FIG(4392)企業分析レポート
株価: 312円(2025-10-24終値)
市場区分: 東証プライム/情報・通信業
時価総額: 約98.6億円
発行済株式数: 31,593,115株
代表者: 村井 雄司
本社: 大分市東大道2-5-60
従業員数: 713人
1. 企業情報
- 概要と事業内容
- IoTとマシーン(製造装置・ロボティクス)の2本柱。
- IoT: iMESH(全国接続型IP無線)、タクシー配車「新乗令 for Cloud」、バスロケ「Moba Station」、ホテル向け客室マルチメディア・清掃管理・混雑情報、決済端末・決済サービス、コール録音(FlexLog)、音声文字起こし(FlexVNote)、着信ポップアップ(Response Power)等。AMR(自律走行ロボ)「WILL」も展開。
- ドローン: 農薬散布、解析、講習。
- マシーン: 半導体後工程関連装置、精密金型、自動車部品組立向け自動化・検査装置、搬送ロボット等を設計製造販売。
- 2018年にモバイルクリエイトと石井工作研究所が経営統合し現体制へ。
- 連結事業構成(2024.12期目安)
- IoT 約70%(セグメント利益率目安13%)
- マシーン 約30%(同9%)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内のモビリティ(タクシー・バス・物流)向け無線・運行管理の実績が厚く、既存ユーザー基盤を活かしたサブスクリプションや決済等の周辺サービス展開が特徴。
- マシーンは半導体・自動車の設備投資サイクルの影響を受けやすい一方、搬送ロボ・自動化領域での中長期需要取り込みを志向。
- 競争優位性
- モビリティ領域での導入実績と業務理解、クラウド+ハードの一体運用、地域密着のサポート体制。
- グループ内でIoTと装置・ロボの組合せ提案が可能。
- 課題
- マシーンの変動性(案件時期・設備投資動向)と採算安定化。
- 新領域(AMR、AI活用)の収益規模化に時間軸が必要。
- 一部子会社業績のブレ(過去に不採算子会社の売却実施)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針
- 中期(2022~2025)で「利益重視」へ軸足を移し、コア子会社(モバイルクリエイト、REALIZE、ケイティーエス)の収益力回復・強化を推進。
- 重点施策
- IoT: IP無線の更新需要の取り込み、モビリティSaaSの拡販、決済サービスのクロスセル、AI導入による運用効率化。
- マシーン: 搬送ロボット・自動化分野への選択投資、先端半導体工程向けの開発強化、採算管理の徹底。
- ポートフォリオ見直し: 不採算事業の整理(2025年中間期に子会社1社売却)。
- 進捗
- 2025年上期はIoT牽引で営業利益・経常利益が増益。マシーンは回復途中。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- IoTでのサブスクリプション(配車クラウド、決済、保守等)と、ハード(端末・無線)販売の組合せ。更新需要が継続的キャッシュ創出に寄与。
- マシーンはプロジェクト型・設備投資サイクルに連動。中長期で自動化・搬送需要に期待。
- 適応力
- 既存顧客基盤を軸に、AI・決済・ロボティクスなど付加価値サービスを重ねる戦略は環境変化に対して相対的に適応的。
- 収益の安定性は、サブスク比率の上昇が鍵。装置事業の変動リスクは残存。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 全国カバレッジを意識したIP無線(iMESH)とモビリティSaaSの統合運用、現場業務起点のUI/UX。
- AMR「WILL」や搬送ロボ、半導体後工程の精密自動化技術を保有。
- 収益牽引
- 直近はIoT(特にモバイルクリエイト)の更新需要とサブスクが牽引。
- マシーンは先端半導体・自動化の案件獲得が今後の収益寄与ポイント。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 312円
- EPS(会社予想・連結): 18.23円 → 予想PER ≒ 17.1倍
- BPS(実績・連結): 272.27円 → PBR ≒ 1.15倍
- 参考比:
- 業界平均PER: 23.2倍 → 同社はディスカウント水準
- 業界平均PBR: 2.3倍 → 同社はディスカウント水準
- EV/Sales(LTMベースの概算)
- EV ≒ 時価総額98.6億 + 有利子負債39.3億 − 現金19.9億 = 約117.9億円
- 売上高(LTM)127.6億円 → EV/S ≒ 0.92倍
- 補足
- LTM純損失は一過性損失の影響が大きい(特損計上等)。予想ベースでは黒字を見込む前提。
7. テクニカル分析
- 直近推移(10営業日)
- 終値は303〜316円レンジで推移後、312円。短期は方向感に乏しいが、底堅さは維持。
- 移動平均
- 50日MA ≒ 310.9円、200日MA ≒ 281.4円。現値は50日MA付近、200日MA上で中期的には上向き基調。
- 52週レンジ
- 高値343円、安値210円。現値は高値比約9%下、安値比では約+49%上。レンジ上半分に位置。
- 出来高
- 直近出来高は3カ月平均(約27.5万株)を下回る日が多く、勢いはやや鈍化。
- 信用動向
- 信用倍率11.8倍(買い長)。上値追い時の需給変動に注意。
8. 財務諸表分析
- 売上高(百万円)
- 2021: 12,264 → 2022: 12,914 → 2023: 13,534 → 2024: 12,016 → LTM: 12,762
- 2024で一服後、LTMと2025上期は再成長(上期+12.7%)。
- 収益性
- 粗利率: LTM約30.0%(2025上期30.5%)
- 営業利益: LTM 485百万円(営業利益率約3.8〜4.3%)、2025上期は392百万円(5.9%)と改善傾向。
- 純利益: LTMは-1,377百万円(特損等の影響)。Normalized EBITDA LTM約106.8億円? → 注: 単位換算に注意。提供データではNormalized EBITDA 1,068百万円(約10.7億円)。
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF: +2,190百万円、フリーCF: +1,580百万円(キャッシュ創出は良好)。
- 安全性
- 自己資本比率: 実績50.6%(2025/6末 54.7%)
- 流動比率: 約235%
- 有利子負債: 39.3億円、ネット有利子負債は約19.4億円
- Net Debt/EBITDA(概算・Normalizedベース): 約1.8〜1.9倍
- ROE/ROA
- ROE(実績LTM): 約-15〜-16%(特損影響)
- ROA(LTM): 約1.9%
- セグメント(2025上期)
- 売上: IoT 4,516百万円(+10.4%)、マシーン 2,092百万円(+22.3%)
- セグ利益: IoT 732、マシーン 190(全社費用後の連結営業利益392)
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想
- 2024年: 期末5円
- 2025年: 会社資料(2025/8/8短信)では年間5円予想(中間0、期末5)
- 一方、市場データでは年間10円・利回り3.21%の表示あり。最新の会社開示との整合は要確認。
- 現在利回り(312円)
- 年5円前提: 約1.60%
- 年10円前提: 約3.21%
- 配当性向(予想EPS18.23円基準)
- 年5円: 約27%
- 年10円: 約55%
- 自社株買い
- 直近期での新規実施は不明(自己株保有3.86%)。追加施策は開示確認が必要。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率: +2.97%(S&P500 +16.63%に対し相対劣後)。50日線上、200日線上で中期は改善。
- 投資家構成
- インサイダー保有: 31.54%、機関保有: 3.31%、フリーフロート: 約1,256万株(流通比率低め)。
- 需給
- 信用買い残が売り残を大きく上回り(倍率11.8倍)、イベント時のボラティリティに留意。
- 関心材料
- IoTの更新・サブスク拡大、AMR/搬送ロボの案件進捗、半導体・自動車向け設備投資サイクル、配当方針の最新化。
11. 総評
- IoTを中心に既存顧客基盤とサブスクリプションを伸ばしつつ、マシーンで自動化・搬送ロボ等の成長分野に注力する戦略。2025年上期はIoTが利益を牽引し、収益性が改善。
- LTMの純損失は一過性損失の影響が大きく、営業段階やNormalized EBITDAではプラス。キャッシュ創出力(営業CF/フリーCF)は改善しており、財務健全性も良好。
- バリュエーションは業界平均に対してPER・PBRともディスカウント、EV/Sも1倍弱。装置側の変動性や需給(信用買い長)に起因する短期ブレは残るが、業績予想が計画通り進捗すれば指標面の割高感は限定的と評価可能。
- 配当予想は情報が錯綜(5円 vs 10円)しており、最新の会社発表の確認が必要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- LTM売上YoY +約6%、2025年上期+12.7%、通期予想も+13〜21%レンジ。
- 収益性: C
- 粗利率約30%、営業利益率はLTMで3〜4%台(上期5.9%に改善中)。業界平均比では控えめ。
- 財務健全性: A
- 自己資本比率50%超、流動比率235%、Net Debt/EBITDA約1.8〜1.9倍で健全。
- 株価バリュエーション: A
- 予想PER17.1倍、PBR1.15倍、EV/S約0.92倍(業界平均PER・PBRを下回る水準)。
参考データ
– 直近イベント: 2025/8/8 中間決算短信公表済
– 次回配当権利落ち予定: 2025/12/29(市場データ)
– 52週レンジ: 210〜343円、β: 0.11(低ボラティリティ)
注記
– 本資料は提供データに基づく企業分析であり、投資助言ではありません。
– 一過性損益は評価から可能な範囲で除外しています。
– 配当予想など、相反する情報がある項目は会社開示の最新情報確認を推奨します。
企業情報
| 銘柄コード | 4392 |
| 企業名 | FIG |
| URL | https://www.figinc.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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