4310 ドリームインキュベータ(DI)企業分析レポート

最終更新: 2025-10-27

1. 企業情報

  • 概要: 大企業向けの戦略コンサルティングと新規事業創出支援(ビジネスプロデュース)を主軸に、M&Aアドバイザリー、ファンド運営、スタートアップ投資・育成(ベンチャー投資)を展開。アジア(日本・ベトナム中心)にも投資・拠点を持つ。電通グループの持分法適用会社。
  • セグメントと構成(2025.3 期の連結事業構成比/利益率):
    • ビジネスプロデュース: 売上比約88%、営業利益率19%(注: 期別・一時要因で変動)
    • ベンチャー投資: 売上比約12%、営業利益率40%
  • 従業員: 214名、平均年齢34.8歳、平均年収1,216万円
  • 本社: 東京都千代田区霞が関
  • 主な特徴: 大企業の新規事業支援に強み。SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)を含むファンド運営など「事業創造×投資」を組み合わせたモデル。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 位置づけ:
    • 戦略コンサル×事業創出(コーポレート・ベンチャービルダー的機能)×投資を併営するハイブリッド型。国内大手コンサル(アクセンチュア、デロイト等)や独立系M&A仲介(日本M&Aセンター、M&Aキャピタル等)、独立系VC(JAFCO、グローバル・ブレイン等)と一部で競合。
  • 競争優位性(論点):
    • 電通グループとの関係や大企業ネットワークを活かした「事業プロデュース」の案件獲得力
    • コンサルから投資・ハンズオン支援まで一気通貫のオファリング
  • 課題:
    • ベンチャー投資の市況感依存(IPO/M&A環境による収益振幅)
    • 人材採用・育成に伴うコスト増と稼働率管理
    • 事業・投資のハイブリッドゆえに業績の期ズレ・ボラティリティ

(注)定量的な国内シェアデータは未開示。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/戦略:
    • 大企業の新規事業創出・既存事業変革の「ビジネスプロデュース」機能を強化
    • 投資は日本・ベトナムを中心にアジアで展開、M&Aやトレードセールを通じたリターン創出
    • SIB等のファンド運営による社会課題解決型の事業推進
  • 中期計画(抜粋・会社開示より):
    • 2026年3月期 ビジネスプロデュース売上目標: 62億円
    • 以後5年間で年平均+15%成長を目指す
  • 直近実行状況(2026年3月期1Q):
    • 売上高: 21.59億円(前年比+32.8%)
    • 営業利益: 7.23億円(前年0.48億円)
    • セグメント利益はビジネスプロデュース339百万円、ベンチャー投資671百万円と、投資収益の寄与大

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:
    • コンサル/プロデュースはフィーベースで比較的安定(案件規模・継続性が鍵)
    • ベンチャー投資は売却・評価益など一時性・市況性が強く、四半期業績にブレを生じやすい
  • 適応力/レジリエンス:
    • 人員拡充とサービスライン拡張で顧客基盤を拡大
    • 高自己資本比率・潤沢な現金水準により、市況変動でも投資機会を捉えやすい一方、配当・自社株の資本政策とのバランスが論点

5. 技術革新と主力製品・サービス

  • 主力サービス:
    • 大企業向け新規事業創出・戦略コンサル、M&Aアドバイザリー
    • SIB等ファンド運営、スタートアップ投資・ハンズオン支援
  • 技術・独自性:
    • 自社での先端テク開発よりも、投資・パートナー企業のテクノロジー活用と事業化推進に強み
    • 「事業プロデュース」ノウハウ(事業仮説構築〜実装〜資本政策を一気通貫)

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提: 株価2,540円、BPS(連結)1,204.66円、LTM EPS参考値 約19.3円(会社の通期EPS予想は未開示)
  • 指標試算:
    • PBR: 2,540 / 1,204.66 ≈ 2.11倍(開示値と一致)
    • PER(参考・直近12カ月EPSベース): 2,540 / 19.3 ≈ 132倍
    • EV/S(概算): 時価総額約242億円 − 現金約116億円 ≈ EV約126億円。LTM売上約618億円 → EV/S ≈ 2.0倍
  • 業界平均との比較(参考・Asset Management平均 PER17.0倍、PBR1.8倍):
    • PBRは平均より高め、PERは参考値ベースで大幅高
  • 配当利回り(会社予想): 4.17%(年106円)
    • 会社予想EPS未開示のため配当性向は算定困難。参考としてLTM EPS対比では高水準に見える可能性あり(前期の特別配当影響に留意)。

7. テクニカル分析(足元の位置づけ)

  • 52週レンジ: 高値4,570円/安値2,132円。現値はレンジ下方寄り
  • 移動平均: 50日線2,627円、200日線2,967円。現値は両線を下回る
  • 直近10日: 2,500円台中心の持ち合い気味、出来高は3カ月平均(約4.5万株)をやや下回る局面が多い
  • 信用動向: 信用倍率0.88倍(売り残>買い残)。需給はやや売り優位の構図

8. 財務諸表分析

  • 売上推移(連結):
    • 2022/3: 355.7億円 → 2023/3: 301.3億円 → 2024/3: 53.8億円 → 過去12カ月: 約61.8億円
    • 直近は増収基調(LTMで約+15% YoY)。2026/3期1Qは+32.8%と伸長
  • 利益面:
    • 営業利益: 2024/3は赤字(-19.7億円)→ LTMで黒字(約2.6億円)
    • LTMマージン目安: 粗利率約47%、営業利益率約4%、純利益率約2〜3%
    • 2026/3期1Qは投資収益寄与で営業利益率約33%と高水準(期中の一時要因を含む)
  • 収益性指標(参考値):
    • ROE(実績開示): 1.21%(期間差により数値差あり)
    • 直近12カ月ベースの参考値: ROE約6.8%、ROA約3.8%(データ提供値)
  • 財務安全性:
    • 自己資本比率: 82.1%(実績)、1Q時点参考値 75.2%(配当支払影響)
    • 流動比率: 約720%(1Q時点)
    • 現金等: 約116億円(直近期末)、有利子負債は限定的(利息費用0の期あり)
  • キャッシュフロー:
    • 1QはCF計算書未作成。現預金は前期末から減少(主因:配当支払)

(注)年度とLTM、1Qの期間差・一時要因により指標が振れる点に留意。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:
    • 2025/3期 実績: 年間423円(うち特別配当を含む)
    • 2026/3期 会社予想: 年間106円(特別配当の記載なし)
  • 自社株:
    • 2026/3期1Q末の自己株式: 733,491株(発行済9,534,316株、約7.7%)
  • コメント:
    • 前期は特別配当を実施。今期予想は通常水準のレンジに見える一方、業績の振幅が配当方針に影響し得るため、会社開示の更新を要確認。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 年初来: 高値4,570円から調整、直近は2,500円台での推移
  • ベータ: 0.79(市場連動性は相対的に低め)
  • 保有構造: インサイダー保有49.4%、浮動株約573万株、機関投資家保有6.6%(流動性は限定的)
  • イベント:
    • 次回決算期(目安): 2025/7/31〜8/4(開示予定)
    • 権利落ち予定日(予告): 2026/3/30

11. 総評

  • ビジネスプロデュース事業の拡張と、投資ビジネスの収益化が並行して進展。1Qはトレードセール等の寄与で高収益だった一方、投資収益は市況影響を受けやすい特性がある。
  • 財務は高自己資本・高流動比率で堅健。潤沢な現金は事業投資・株主還元の柔軟性を高める。
  • バリュエーションはPBR・参考PERともに業界平均比で高めに位置。配当は会社予想で利回り4%台だが、通期EPS未開示のため配当性向の評価は慎重な確認が必要。
  • 株価はテクニカルには中長期の移動平均線を下回り、需給はやや売り優位。業績は四半期ごとに振れやすく、決算・IRのアップデートが重要な観点。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: A
    • 理由: LTM売上で前年比増、1Q売上+32.8%。中期でビジネスプロデュース年+15%成長目標。
  • 収益性: B
    • 理由: LTMの営業利益率は一桁台と平準では中庸。1Qは高いが投資収益の一時性を勘案。
  • 財務健全性: S
    • 理由: 自己資本比率75〜82%、流動比率約7倍、現金潤沢、D/E低位。
  • 株価バリュエーション: D
    • 理由: PBRが業界平均超、参考PERは平均を大きく上回る。EV/Sは約2倍程度。

参考データ
– 株価: 2,540円(本日終値)
– 時価総額: 約242億円
– BPS: 1,204.66円(連結)
– LTM EPS(参考): 約19.3円
– 配当予想: 年106円(会社予想、利回り約4.17%)
– 50日/200日移動平均: 2,627円 / 2,967円
– 主要株主: 電通グループ23%、山口フィナンシャルG22% ほか

注意事項
– 本レポートは公開情報に基づく客観的な整理であり、投資助言を目的としたものではありません。
– 一過性要因や期間の違いにより指標が変動する場合があります。最新の決算短信・有価証券報告書等をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 4310
企業名 ドリームインキュベータ
URL http://www.dreamincubator.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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