ミルボン(4919)企業分析レポート
本レポートは公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資助言ではありません。数値は原則として連結ベース、LTM=直近12か月。単位は円・百万円など内容に応じ記載。
1. 企業情報
- 概要:美容室(プロフェッショナル)向けヘア化粧品の専業大手。ヘアケア(シャンプー・トリートメント等)、染毛剤、パーマ剤を中心に、スキンケアや美容機器も取り扱う。主力ブランドに「MILBON」「Elujuda」「ORDEVE」「iMPREA」。
- ビジネス特性:サロンチャネルに特化し、技術教育やデジタル(milbon:iD等)を組み合わせたB2B2Cモデル。国内比率が高いが、韓国・米国・EUなど海外比率も拡大(2024年度:海外25%)。
- 事業構成(2024.12):ヘアケア用剤61%、染毛剤34%、パーマ剤3%、化粧品2%、他1%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内の美容室向けヘア化粧品で首位。サロン専売の高付加価値領域に強み。
- 競争優位性:
- サロン網と教育(ソムリエ教育等)によるスイッチングコストの醸成
- 高付加価値ライン(ヘアケア・カラー)の商品力とブランド力
- デジタル基盤(milbon:iD)によるサロンと顧客の接続強化
- 課題:
- 国内消費の伸び悩み・来店頻度の変化
- 原材料・物流コストの上昇、為替の影響
- カラー市場の数量伸び鈍化および価格競争
3. 経営戦略と重点分野
- 中期の方向性(2022–2026の構想内で2025年は4年目):
- 国内:「ビューティプラットフォーム構想」推進(スマートサロン、milbon:iDの拡充)、技術教育の強化
- プロダクト:高付加価値カラー戦略、ヘアケア主力の深化
- 海外:米国・EU・韓国を重点地域とし人材・ブランド投資を強化
- 2025年通期会社予想(8/8公表):売上高 52,300(+1.9%)、営業利益 5,300(+22.5%)、当期純利益 3,000(+40.2%)、EPS 92.09円
- 資本政策:自己株式取得(上限87万株、総額上限20億円、2025/8/12–12/23)を決定
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:サロン起点のB2B2C。店販・技術提案・教育・デジタルを組み合わせ、継続的な関係と高単価商品で収益化。
- 適応力:
- デジタル活用(milbon:iD)でサロン-顧客接点を維持・可視化
- 海外展開でポートフォリオを分散
- 留意点:国内需要鈍化・価格競争・原価上昇など外部環境の変化には価格施策・製品ミックス改善・効率化が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:プロ専売に特化した処方開発、サロン技術教育と一体の価値提供。
- 収益牽引:
- ヘアケア(構成比61%):「MILBON」「Elujuda」など
- 染毛剤(同34%):「ORDEVE」などの高付加価値カラー
- 最近の動向:国内はヘアケアが堅調。ファッションカラーは数量減傾向。一方、米国・EUで二桁成長領域あり(短信記載)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 2,362円、時価総額 7,822億円(78,223百万円)、EPS(会社予想)92.09円、BPS 1,456.78円
- 指標
- PER(予想):25.65倍
- PBR(実績):1.62倍
- 参考P/S(LTM):約1.52倍(78,223 / 51,598)
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER 20.4倍 → EPS予想×平均PER ≒ 92.09×20.4 ≒ 1,880円
- 業界平均PBR 1.1倍 → BPS×平均PBR ≒ 1,456.78×1.1 ≒ 1,602円
- 現在株価(2,362円)は上記単純比較より高位。評価は事業の質・成長期待・資本効率などを加味して解釈が必要。
7. テクニカル分析
- 位置関係:株価 2,362円は
- 50日移動平均 2,476円を下回る(約-4.6%)
- 200日移動平均 2,684円を下回る(約-12.0%)
- 52週高値 3,615円、52週安値 2,337円に対し、安値圏に近い水準
- 需給:直近10日で弱含み(戻り鈍い)。出来高は10日平均17.7万株と3カ月平均15.1万株をやや上回る。
- ボラティリティ:5年β 0.19と低位。
8. 財務諸表分析
- 成長性
- 売上高:2021 41,582 → 2024 51,316 → LTM 51,598(中期的に増収、2024対2023で+7.4%)
- 直近の四半期売上成長(YoY):+4.7%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約62.7%(32,344 / 51,598)
- 営業利益率:9.0%(提供指標)
- 当期純利益率:6.12%
- EBITDA:7,907、EBITDAマージン約15%
- コメント:2025年中間期は投資有価証券評価損(特損 7.55億円)計上で純利益が圧迫
- 効率・資本性
- ROE:実績10.59%、LTM 6.62%(特損影響等で低下)
- ROA(LTM):6.21%
- 安全性・流動性
- 自己資本比率:実績82.9%、中間期84.9%
- 流動比率:3.74倍
- 現金等:1,172億円(11.72B円)、有利子負債の明細は—(短信では負債軽め)
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:+50.6億円、レバードFCF:+14.6億円(FCF利回り ≒ 1.9%)
9. 株主還元と配当方針
- 配当:会社予想 年間88円(中間40円・期末48円)、配当利回り約3.73%(株価2,362円)
- 配当性向:参考 88円 / 予想EPS 92.09円 ≒ 約95.6%(提供Payout Ratio 90.8%)
- 自社株買い:上限87万株(発行済の約2.7%)、総額上限20億円(2025/8/12–12/23)
- コメント:配当利回りは過去5年平均(1.90%)を上回る水準。配当性向は高めで、利益水準の動向に留意。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:52週で-25.0%と調整基調。足元は移動平均線を下回り、安値圏に接近。
- 需給・関心:
- 信用買残 11.4万株、信用倍率 2.52倍(過熱感は限定的な水準)
- 自己株買い決定は需給面のサポート要因
- 予定イベント:
- 決算発表(予定):2025/11/14
- 権利落ち日(予定):2025/12/29
11. 総評
- まとめ:
- 国内サロン専売での首位ポジション、教育・デジタルを組み合わせた強固な顧客関係が強み。ヘアケア中心に中期的な増収を維持し、海外展開も進展。
- 一方、2025年中間期は特損計上や販管費増で収益性が一時的に低下。会社は通期での増益回復を見込む。
- 財務体質は極めて堅健(自己資本比率80%超、流動比率良好)。株主還元は配当+自己株買いを実施。ただし配当性向は高く、今後の利益水準が重要。
- バリュエーションは業界平均比でプレミアム水準。株価はテクニカルには安値圏に位置。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTMベースでの増収、四半期YoY+4.7%、2021→2024の3年CAGR約+7%。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率は高水準だが、営業利益率は足元で低下(LTM 9%)。一過性損益は除外しても中位評価。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率80%超、流動比率3.7倍、実質無借金に近い構造。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER・PBRともに業界平均上回り(割高方向)。EV/Sは—(有利子負債不明のため評価省略)。
参考データ抜粋(LTM/実績等)
– 売上高 51,598、粗利 32,344、営業利益率 9.0%、純利益率 6.1%
– EPS(LTM)96.9円、EPS(予想)92.09円、BPS 1,456.78円
– 配当 88円、配当利回り 3.73%、Payout Ratio 約90.8%(参考)
– 50DMA 2,476円、200DMA 2,684円、52週 3,615/2,337円
(注)本資料は公開データに基づく定量・定性の整理であり、数値は端数処理等により合計と一致しない場合があります。投資判断はご自身の責任で最新の開示資料をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 4919 |
| 企業名 | ミルボン |
| URL | http://www.milbon.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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