1. 企業情報

株式会社オービック (4684) は、1968年に設立された独立系システムインテグレーター(SIer)です。企画から保守まで一貫したサービスを提供しており、特に統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」を中核とした基幹業務システム(ERP)の構築に強みを持っています。中小・中堅企業向けERPでは国内上位のポジションを確立し、近年は大企業向けの深耕も進めています。
連結事業の構成比(2025年3月期予想)はシステムインテグレーションが42%、システムサポートが52%、オフィスオートメーションが6%と、システムサポートが収益の柱となっています。本社は東京都中央区に位置し、従業員数は2,339名、平均年収は11,030千円(約1,103万円)です。

2. 業界のポジションと市場シェア

オービックは、独立系SIerとして顧客の業界や規模に合わせた柔軟なシステム構築を可能にしています。特にERP分野において、自社開発の「OBIC7シリーズ」は中小・中堅企業市場で高いシェアを持ち、大企業向けにも導入実績を拡大しています。
競争優位性としては、以下の点が挙げられます。
自社開発・直接販売体制の堅持: 顧客のニーズを直接収集し、迅速かつ的確な対応が可能。
クラウドソリューションの強化と自社運営クラウドセンター: クラウドサービスの提供体制を強化し、お客様のシステム運用をサポート。
高水準の収益性: 長年のノウハウと効率的なビジネスモデルにより、高い利益率を確保。

課題としては、デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資意欲は高いものの、景況感の不透明さから企業がシステム投資判断を慎重にする可能性がある点が挙げられます。市場シェアに関する具体的な数値は開示資料からは確認できませんが、上記の競争優位性により市場での存在感を維持しています。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、中長期的な企業発展に向けた安定的な業績運営を重視しています。具体的な戦略としては、以下の重点分野に継続的な投資を行っています。
システムインテグレーション事業の強化: 主力製品である「OBIC7シリーズ」によるERP導入を大手・中堅企業向けにさらに拡大。
システムサポート事業の拡充: クラウドソリューションを中核とした運用支援・保守サービスを強化し、安定的な収益源を確保。自社クラウドセンターの増強も推進しています。
技術革新への投資: ビジネスモデル特許の登録・出願を通じて、独自のサービス提供を目指しています。
人材育成と健康経営: 従業員の成長とエンゲージメントを高めるため、健康経営を推進しています。

2026年3月期の中間期決算は概ね順調に推移しており、通期業績予想は据え置きとなっています。

4. 事業モデルの持続可能性

オービックの事業モデルは、システムインテグレーションによる一時的な収益と、その後のシステムサポート・保守による継続的な収益(ストック型収益)の組み合わせが特徴です。特にシステムサポート事業が売上構成比の過半を占めることから、顧客との長期的な関係構築と安定した収益基盤を有しています。
クラウドソリューションの強化や自社クラウドセンターの運営により、市場ニーズの変化(オンプレミスからクラウドへの移行)に適応し、事業の持続可能性を高めています。ただし、企業のDX投資がマクロ経済環境に左右される点は、今後の景況変動リスクとして考慮される可能性があります。

5. 技術革新と主力製品

オービックの技術開発の独自性は、「OBIC7シリーズ」の自社開発体制にあります。これにより、顧客の多様なニーズにきめ細かく対応できる柔軟性と、高い品質のサービス提供が可能となっています。
収益を牽引する主力製品・サービスは以下の通りです。
OBIC7シリーズERPソフトウェア: 企業会計、人事、給与、生産、販売管理など、統合的な業務システムを提供し、企業の業務効率化と経営力強化を支援しています。
業界特化型アプリケーションソリューション: 各業界の特性に合わせたアプリケーションを提供し、専門性の高いニーズに応えています。
クラウドソリューション: 自社クラウドセンターを基盤とした運用・保守サービスで、顧客のシステム安定稼働をサポートしています。

6. 株価の評価

現在の株価 4,953.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
– EPS(会社予想): 159.13円
– BPS(実績): 1,020.55円
– PER(会社予想): 31.13倍
– PBR(実績): 4.85倍

これらの指標を業界平均と比較すると、以下のようになります。
– 業界平均PER: 23.2倍
– 業界平均PBR: 2.3倍

オービックのPER (31.13倍) は業界平均 (23.2倍) を上回っており、PBR (4.85倍) も業界平均 (2.3倍) を上回っています。これは、現在の株価が業界平均と比較して高い水準にあることを示唆しています。

7. テクニカル分析

直近の株価推移を見ると、本日(2025年10月28日)の終値は4,953.0円で、前日終値5,150円から下落しています。
– 年初来高値: 5,658円 (現在の株価から約12.5%高い)
– 年初来安値: 4,236円 (現在の株価から約17.0%低い)
– 50日移動平均線: 5,214.06円
– 200日移動平均線: 5,006.21円

現在の株価は、年初来高値と安値の中間よりやや高値寄りですが、直近では50日移動平均線および200日移動平均線を下回っています。このことから、短期的には下降傾向にある状況と見ることができます。

8. 財務諸表分析

過去数年間の連結損益計算書及び財務指標からは、以下の傾向が見られます。
売上高: 2022年3月期 89,476百万円から2025年3月期予想 121,240百万円、さらに2026年3月期通期予想 133,400百万円と、一貫して増加を続けています。直近の四半期売上成長率(前年比)は12.70%です。
利益: 営業利益、経常利益、純利益も売上高に比例して堅調に増加しています。2026年3月期通期予想では、純利益は70,000百万円が見込まれます。
収益性:
– 売上総利益率(粗利率):約78〜79%と非常に高い水準を維持しています。2026年3月期中間期売上総利益率は約78.96%です。
– 営業利益率:過去12か月では65.06%と、極めて高い収益効率を誇ります。
– ROE(実績):15.52%(過去12か月では15.80%)と、株主資本を効率的に活用して利益を生み出しています。
– ROA(実績):10.15%(過去12か月)と、総資産に対する収益性も高いです。
財務健全性:
– 自己資本比率:86.7%(実績)、直近四半期では85.7%と極めて高く、財務基盤が非常に強固であることを示しています。
– 流動比率:直近四半期で8.19倍と高く、短期的な支払能力に優れています。
キャッシュフロー: 過去12か月の営業活動によるキャッシュフローは65.44B円で、安定的に資金を創出しています。直近中間期においても営業CFは増加しており、潤沢な資金を有しています。

全体として、売上・利益ともに高い成長性を維持し、収益性が際立って高く、財務体質も極めて健全であると言えます。

9. 株主還元と配当方針

オービックは株主還元に積極的であり、2026年3月期の年間配当は1株あたり74.00円(中間配当37.00円、期末配当37.00円予想)を予定しています。これにより、配当利回り(会社予想)は1.49%となります。
配当性向は47.65%(過去12か月)と、安定した株主還元の方針が見られます。
なお、2024年10月1日には1株を5株とする株式分割を実施しています。
自己株式については、発行済株式数の11.67%を自社で保有しており、過去に自社株買いを実施していることが伺えます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価推移を見ると、本日(10月28日)は前日終値から下落しており、短期的には下落傾向にあります。出来高は947,300株と活発な取引が見られます。信用取引では、信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用買いが多い状況です。
投資家関心は、オービックの継続的な業績成長、高い収益性、強固な財務体質に裏打ちされていますが、PERやPBRが業界平均を上回る水準にあることから、株価のバリュエーションに対する意見は分かれる可能性があります。
2025年10月28日には2026年3月期第2四半期決算短信が発表されており、この情報が今後の株価動向に影響を与える可能性があります。

11. 総評

オービックは、独立系SIerとしてERPシステム「OBIC7」を主力とし、クラウドソリューションによるシステムサポート事業も成長の原動力としている企業です。過去数年にわたり売上高、営業利益、純利益を着実に伸ばしており、高い収益性と極めて強固な財務体質を誇ります。特に粗利率や営業利益率の高さ、自己資本比率の高さは特筆すべき点です。
事業モデルはシステムインテグレーションと継続的なシステムサポートの組み合わせで、市場のDX需要を取り込みながら持続的な成長を目指しています。株主還元策として安定した配当を継続しており、2024年には株式分割も実施しました。
現在の株価は堅調な業績を評価する形で推移していますが、PER、PBRは業界平均を上回る水準にあります。短期的には移動平均線を下回るなど、調整局面にある可能性があります。

12. 企業スコア

評価項目 スコア
成長性 S
収益性 S
財務健全性 S
株価バリュエーション C

企業情報

銘柄コード 4684
企業名 オービック
URL http://www.obic.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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