9068 丸全昭和運輸 分析レポート(プライム市場・陸運業)
本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や助言を目的としたものではありません。数値は特記なき限り連結・過去12か月(LTM)ベース、通貨は円です。
1. 企業情報
- 概要:1931年創業の総合物流企業。国内外で3PL、国際輸送(海上・航空・複合一貫)、港湾・倉庫、通関、輸出梱包、工場・生産ライン移設などを一気通貫で提供。精密機器・医療機器、重機械、危険物、建設資材まで幅広い貨物に対応。構内作業・機械荷役、警備、建設、産廃、不動産、保険代理・車両整備なども展開。
- 顧客基盤:レゾナック、旭ファイバー、ライオン等の大口荷主。工場移転・大型機械の据付・保全を含むプロジェクト物流に強み。
- 事業構成(2026/3期会社計画区分の比率・括弧内は営業利益率の目安):物流87%(10%)、構内作業・機械荷役11%(9%)、その他2%(16%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジショニング:国内の総合系物流の中堅。港湾・倉庫・トラック・鉄道利用運送までカバーし、工場内オペレーションや設備移設を含む「産業向け一気通貫ソリューション」が差別化領域。
- 競争優位性
- 重量物・大型設備のハンドリング、工場移転・長尺品などの特殊領域の実績
- 港湾~倉庫~陸送~構内作業までの垂直統合で品質・納期コントロール
- 大口製造業顧客との長期継続取引
- 課題
- 国内貨物の伸び悩み、原燃料費・人件費上昇、ドライバー不足(いわゆる物流2024年問題)
- 国際貨物は地政学・関税政策・中国景気など外部要因の不確実性
- 鉄道利用運送の減収傾向(1Q開示)など一部モーダルの需要鈍化
3. 経営戦略と重点分野
- 第9次中期経営計画(2025年度開始)
- 収益拡大:3PL・グローバル物流の拡大、港湾・倉庫の保有強化、国内外拠点のネットワーク拡張
- 競争力強化:車両・倉庫等の自社保有拡大、M&A含む事業基盤強化
- 構造改革:次期基幹システム稼働による意思決定の迅速化・原価可視化・DX推進
- 組織基盤:人材確保・教育、サステナビリティ対応(安全・環境)
- 2026/3期会社計画(通期)
- 売上高 1,530億円(+5.8%)
- 営業利益 160億円(+9.2%)
- 親会社純利益 120億円(+22.4%)
- 1株当期純利益(EPS)614.64円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:3PL・港湾・倉庫・国内輸送・構内作業・プロジェクト物流の組合せで景気循環の影響を分散。工場内作業や保守を伴うストック性の高い収益が安定性を補完。
- 変化対応力:基幹システム刷新とDXでコスト管理・配車・庫内効率を改善。自社保有資産の拡大でサービス品質・稼働最適化が可能。
- リスク感応:燃料・人件費上昇、ドライバー不足は採算圧迫要因。価格改定・生産性向上の継続が前提。国際物流は地政学・関税・為替の影響を受けやすい。
5. 技術革新と主力サービス
- 技術・運用
- 次期基幹システム(WMS/TMS/原価管理)の導入・高度化
- 重量物・大型機械の搬出入・据付・メンテのエンジニアリング力
- 主力領域
- 3PL(製造業向け)、港湾・倉庫、国際輸送(海・空・複合)、構内作業、工場・設備移設プロジェクト
- 直近期の牽引分野(2026/3期1Q)
- 倉庫・港湾で増収、電力機器関連・プラント設備で堅調、国内設備移設案件増
- 一方、鉄道利用運送や一部物流付帯は減収
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 7,110円、予想EPS 614.64円、実績BPS 6,698.99円、時価総額 1,465.96億円
- 指標比較
- PER(予想):11.57倍(業界平均 13.9倍より割安)
- PBR(実績):1.06倍(業界平均 1.0倍と概ね同水準)
- EV/EBITDA:≈6.6倍(EV ≈ 1,376億円=時価総額1,466−純現金約90、EBITDA ≈ 210億円)
- EV/売上高:≈0.95倍(売上 ≈ 1,452〜1,453億円)
- 配当利回り(予想):2.53%(配当性向 ≈34.6%)
- コメント:PERは業界平均比でディスカウント、PBRは平均近辺、EV系マルチプルも中庸〜やや低位の水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価 7,110円は50日線 7,120円とほぼ同水準、200日線 6,510円を上回る上昇トレンド圏。
- 位置:52週安値 5,110円–高値 7,810円のレンジで上方ゾーン(安値から約74%位置、高値まで約9%)。
- モメンタム(直近10営業日):終値は6,710→7,110円へジリ高。高値・安値とも切り上げ基調。
- 需給:信用倍率 3.55倍、出来高は3カ月平均約26千株で流動性は限定的。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(単位:億円)
- 売上高:1,368(2022)→1,409(2024)→1,446(LTM)で緩やかに増加(LTM YoY +3.1%)
- 営業利益:118(2022)→127(2023)→132(2024)→146(LTM)と増加、営業利益率は10.1%へ改善
- 当期純利益:85.8(2022)→89.3(2023)→97.4(2024)→98.0(LTM)
- 収益性
- 粗利率:約13.6%、営業利益率:約10.1%、EBITDAマージン:約14.5%
- ROE:実績 7.66%、ROA:実績 4.9%
- 安全性・流動性
- 自己資本比率:67.7%(1Q時点参考 68.4%)
- 流動比率:約213%
- D/E(有利子負債/自己資本):約21%
- 現金等:370.6億円、総借入金:280.8億円(純現金状態)
- 補足(1Qセグメント)
- 物流:売上+1.8%、利益+11.1%
- 構内作業・機械荷役:売上+2.7%、利益+5.7%
- その他:売上+6.7%、利益+8.0%
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想:170円(2025/3期実績)→180円(2026/3期会社予想:中間90・期末90)
- 配当性向:34.6%(予想)
- 利回り:2.53%(株価7,110円)
- 自己株式:期末自己株式数 1,094,740株(2026/3期1Q)。自社株買いの方針・実績の詳細は開示記載なし(当該資料ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落率:+24.1%(ベータ 0.40:市場に対して低ボラティリティ)
- 需給・保有構造:浮動株 約1,520万株、機関投資家保有 42.2%、インサイダー等 27.9%
- 価格ドライバー(足元)
- 1Qの増収増益(営業利益率改善)
- 3PL・設備移設・電力機器関連の堅調
- 燃料・人件費動向、国際貨物需給、地政学・為替
11. 総評
- 収益性の底上げと健全な財務体質(高自己資本・純現金)が強み。工場内作業や重量物・設備移設等の専門性が差別化を支える。
- 売上の成長率は緩やかだが、マージン改善が進む。中計は3PL・グローバル強化とDX・基幹システム刷新で実行余地あり。
- バリュエーションはPERで業界平均比ディスカウント、PBRはおおむね平均。テクニカルは上昇トレンドを維持しつつも、レンジ上方圏で推移。
- 外部環境として、人手不足・コスト上昇・国際物流の不確実性がリスク。価格改定や生産性向上の継続が収益維持の鍵。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上YoY +約3.1%、3年CAGR 約+1.8%。増加は継続するが伸びは緩やか。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率約10%、EBITDAマージン約14.5%。同業平均を上回る水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約68%、流動比率約213%、D/E約21%、純現金。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PERが業界平均比で割安、PBRは平均並み、EV/EBITDAも中庸〜やや低位。
参考データ(主要数値)
– 株価:7,110円
– 時価総額:1,465.96億円
– 予想EPS:614.64円、実績BPS:6,698.99円
– 配当(予想):180円(利回り2.53%・性向34.6%)
– 52週高/安:7,810/5,110円
– 50日/200日移動平均:7,120/6,510円
– 次の権利落ち予定日:2026/3/30
– 次回決算スケジュール:会社公表に従う(直近1Qは2025/8/12公表)
企業情報
| 銘柄コード | 9068 |
| 企業名 | 丸全昭和運輸 |
| URL | http://www.maruzenshowa.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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