オービック(4684)企業分析レポート
株価(終値):4,953円(2025-10-28)
時価総額:2兆4,666億円/PER(予想):31.13倍/PBR(実績):4.85倍
業種:情報・通信業(アプリケーション・ソフトウェア)/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要:独立系SI。自社開発・直接販売を一貫方針とし、企画・開発から導入・運用保守まで提供。主力は自社ERP「OBIC7」シリーズ(人事・給与・勤怠・販売・生産などの基幹系を統合)。クラウドセンターを自社運営し、保守・運用サポートやハード保守、OA関連品販売も展開。持分法適用会社としてオービックビジネスコンサルタント(OBC)を保有。
- 事業構成(2025.3期 連結、カッコ内は参考利幅感):SI 42%(約59%)、システムサポート 52%(約73%)、OA 6%(約32%)。
- 特徴:高い粗利・営業利益率、強固な財務(自己資本比率86.7%)、直接販売による高い導入品質とスイッチングコストの高さ。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:中小・中堅向けERPで強いブランドと導入実績を有し、近年は大企業向け案件も深化。独立系で特定ベンダーに依存しない提案力が強み。
- 競合環境:国内の基幹系刷新・DX需要は継続。一方で景況感不透明で投資判断は慎重化。競合は大手SI(NEC、富士通など)、外資ERP(SAP、Oracle NetSuiteなど)、国内パッケージ(OBC、TKC、PCA 等)、クラウド会計系(freee 等)など。
- 強みと課題
- 強み:自社開発×直接販売、豊富な導入ノウハウ、クラウド自社運営、保守・運用の継続収益、スイッチングコストの高さ。
- 課題:人材採用・育成コスト、直販モデルのスケール効率、価格プレッシャーやSaaS専業との比較優位の維持。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針:自社開発・直接販売を堅持し、クラウドソリューションを強化。クラウドセンター増強、ビジネスモデル特許の出願・登録、健康経営の推進など先行投資を継続。
- 中期的施策(短信要約)
- OBIC7の大型・高付加価値案件の深耕と新規顧客開拓。
- 運用・保守を中核にクラウド型の提供比率を高め、安定収益基盤を拡充。
- 直販体制の強化と品質維持、データセンター等ハードへの投資継続。
- 定量目標:短信では具体的な中計KPIは未開示。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:初期構築(SI)+保守・運用(サポート)のハイブリッド。サポート領域は継続課金性が高く、ストック収益の比率が上昇。
- 適応力:クラウド移行に合わせた自社センター活用、業種別テンプレートや業務特化で導入期間・リスクを抑制。価格競争よりも品質・運用力で差別化。
- リスク:IT人材需給、価格競争、マクロ要因によるIT投資の先送り。スイッチングコストは高いが、SaaS専業の台頭との競争は注視。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:ERP「OBIC7」シリーズ(人事・給与・勤怠・販売・生産等)。業種別ソリューションも展開。
- 技術動向:クラウドセンター自社運営、セキュリティ・可用性強化。ビジネスモデル特許の取得・出願により手法の独自性を保護。
- 収益牽引:サポート(クラウド/運用保守)が増収増益を牽引。2025年中間のセグメント利益率は概算でSI約61%、サポート約74%、OA約34%と高収益。
6. 株価の評価(バリュエーションの相対比較)
- 予想EPS:159.13円 → 予想PER:約31.1倍(業界平均PER:23.2倍)
- 実績BPS:1,020.55円 → PBR:約4.85倍(業界平均PBR:2.3倍)
- 売上/株:283.91円 → 参考P/S(時価総額/売上LTM):約19〜20倍
- 配当:予想年間74円、利回り約1.49%、配当性向約46〜48%(データに基づく)
- 補足:同社は営業利益率60%超と収益性が際立つため、相対的にプレミアム評価がつきやすい一方、業界平均比では割高圏の水準。
参考(単純な相対目安)
– 業界平均PER×EPS=約3,692円
– 業界平均PBR×BPS=約2,347円
(注:成長性・収益性の差、キャッシュ保有、ストック性等を考慮する必要あり)
7. テクニカル分析
- トレンド:終値4,953円は50日移動平均(約5,214円)・200日移動平均(約5,006円)をともに下回り、短期的には弱含み。50日線は200日線を上回るが、足元は調整基調。
- 位置:52週高値5,658円に対し約-12.5%、52週安値4,236円に対し約+16.9%でレンジ中位やや下寄り。
- モメンタム:直近10日では上昇後に反落。本日は前日比で下落、出来高は3カ月平均並み〜やや上回る水準。
- 信用動向:信用倍率22.17倍(買い長)。解消局面の値動きには留意。
8. 財務諸表分析
- 売上成長:121,240百万円(LTM、別データでは約124,890百万円)
- YoY(LTMベース):約+8.6%(111,590→121,240)
- 3年CAGR:約+10.6%(2022→LTM)
- 収益性(LTM目安)
- 粗利率:約78%(決算短信中間期:78.96%)
- 営業利益率:65.06%(短信中間期:66.4%)
- 当期純利益率:約54%(LTMデータ:53〜54%)
- 効率・資本性
- ROE:15.5%前後/ROA:10.1%前後
- 自己資本比率:86.7%(2025/9末:85.7%)
- 流動比率:8.19倍、現金同等物:1,990億円規模
- キャッシュフロー
- 営業CF:654億円、FCF:507億円(LTM)→ FCF利回り約2.0%
- 収益の質:保守・運用のストック収益が厚く、期中も営業CFは増加。一過性損益は軽微。
(注)LTM売上に情報差異あり。以降は会社短信等の公式開示での確認が望ましい。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間予想74円(中間37円、期末37円)、予想配当利回り約1.49%、配当性向約46〜48%。
- 自己株式:発行済の約11.7%(約5,810万株)を保有。自社株買いの継続有無は本データでは未記載。
- 方針:短信では「安定的な企業の発展」を前提。増配・自社株関連の定量目標は開示なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週変化率:+7.76%、5年β:0.66(低ボラティリティ)。
- 出来高:3カ月平均約92万株、直近10日平均約89万株で概ね平常域。
- 需給:信用買いが積み上がり(買残増)、短期の値動きには影響しやすい。
- 近々のイベント
- 決算発表予定:2025-10-28(今回中間短信公表日)
- 権利落ち(予想):2026-03-30
- 株価への主因:DX投資需要、クラウド移行、受注動向、マクロ環境によるIT投資時期の前倒し・先送り、為替や金利環境、同業他社の決算比較など。
11. 総評
- 成長性:中堅・大企業向け案件の拡大とクラウド・サポートの伸長で、売上は中期的に年率10%前後の伸びを確保。中間期も2桁増収・2桁増益を継続。
- 収益性:業界でも突出した営業利益率60%超を維持。ストック収益の増加が安定性を高めている。
- 財務健全性:自己資本比率80%超、潤沢な現金と低D/Eで極めて健全。営業CF・FCFも安定。
- バリュエーション:収益性の高さを背景にプレミアム評価。業界平均比では割高レンジに位置。
- テクニカル:足元は移動平均線を下回り短期弱含みだが、長期トレンドは中立〜やや強めの範囲。需給(信用買い長)には注意。
(本レポートは情報提供目的であり、投資助言ではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
理由:LTM YoY約+8.6%、3年CAGR約+10.6%。中間も2桁増収。
– 収益性:S
理由:粗利率約78〜79%、営業利益率約65%、純利益率50%超と業界水準を大幅に上回る。
– 財務健全性:S
理由:自己資本比率85〜87%、流動比率8倍超、実質無借金・多額の現金。
– 株価バリュエーション:C
理由:PER・PBRとも業界平均を大きく上回る。高収益・高品質モデルへのプレミアムはあるが、相対的には割高圏。
参考データの抜粋
– 中間期(2025/4–9)業績:売上高 65,784百万円(+11.2%)、営業利益 43,655百万円(+13.0%)、純利益 37,303百万円(+16.4%)
– 通期予想(据え置き):売上高 133,400、営業利益 86,200、純利益 70,000、EPS 159.13円
– セグメント(中間期):SI売上 27,330/利益 16,686、サポート売上 34,499/利益 25,621、OA売上 3,955/利益 1,347(百万円)
企業情報
| 銘柄コード | 4684 |
| 企業名 | オービック |
| URL | http://www.obic.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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