アサンテ(6073)企業分析レポート
株価: 1,652円(2025-10-27)/市場区分: プライム/33業種: サービス業
1. 企業情報
- 概要: 住宅向けシロアリ防除を中核に、湿気対策、耐震補強、高断熱施工、太陽光、住宅リフォーム等を提供するハウスアメニティ事業の専業(単一セグメント)。JA(農協)との提携により東北・関東~関西に営業網を展開し、戸建住宅の維持管理需要を取り込む。
- 特徴: 住宅用シロアリ防除のトッププレイヤー。季節性が強く、4~7月(特に5月)に売上が集中。
- 従業員: 983名、平均年齢42.1歳、平均年収571万円
- 本社: 東京都新宿区新宿1-33-15
- 代表者: 宮内 征
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 住宅向けシロアリ防除で国内トップクラス。全国では地域密着の中小事業者が多く、同社はJA提携・ブランド力・組織営業力で相対的な優位性を持つ。
- 競争優位性:
- JAネットワークによる顧客接点と紹介力
- 定期点検・再施工(更新)を軸にしたリカーリングモデル
- 付帯領域(湿気対策・耐震・断熱・リフォーム)へのクロスセル
- 課題:
- 需要の季節性と天候・気温に左右される短期変動
- 人材確保・育成コスト、広告宣伝費の増加
- 市場は分散しており、価格競争や地域競合との差別化継続が必要
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(短信より要旨):
- 住宅ストックの長寿命化方針を追い風に、白蟻防除を起点とした住宅メンテナンス需要を獲得
- 営業基盤強化・広告宣伝の強化・生産性向上・デジタル活用・人的資本投資を推進
- 具体施策:
- 2025年4月に四本部制へ移行(組織再編)
- TV/折込/WEB/SNS等の広告強化、PR拡大
- デジタル活用による営業効率化・顧客管理高度化
- 2026年3月期会社計画(維持):
- 売上高 149億円(前期比+6.2%)
- 営業利益 13.2億円(+7.6%)
- 経常利益 13.1億円(+12.8%)
- 当期純利益 8.2億円(+19.2%)、EPS 84円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 白蟻防除(初回施工)→定期点検・再施工(更新)による繰り返し需要 + 付帯工事のクロスセルでARPUを拡大。
- 需要ドライバー:
- 既存住宅ストックの維持管理ニーズ、政府の長寿命化政策
- 気象条件(気温・降雨)や消費者マインドの影響
- リスク・適応力:
- 天候・季節性の短期影響は分散的な営業網と広告強化で平準化に取り組み
- 人件費・販促費の増加に対し、生産性向上とデジタル化で吸収を図る
5. 技術革新と主力製品
- 主力サービス: シロアリ防除、床下湿気・腐朽対策、耐震補強、高断熱施工、住宅リフォーム(屋根・外壁・水回り等)、害虫・害獣・鳥類対策。
- 独自性・開発動向:
- サービス・施工オペレーションの標準化と品質管理
- 顧客データ活用による提案最適化・更新獲得の効率化(デジタル活用)
- 収益牽引領域: 白蟻防除を起点とした関連工事の拡大(クロスセル)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現状指標:
- PER(予想・連結): 19.67倍
- PBR(実績・連結): 1.65倍
- 配当利回り(会社予想): 3.75%(配当62円)
- EPS(会社予想): 84.00円、BPS(実績): 1,001.66円
- 業界平均との比較(参考):
- 業界平均PER 17.0倍 → 同社はプレミアム(19.67倍)
- 業界平均PBR 1.8倍 → 同社はやや低位(1.65倍)
- 指標ベースの目安価格試算(単純比較):
- PER法(業界平均17倍×EPS 84円): 約1,428円
- PBR法(業界平均1.8倍×BPS 1,001.66円): 約1,803円
- 現在株価1,652円は、PER基準では上振れ、PBR基準では下振れのレンジ内
(注)上記は単純比較であり、成長率・リスク・資本政策等の違いは未調整。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ: 高値1,728円/安値1,463円(現値は高値の約96%)
- 移動平均: 50日MA 1,663.9円、200日MA 1,636.8円
- 現在値は50日線をわずかに下回り、200日線は上回る小幅レンジ推移
- 直近の値動き(10日): 1,617円 → 1,652円へ緩やかに上昇。出来高は3カ月平均(約25.7千株)を下回る低水準でモメンタムは限定的
8. 財務諸表分析(連結)
- 売上高:
- 2022/3: 13,700百万円
- 2023/3: 14,141百万円
- 2024/3: 13,693百万円
- 2025/3・LTM: 14,024百万円(前年比+2.4%、3年CAGR約+0.8%)
- 収益性(LTMベース):
- 売上総利益: 9,705百万円(粗利率約69.2%)
- 営業利益: 1,226百万円(営業利益率約8.7%)
- 当期純利益: 688百万円(純利益率約4.9%)
- 2026年3月期1Q(前年比):
- 売上高 -1.1%、営業利益 -37.5%、純利益 -33.7%
- 粗利率 -1.6pt、広告宣伝費増等で利益圧迫(季節性あり)
- 効率性・資本性:
- ROE(実績・会社開示): 6.4%
- 自己資本比率: 67.8%(1Q時点 65.6%)
- 流動比率: 3.80、D/E比率: 約24.6%
- キャッシュ・負債:
- 現金等 7,164百万円、総借入金 2,410百万円 → ネットキャッシュ基調
- トレンド総括: 2024/3に減益、2025/3で回復。1Qは販促強化で利益率が一時的に低下。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間62円(中間31円・期末31円)を継続予定
- 予想利回り: 約3.75%(株価1,652円)
- 実績配当性向(直近12カ月): 約105%
- 会社予想ベースの配当性向(今期): 約74%(62円/予想EPS84円)
- 自社株関連:
- 自己株式比率 20.94%(2,586,076株)と高水準。株主還元・資本政策の柔軟性の一要素
- 足元での新たな自己株買いの開示は確認情報なし
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 1,600円台前半から中盤にかけての小幅上昇。50日線にやや下回り、明確なブレイクは未確認。
- 需給:
- 信用倍率 0.62倍(売り超過)。短期的な逆張り需給の可能性はあるが、出来高は低め。
- 浮動株は自己株・インサイダー保有を除くと相対的に小さく、イベント時のボラティリティに留意。
- 予定イベント: 次回の配当権利落ち(2026-03-30)。通期業績の進捗開示(中間・3Q)に注目。
11. 総評
- 白蟻防除のトップ企業として、既存住宅の維持管理需要とJAネットワークを背景に安定した収益基盤を有する。粗利率は高水準で、自己資本比率も高く財務は健全。一方、短期的には天候・季節性や広告強化による費用増で利益が変動しやすい。
- バリュエーションはPERで業界平均に対してプレミアム、PBRでは同程度~やや低位。配当利回りは同社の過去平均並み。足元は50日移動平均線近辺の持ち合いで、出来高も低調。
- 通期計画は増収増益を見込むが、進捗は季節性の影響が大きい。広告・人材・デジタル投資の効果が更新率・クロスセルの改善につながるかが焦点。
(注)本資料は提供情報の整理・分析であり、投資判断を勧誘・助言するものではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- LTM売上+2.4%、3年CAGR約+0.8%、1Qは-1.1%と横ばい圏
- 収益性: B
- 粗利率約69%、営業利益率約8.7%と安定。業界平均比の厳密比較データ欠如のため中立評価
- 財務健全性: A
- 自己資本比率約68%、流動比率3.8倍、ネットキャッシュの健全構造
- 株価バリュエーション: B
- PERは業界平均超、PBRは平均並み~やや低位、総合して概ね平均圏
企業情報
| 銘柄コード | 6073 |
| 企業名 | アサンテ |
| URL | http://www.asante.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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