV/S約0.76倍。赤字でないためPERも参照可能。
データ出所: 提供の株価・ファクトセット、決算短信(2025年10月期 第3四半期、連結)。記載の一部に数値差異(EPS等)があるため、最新の会社開示での確認を推奨します。
企業情報
| 銘柄コード | 7856 |
| 企業名 | 萩原工業 |
| URL | http://www.hagihara.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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