オンワードホールディングス(8016)企業分析レポート
株価:682円(2025-10-27終値)/市場区分:プライム/業種:繊維製品(総合アパレル)
1. 企業情報
- 概要:総合アパレル大手。国内外でメンズ・レディス・キッズの企画・生産・販売を展開。主力ブランドは「23区」「組曲」「J.PRESS」「JOSEPH」「KASHIYAMA」等。百貨店・ショッピングセンター・直営店に加え、ECの強化を推進。チャコット(化粧品・ダンス用品)、WEGO(ヤングカジュアル)など幅広い顧客層をカバー。
- 周辺事業:デジタルマーケティング・ITソリューション、ギフト・雑貨、ペット用品、医療ウェア、舞台・バレエ関連、ゴルフ場運営、国内外不動産の管理・賃貸など。
- セグメント:国内事業(売上構成比約9割)、海外事業(欧米・アジア)。
- 近況:2026年2月期上期(3–8月)は増収増益。WEGO完全子会社化やSNS連動プロモーションの寄与、戦略強化ブランドの拡大が牽引。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の総合アパレル大手の一角。百貨店チャネルに強みを持ちながら、SC・EC・D2Cまでポートフォリオを多様化。
- 競争優位性
- 幅広いブランド群と価格帯のポートフォリオ(中高価格帯「23区」等~ヤングのWEGOまで)。
- 百貨店での高い認知と、EC・SNS活用による集客力。
- 生産・小売・卸を組み合わせた垂直統合度の高さと、海外含むサプライチェーン運用。
- 課題
- 百貨店依存のリスク(来店動向・選択的消費の影響)。
- 海外の一部地域での需要鈍化(中国・香港の小売苦戦、欧州の卸軟調)。
- 在庫・運転資本管理の難度(LTMの営業CFが弱含み)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針
- 収益性と成長の両立を重視し、EBITDAをKPI化。
- M&Aや新規事業で顧客層拡大と収益基盤の強化。
- 重点施策
- 戦略強化ブランド(「23区」「アンフィーロ」「KASHIYAMA」等)の商品・マーケティング投資。
- WEGOの完全子会社化を活用したSNS連動プロモーション・コラボ展開。
- EC強化(自社サイト、アプリ、デジタル広告の活用)。
- 海外は選択と集中(米国は収益性重視、欧州は卸の立て直し、アジアは生産稼働率改善)。
- 通期見通し(会社計画・修正なし)
- 売上高 2,300億円(+10.4%)
- 営業利益 115億円(+13.3%)
- 当期純利益 100億円(+17.4%)
- 1株当たり利益 73.67円
- EBITDA 170億円(+10.0%)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:多ブランド×多チャネル(百貨店・直営・SC・EC・卸)。中高価格帯ブランドの安定収益に加え、ヤングやコスメ等で裾野を拡大。
- 強靭性の源泉:ブランド資産・顧客基盤・オムニチャネル運用・M&A活用。
- 変化対応:デジタル広告・SNS・自社ECの活用度を高め、集客の最適化を推進。生産面では稼働率改善とコスト最適化。
- 留意点:需要の季節性・トレンド変動、在庫コントロール、海外地政学・為替の影響度。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:デジタルマーケティング、データ活用による販促効率化、D2Cスーツ「KASHIYAMA」のデジタル受注、チャコットの機能性・専門性。
- 主力ブランド/収益源
- 国内:「23区」「組曲」「アンフィーロ」「KASHIYAMA」、チャコット(化粧品・ダンス)、WEGO(ヤング)。
- 海外:「JOSEPH」(欧州)、「J.PRESS」(北米)。
- 直近の牽引:戦略強化ブランドの伸長、WEGOの寄与、チャコットの化粧品好調。
6. 株価の評価(バリュエーションの比較)
- 現在株価:682円
- 予想EPS:73.61円 → 予想PER:約9.27倍(業界平均 21.7倍)
- 実績BPS:614.92円 → PBR:約1.11倍(業界平均 1.0倍)
- 配当利回り(会社予想):約4.4%(年間30円)
- 所見:PERは業界平均比で低位、PBRはほぼ平均並み〜やや上。収益成長(+20%前後)を勘案すると、相対的に割安感が示唆される一方、資本効率・成長の持続性が評価の焦点。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日移動平均 667円、200日移動平均 598円。株価は両移動平均を上回り、上昇トレンドを維持。
- 位置:年初来高値 728円に対し現値 682円(約6%下)。レンジ上半分の水準。
- 出来高:直近10日平均約58万株、3カ月平均約84万株に対しやや低め。上値追いの持続性は出来高の増加が鍵。
- 信用動向:信用倍率 8.62倍、買い残は前週比減。ロング優位だが、需給の偏りは短期変動要因。
8. 財務諸表分析(過去推移とLTM)
- 売上高(百万円)
- 2022/2: 168,453 → 2023/2: 176,072 → 2024/2: 189,629 → 2025/2: 208,393 → LTM: 225,927
- 3年CAGR:約+10%前後、LTM YoYも二桁成長。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約54.6%(123,374/225,927)
- 営業利益率:約4.7%(10,638/225,927)
- 当期純利益率:約4.1%(9,230/225,927)
- EBITDAマージン:約8.0%(18,060/225,927)
- 効率・資本性
- ROE(実績):約10–11%(開示値 10.38%)
- 自己資本比率:47.0%
- D/E(総負債ベース):約56%(有利子負債 466億円、現金103億円、ネットデット約363億円)
- 流動比率:約1.28倍
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:+8.21億円(在庫・売上債権増で伸び悩み)
- レバードFCF:▲69.9億円
- コメント:増収基調とともに利益率は改善。半面、運転資本の積み上がりでCFは弱含み。H1では営業CFは黒字(+39.8億円)だが季節性・在庫動向の管理が重要。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間30円(中間14円・期末16円、予想変更なし)
- 配当利回り:約4.4%(現株価ベース)
- 配当性向:約59%(開示値)
- 自己株式:保有比率約13.9%(2,191万株)。自己株買いの新規実施は開示なし(期中保有は高水準)。
- 方針:安定配当を維持しつつ、収益成長とバランスを図る姿勢。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週:+30.2%、ボラティリティはβ0.28と低位。
- 直近10日:640円台から680円台へ緩やかに上昇。年初来高値までの戻り余地は限定的ながら、トレンドは上向き。
- 需給:信用買い優位(倍率8.6倍)だが、買い残は減少傾向。機関保有比率約21%、インサイダー約17%。
11. 総評
- マクロ環境下でも、戦略強化ブランド・M&A(WEGO)・デジタル施策が奏功し、増収・利益率改善を継続。国内比率が高く、百貨店依存の課題はあるものの、ブランドポートフォリオの広さとEC・SNSの実装力が強み。
- 収益は改善している一方、運転資本負担でLTMのフリーCFは弱い。海外は地域差が大きく、欧州卸・中国/香港小売の回復が次の論点。
- バリュエーションはPERで業界平均比低位。配当利回りも相対的に高め。利益成長の持続性とCF改善の進捗が評価のカギ。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +20%前後、3年CAGR約+10%。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率は高水準、営業利益率は約4–5%、EBITDAマージン約8%と中位。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率47%、D/E約0.56、流動比率1.28。総じて健全域。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER約9.3倍と業界平均比で低位、PBRはほぼ平均並み。
(注記)本資料は提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。開示数値に不整合がある場合は決算短信・有価証券報告書等の原資料をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 8016 |
| 企業名 | オンワードホールディングス |
| URL | http://www.onward-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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