1. 企業情報

株式会社ジィ・シィ企画は、キャッシュレス決済システムの開発、導入、保守、運用、そして決済ASP(Application Service Provider)サービスを提供するIT企業です。特に小売業界を中心に、顧客のニーズに合わせたカスタマイズ開発に強みを持っています。主な事業内容は「ペイメントインテグレーション」と「ペイメントサービス」の二つに分かれており、決済端末の販売や決済代行、コールセンター業務なども行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

ジィ・シィ企画は、キャッシュレス決済市場において、システム開発から運用まで一貫して提供するソリューションベンダーとしてのポジションを確立しています。日本のキャッシュレス決済比率は年々上昇しており、DX推進や既存システム刷新のニーズも継続しているため、市場全体は拡大傾向にあります。同社は、決済サービス大手のトランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)との資本業務提携を強化しており、これにより決済領域での提案力向上を図る戦略が見られます。しかし、決算短信には具体的な市場シェアや競合他社との相対的な比較に関する記載はありません。競合は多く存在すると推測されますが、カスタマイズ力や一貫したサービス提供が競争優位性であると考えられます。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、キャッシュレス決済市場の拡大を捉え、ストックビジネスである「ペイメントサービス事業」の比率向上とマーケット拡大を目指しています。特に「サクラ」と称するリース・サブスクリプション型での決済端末提供を促進し、安定的な収益基盤の確立を図っています。また、営業アライアンスの強化を通じて、顧客基盤の拡大と提案力の向上を重視しています。2025年6月期は、自社利用ソフトウェア開発への投資や研究開発費の増加、端末のサブスク化に伴う会計処理変更(リース投資資産計上)などにより営業損失を計上しましたが、これを将来の成長に向けた投資拡大期と位置付けています。中期経営計画の詳細は2025年9月に開示予定とされています。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、ペイメントインテグレーション(システムの設計・開発、端末販売などのフロービジネス)とペイメントサービス(ASP、保守運用、端末サブスクなどのストックビジネス)の組み合わせです。国内のキャッシュレス化推進という強い市場ニーズに支えられており、DXの進展もビジネスチャンスとなっています。特に、ASPサービスやサブスクリプションモデルによるストックビジネスは、顧客との継続的な関係を築き、安定的な収益確保に貢献するため、事業モデルの持続可能性を高める要素となります。ただし、フロービジネスは大型案件の影響を受けやすく、ストックビジネスも顧客構成の変化や競争激化によって利益率が低下するリスクがあります。直近ではストックビジネスの利益率低下が見られる点が課題です。

5. 技術革新と主力製品

同社は、包括的なキャッシュレス決済システム「カードクループラス」や、決済ASP・運用サービスなどを主力製品として提供しています。「カスタマイズ力に強み」とあるように、顧客の多様なニーズに対応できる技術力を持っていることが特徴です。2025年6月期には、継続的な技術開発を示す研究開発費の増加や、自社利用ソフトウェア開発による無形資産の増加が見られます。これは、今後のサービス競争力強化に向けた投資と解釈できます。

6. 株価の評価

現在株価は648.0円です。
会社予想EPSは21.54円、PERは29.99倍です。来期(2026年6月期)の一株当たり当期純利益予想21.72円を元にした予想PERも約29.8倍となり、現在の株価は来期黒字転換を織り込んでいると見られます。
実績PBRは6.01倍、実績BPSは107.51円です。
業界平均PER66.2倍と比較すると、同社の予想PER29.99倍は割安に見えます。しかし、LTM(過去12ヶ月)のEPSは-40.75円(または-58.41円)と赤字であり、PBR6.01倍は業界平均PBR3.5倍を上回っています。来期予想に基づく評価では割安感があるものの、直近の財務実績が赤字であることや、PBRが業界平均より高い点を考慮すると、複数の側面から評価が必要です。

7. テクニカル分析

現在の株価648.0円は、年初来高値1,325円、年初来安値475円のレンジの中央やや下方に位置しています。
50日移動平均線が636.10円、200日移動平均線が588.09円であり、現在の株価は短期・長期移動平均線を上回っています。直近10日間の株価推移を見ると、611円から662円の範囲で変動しており、比較的横ばいからやや上昇傾向です。特に10月16日には20万株を超える出来高を伴って急騰していますが、その後はやや落ち着いた推移となっています。

8. 財務諸表分析

売上高:
過去数年を見ると、2021年6月期の約2,078百万円から2023年6月期には約1,549百万円に減少しましたが、2024年6月期には約1,740百万円と回復傾向に転じ、2025年6月期は1,844百万円(前期比+6.0%)となりました。2026年6月期にはさらに約2,403百万円(前期比+30.3%)への大幅な増加が見込まれています。
利益:
営業利益は、2021年6月期には199百万円の黒字でしたが、2022年6月期以降は赤字が続き、特に2023年6月期に-273百万円と大幅な損失を計上しました。2024年6月期は58百万円と一旦黒字回復しましたが、2025年6月期には商品評価損の計上や研究開発費の増加、訴訟関連費用などにより△80百万円の営業損失、△146百万円の当期純損失となりました。2026年6月期は、売上回復と固定費削減により黒字転換(営業利益92百万円、純利益54百万円)を見込んでいます。
キャッシュフロー (2025年6月期):
営業活動によるキャッシュフローは△229百万円とマイナスです。これは主に税引前損失、および売上債権の増加やリース投資資産(決済端末貸与)の増加に伴う資金流出が原因とされています。投資活動によるキャッシュフローは△234百万円とマイナスで、主に自社利用ソフトウェア開発(無形固定資産取得)によるものです。財務活動によるキャッシュフローは+506百万円と大幅なプラスで、長期借入金による資金調達が主因です。結果として期末の現金および現金同等物は742百万円(前期比+42百万円)となりましたが、有利子負債が増加しています。
経営指標:
ROE(実績)は-42.63%と、純損失を計上したことで大幅なマイナスとなっています。
自己資本比率(実績)は13.5%(前年23.5%)と低下しており、財務健全性は低水準です。
流動比率(直近四半期)は1.43倍(143%)であり、短期的な支払い能力は確保されています。
Total Debt/Equity(D/Eレシオ)は546.30%と高く、借入金が自己資本に対して非常に大きい状態です。

9. 株主還元と配当方針

同社は、2024年6月期、2025年6月期ともに期中配当は実施していません(0.00円)。また、2026年6月期の配当予想も無配(0.00円)です。現状、成長のための内部留保を優先する方針であり、積極的な株主還元策としての配当や自社株買いは実施されていません。(自己株口の割合も0.03%と非常に小さい値です。)

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は、611円から662円の範囲で推移し、出来高は数千株から数万株と日によって変動が見られます。10月16日に出来高を伴って株価が急上昇したことから、一時的に投資家の関心が高まった可能性がありますが、その後の出来高は減少傾向にあります。
信用買残は112,000株、信用売残は0株であるため、信用倍率は0.00倍となっています。信用売残がない状態は、株価下落へのヘッジが少ない状況を示します。しかし、これは単に信用売りの対象としてあまり注目されていない可能性も示唆します。平均出来高(3ヶ月平均44.24千株、10日平均31.44千株)と比較すると、足元の信用買残は流通株式数(Float 794.4k株)の約14%程度であり、今後決済期限が到来した場合の需給変動要因となる可能性があります。

11. 総評

ジィ・シィ企画は、拡大するキャッシュレス決済市場を主要な事業領域とし、システム開発から運用まで一貫したサービスとカスタマイズ力を強みとしています。安定収益源となるストックビジネスへのシフトを推進しており、将来の成長に向けた事業モデルの変革に取り組んでいます。
しかし、2025年6月期は先行投資や一時的な要因により営業損失・純損失を計上し、自己資本比率の低下や有利子負債の増加など、財務健全性には課題が見られます。来期(2026年6月期)は、大型案件の受注見込みとコスト削減により黒字転換を予想しており、これが実現すれば株価評価の改善につながる可能性があります。
株価は年初来安値からは回復しているものの、年初来高値からは大きく下落しており、来期予想PERでは割安感がある一方で、実績PBRは業界平均より高くなっています。また、現時点では配当などの株主還元は実施されていません。今後の投資家関心は、次期に計画されている黒字転換の達成状況、中期経営計画の具体性、そして財務状況の改善動向に集まるものと見られます。

12. 企業スコア

  • 成長性: B
    • 2025年6月期の売上成長率は前期比+6.0%でした。2026年6月期には+30.3%という高い成長を見込んでいますが、直近の実績では中程度の成長です。
  • 収益性: D
    • 2025年6月期は営業利益、経常利益、当期純利益いずれも損失を計上しており、収益性は低いと評価されます。
  • 財務健全性: D
    • 自己資本比率13.5%、Total Debt/Equity546.30%と、自己資本比率が低く有利子負債が大きいなど、財務健全性は非常に弱い状態です。
  • 株価バリュエーション: C
    • 2026年6月期予想EPSに基づくPERは業界平均より低いものの、実績PBRは業界平均を上回っています。直近が赤字である点を考慮すると、評価は分かれる可能性があります。

企業情報

銘柄コード 4073
企業名 ジィ・シィ企画
URL https://www.gck.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。