1. 企業情報
セルソース株式会社は、再生医療関連事業を展開しており、特に脂肪や血液由来の細胞加工受託サービスを主要としています。具体的には、患者自身の脂肪組織から幹細胞を抽出・加工したり、血液から血小板を豊富に含む血漿(PRP)を調製するサービスを提供しています。これらの加工細胞は、変形性ひざ関節症などの再生医療に用いられます。また、再生医療を提供する医療機関への支援サービス、関連医療機器の販売、さらに、再生医療の研究で培った技術を応用したエイジングケア化粧品の開発・販売も行っています。主要な収益源は加工受託サービスで、売上構成比は約63%を占めます(2024年10月期予想)。
2. 業界のポジションと市場シェア
セルソースは、再生医療という成長分野において、細胞を加工する技術とサービスを提供しています。市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、決算短信によると提携医療機関数は増加傾向にあり、2,057院(2025年10月期第3四半期末時点)に達しています。これは、再生医療の提供体制を広げる上での強みと考えられます。
一方で、再生医療ビジネスは社会実装を目指す段階にあり、提携医療機関の増加に対し、加工受託件数が減少していることが直近の課題として挙げられています。このことは、医療機関あたりのサービス利用頻度や需要の安定性について、さらなる取り組みが必要であることを示唆します。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、「セルソースビジョン(膝の痛みに悩む人をゼロへ)」を掲げています。2025年10月期を「Year 0」と位置付け、以下の3つのコミットメントを主要戦略としています。
– 経営リソース配分の最適化: 経営効率の向上に取り組んでいます。
– 整形外科向け既存事業の拡充: 再生医療サービスの中心である整形外科領域における事業基盤の強化を目指しています。
– ビジョン実現に向けた先行投資: 将来の成長を見据え、研究開発や事業拡大のための投資を行っています。
具体的な施策としては、医療機関連携・経営支援サービスの展開強化のため、ハイブリッドメディカル株式会社を連結子会社化しています。中長期目標達成に向けた「実装(社会実装)」フェーズへの移行を図るための先行投資や組織拡充を進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
セルソースの事業モデルは、患者自身の細胞を利用する再生医療の加工受託を核としています。これは、オーダーメイド医療としてのニーズが高まる可能性を秘めています。主な収益源は加工受託サービスに加え、医療機関支援、医療機器販売、化粧品販売と多角化されています。
変形性ひざ関節症や不妊治療といった、ニーズの高い医療分野への貢献を目指しており、高齢化社会の進展とともに、再生医療の市場ニーズは長期的に増加する可能性があります。しかし、直近では加工受託件数の伸び悩みや医療機器・化粧品販売の減少が見られ、市場ニーズの変化への適応と、需要を喚起する施策が持続可能性のカギとなります。先行投資を通じて「社会実装」フェーズへの移行を図ることが、今後の事業持続性を高める上で重要となります。
5. 技術革新と主力製品
セルソースは、脂肪由来幹細胞や血液由来の血小板を加工する再生医療技術を基盤としています。これらの細胞を、厳しい管理基準の下で製造・加工する技術は、安全性と有効性を担保する上で重要です。
主力製品・サービスは以下の通りです。
* 加工受託サービス: 脂肪由来幹細胞、血液由来PRP、滑膜由来幹細胞などの細胞加工受託、およびFatBank(保管)サービス。不妊治療向けの卵子凍結保管も提供しています。
* 医療機関支援サービス: 再生医療法規対応や経営管理支援を通じて、医療機関が安全かつ効率的に再生医療を提供できるようサポートします。
* 医療機器販売: 脂肪吸引機器など、再生医療施術に必要な医療機器を提供します。
* 化粧品販売: 「Signalift」シリーズなどのエイジングケア製品を開発・販売しており、再生医療研究から生まれた技術を応用しています。
6. 株価の評価
現在の株価は522.0円です。
* 会社予想のEPS(1株当たり当期純利益)は5.65円であり、これに基づくPER(株価収益率)は92.39倍です。理論株価をPERとEPSから計算すると、92.39倍 × 5.65円 = 約521.40円となり、現在の株価と近い水準です。
* 実績のBPS(1株当たり純資産)は301.67円であり、これに基づくPBR(株価純資産倍率)は1.73倍です。理論株価をPBRとBPSから計算すると、1.73倍 × 301.67円 = 約521.90円となり、これも現在の株価に近い水準です。
業界平均PERは27.8倍、業界平均PBRは1.4倍です。セルソースのPER (92.39倍) は業界平均を大幅に上回っており、PBR (1.73倍) も業界平均を上回っています。これは、市場が将来の成長性に対して高い期待を抱いているか、あるいは現在の利益水準に対して株価が比較的高水準であることを示唆する可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価は522.0円です。
* 年初来高値は885円、年初来安値は520円であり、現在の株価は年初来安値に近い水準にあります。
* 52週高値は1233.00円、52週安値は520.00円であり、現在の株価は52週安値と一致しています。
* 50日移動平均線は587.30円、200日移動平均線は691.76円であり、現在の株価は両移動平均線を大きく下回っています。
* 直近10日間の株価推移も、520円から539円の範囲で推移しており、継続して安値圏での動きが見られます。
これらの情報から、現在の株価は過去の推移と比較して安値圏にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
過去数年間の損益計算書と最新の決算短信(2025年10月期第3四半期累計)のデータに基づき、評価を行います。
売上高:
* 2021年10月期から2023年10月期にかけては増加傾向にありましたが、2023年10月期の4,510,544千円をピークに、2024年10月期(過去12か月データの一部)では3,947,893千円、そして2025年10月期の通期予想では3,774,000千円と、減少傾向にあります。
* 直近の2025年10月期第3四半期累計売上高は2,818,094千円です。
* 四半期売上成長率(前年比)は-10.40%を記録しています。
利益:
* 売上総利益は、2023年10月期の3,185,000千円をピークに、過去12か月データでは2,013,891千円と減少しています。
* 営業利益は、2022年10月期の1,571,057千円から2023年10月期には1,221,503千円に減少後、過去12か月では-135,239千円と営業損失を計上しています。
* しかし、2025年10月期第3四半期累計では123,356千円の営業利益を確保しており、直近の四半期ベースでは営業利益率が改善傾向にあります。
* 親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、2022年10月期の1,017,842千円をピークに減少し、過去12か月では-50,865千円の純損失となっています。
* 2025年10月期通期予想では、売上高は減少するものの、営業利益203,000千円、純利益112,000千円の黒字予想です。
キャッシュフロー:
* 決算短信において、四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成していないとの記載があります。現金及び預金残高は4,632,897千円(2025年10月期第3四半期末)です。
収益性・効率性指標:
* ROE(Return on Equity):実績(単体)3.90%、過去12か月(企業財務指標)11.68%です。単体と連結でおそらく数値が異なります。
* ROA(Return on Assets):過去12か月で5.95%です。
財務健全性:
* 自己資本比率:実績(単体)84.7%、2025年10月期第3四半期連結で81.8%と非常に高い水準を維持しており、財務基盤は強固です。
* 流動比率:直近四半期で10.77と極めて高い水準であり、短期的な支払い能力に優れています。
* D/E Ratio(負債資本倍率):直近四半期で3.28%と非常に低く、有利子負債は少ない状態です。
これらの指標から、セルソースの財務健全性は非常に高いと評価できます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想)は0.96%です。
- 会社予想の1株当たり配当金は5.00円であり、2024年10月期の実績と同額です。
- 配当性向は41.81%です。
提供データには自社株買いに関する情報は含まれていません。安定配当を継続する方針が見られます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週変化率は-55.71%と、過去1年間で株価は大きく下落しています。S&P 500の同時期の変化率16.63%と比較しても、アンダーパフォームしています。
- 株価は年初来安値・52週安値水準で推移しており、50日および200日移動平均線を大きく下回っていることから、下降トレンドが継続していることが示唆されます。
- 信用取引では、信用買残が432,400株と信用売残40,700株に比べて多く、信用倍率は10.62倍です。投資家が株価の回復を期待して買い建てている状況が見られますが、買残の積み上がりが上値の重しとなる可能性もあります。
- 株価への影響を与える要因としては、加工受託件数の動向、医療機器や化粧品の販売状況、再生医療を取り巻く規制環境の変化、および「社会実装」フェーズでの先行投資の効果などが挙げられます。直近の業績(特に第3四半期での営業利益改善と通期黒字予想)が今後の株価にどのような影響を与えるかが注目されます。
11. 総評
セルソースは、再生医療関連事業を展開する企業であり、高齢化社会の進展とともに市場ニーズの拡大が見込まれる分野で事業を行っています。
強みとしては、強固な財務体質(高い自己資本比率、低負債、潤沢な流動資産)と、技術力をコアとした多角的な事業展開が挙げられます。提携医療機関数も増加しています。
課題としては、直近の業績が低迷しており、売上高が減少傾向にあります。特に、加工受託件数の伸び悩みや医療機器・化粧品販売の減少が、収益面に影響を与えています。過去12か月では営業損失を計上した時期も見られましたが、直近の第3四半期では営業利益が改善し、通期でも黒字を予想しています。
株価の評価においては、PERが業界平均を大きく上回り、PBRも平均を上回る水準にあり、現在の利益水準に対しては割高感が見られます。株価は年初来安値付近で推移しており、下降トレンドにあると判断できます。
経営戦略では「膝の痛みに悩む人をゼロへ」というビジョンを掲げ、先行投資と既存事業の拡充を進めていますが、これらの施策が今後の業績にどう貢献するかが焦点となります。
12. 企業スコア
- 成長性: D
- 2025年10月期の通期売上高予想は3,774百万円であり、2023年10月期(4,510百万円)と比較して約16.3%の減少予想です。直近の四半期売上成長率も前年比でマイナスであり、売上は減少傾向にあります。
- 収益性: D
- 2025年10月期の通期営業利益率予想は約5.38%と、医薬品業界としては低い水準です。また、損益計算書の過去12か月データでは営業損失を計上しており、直近の収益性は低迷しています。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率は81.8%(直近四半期)と非常に高く、流動比率も10.77、D/Eレシオも3.28%と、極めて健全な財務状態を維持しています。負債が非常に少なく、安定した経営基盤を持っています。
- 株価バリュエーション: C
- PER(会社予想)が92.39倍であり、業界平均PER27.8倍を大きく上回っています。PBRも1.73倍と業界平均1.4倍を上回っており、現在の利益水準と比較すると割高感が示唆されます。
企業情報
| 銘柄コード | 4880 |
| 企業名 | セルソース |
| URL | https://www.cellsource.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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