オリエンタルランド(4661)企業分析レポート
株価:3,515円(2025-10-28終値)
市場:プライム/サービス業(情報通信・サービスその他)
1. 企業情報
- 概要
- 東京ディズニーランド/東京ディズニーシーを中核とするテーマパーク事業、直営ディズニーホテル群を運営するホテル事業、商業施設「イクスピアリ」や「ディズニーリゾートライン(モノレール)」等の関連事業を展開。
- 事業構成(2025/3期 連結):テーマパーク81%、ホテル16%、その他2%(括弧内は営業利益構成比の目安)。
- 主要拠点:千葉県浦安市舞浜。1960年設立。
- 主な運営施設
- テーマパーク:東京ディズニーランド/東京ディズニーシー
- ホテル:東京ディズニーランドホテル、ディズニーアンバサダーホテル、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ、東京ディズニーセレブレーションホテル、東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル、東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル
- 商業・交通:イクスピアリ、ディズニーリゾートライン
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 日本のテーマパーク市場における売上・集客ともに最大級。世界的にも入園者数は上位水準。
- ディズニーIPのライセンスに基づくブランド力と独自運営ノウハウ、パーク一体のホテル・商業・交通まで含む“リゾート一体運営”が強み。
- 競争環境と課題
- 主な競合:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)等。大規模IP×投資の魅力度競争は継続。
- 課題:供給(収容)能力の制約、天候・イベント・為替・インバウンドに左右される需要、賃金・電力等コスト上昇、設備更新・新エリア開発に伴う減価償却負担の増加。
3. 経営戦略と重点分野
- 方向性
- 一体型リゾートの体験価値最大化(新エリア・ショー刷新・運営品質向上)
- 価格戦略(可変価格・日付指定等)と混雑コントロールでゲスト満足と単価を両立
- ホテルの客室供給拡大と高付加価値化(直営ホテル群のポートフォリオ最適化)
- 関連事業の安定運営(商業、モノレール)によるリゾート滞在時間の延伸
- 2026/3期会社計画(短信)
- 売上高:693,352(前期比+2.1%)
- 営業利益:160,000(同-7.0%)、純利益:113,375(同-8.7%)
- 減価償却やコスト上昇を織り込み、増収ながら減益見通し。新投資後の“利益平準化”局面を想定。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 入園料・物販・飲食の多層的収益+ホテル(ADR・稼働)+関連事業の組合せ。価格改定・単価向上施策の余地あり。
- 持続性の評価ポイント
- 強固なブランド/IPと継続的投資による集客力維持が前提。供給制約は価格・予約制で緩和可能。
- 原価・販管費の上昇(人件費・電力)、新エリアの償却負担は中期的に利益率の変動要因。
- ライセンス先(ディズニー)への依存、天候・災害・感染症など外生ショックへの感応度は構造的リスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営
- パーク運営のデジタル化(アプリ、電子チケット、時間指定運用、入園・鑑賞の効率化等)を進展。
- 新エリア・新アトラクション・ショー刷新への継続投資により、再訪需要と単価を押し上げ。
- 収益牽引
- テーマパーク事業が利益の約75%(2026/3期1Qセグメント利益ベース)。
- ホテル事業も高収益化し、営業利益への寄与度約24%まで拡大(同上)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:3,515円
- 予想EPS:69.17円 → 予想PER:約50.8倍(会社公表値と一致)
- 実績BPS:610.24円 → PBR:約5.76倍
- EV/売上高(概算)
- 時価総額:約6.33兆円、純有利子負債(Debt 0.27兆 − Cash 0.43兆)≈▲0.16兆
- EV ≈ 6.33 + 0.27 − 0.43 ≈ 6.17兆円
- LTM売上高:約0.695兆円 → EV/S ≈ 8.9倍
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:17.0倍、平均PBR:1.8倍 → 相対的に高バリュエーション水準。
7. テクニカル分析
- 位置づけ
- 52週レンジ:2,755〜3,919円。現在はレンジ上中段(約65%位置)。
- 移動平均:50日線 3,572円をやや下回り、200日線 3,284円は上回る。中期は上向き、短期はもみ合い。
- 直近の値動き
- 直近10日で3,600円近辺から3,500円前後へ小幅調整。出来高は本日3.16百万株(10日平均2.34百万株を上回る)。
- 年初来高値3,725円に届かず推移し、短期は保ち合いムード。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益)
- 売上高:275,728(2022/3)→ 483,123(2023/3)→ 618,493(2024/3)→ 679,374(2025/3, LTM)と回復・成長。LTM YoY +9.8%。
- 営業利益:7,733 → 111,200 → 165,438 → 172,111。利益水準も高位に定着。
- 収益性(LTMベース目安)
- 粗利率:約40.2%(273,193/679,374)
- 営業利益率:約25.3%(172,111/679,374)
- EBITDAマージン:約35.3%(240,064/679,374)
- 当期純利益率:約18.3%(124,160/679,374)
- ROE:12.89%
- 安全性・流動性
- 自己資本比率:67.9%(短信1Q時点70.9%)
- 流動比率:273%(1Q)
- 有利子負債/資本(D/E換算):約26.6%(1Q)
- 現預金:4,287億円、総資産:1兆4,104億円(1Q)
- 設備・費用
- 減価償却費は増加傾向(新エリア投資反映)。2026/3期1Q:165億円(前年同期134億円)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間配当予想:14円(利回り約0.40%)
- 配当性向(目安):18.5%
- 5年平均利回り:0.24%(現状は平均より高いが、絶対水準は低位)
- 自社株関連
- 自己株式保有:8.93%(過去の自社株取得の成果とみられる)
- 今期の具体的な新規還元施策(増配・追加買付等)の開示は短信時点で特記なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日線をわずかに下回り短期は調整基調、200日線は上回り中期トレンドは堅調。
- 信用動向
- 信用買残:2,152千株(前週比+125.8千株)、信用売残:1,613千株(前週比-95.7千株)、信用倍率1.33倍。やや買い長方向への変化。
- 需給・イベント
- 直近決算発表予定:2025-10-30。イベント前のポジション調整の可能性。
- EX-Dividend:2026-03-30予定。
11. 総評
- ブランド/IPと一体型リゾート運営による強固な収益基盤、価格戦略とホテル高付加価値化で売上・利益は高水準を維持。LTMで増収・増益、収益性指標も高い。
- 一方、投資負担増・償却増、コスト上昇により会社計画は“増収減益”。利益率の短期的な調整局面を想定。
- 財務は流動性・自己資本ともに厚く、安全性は高い。
- バリュエーションはPER/PBR/EV/Sともに業界平均比で高水準。プレミアム評価の継続が前提となる。
- テクニカルは中期上向きの中で短期はもみ合い。直近イベント(決算)による変動に留意。
(本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資助言ではありません。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +9.8%、3年CAGR高水準(パンデミック後の回復を含む)。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率約25%、EBITDAマージン約35%、粗利率約40%と高位。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約68〜71%、流動比率273%、D/E約27%で健全。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:予想PER約51倍、PBR約5.8倍、EV/S約8.9倍と相対的に割高水準(業界平均PER17倍、PBR1.8倍)。
参考データ(抜粋)
– 2026/3期1Q:売上+10.3%、営業利益+16.3%、純利益+12.4%(前年比)
– LTM:売上 6,793.7億円、営業利益 1,721.1億円、純利益 1,241.6億円
– 株価指標:PER 50.82倍、PBR 5.76倍、配当利回り 0.40%、ROE 12.89%
企業情報
| 銘柄コード | 4661 |
| 企業名 | オリエンタルランド |
| URL | http://www.olc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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