2801 キッコーマン 企業分析レポート(2025-10-29時点)
> 本資料は公開データに基づく企業分析であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要
- しょうゆで国内外トップクラスのブランド力を持つ総合食品メーカー。つゆ・たれ等の調味料、豆乳・デルモンテ飲料、みりん・ワイン等を展開。
- 海外で日本食材の卸売も手掛け、アジアにおける「デルモンテ」商標権を保有。
- 臨床診断用酵素・衛生検査薬、ヒアルロン酸、化学品、不動産賃貸、物流なども展開。
- 事業構成(連結)
- 国内食料品製造・販売、国内その他、海外食料品製造・販売、海外食料品卸売の4セグメント。
- 海外売上比率:約76%(2025.3期)とグローバル比率が高い。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- しょうゆ分野で世界的トップブランド。海外では北米・欧州・アジア大洋州でのプレゼンスが高い。
- 国内では豆乳やつゆ・タレ等の周辺カテゴリーも強化。
- 競争優位性
- 発酵・醸造のコア技術、長期的なブランド資産、海外の生産・販売体制、広範な流通網。
- 主な課題
- 為替変動の影響(円高は円換算売上・利益の逆風)。
- 原材料(大豆・小麦等)価格の変動、健康志向や食の多様化への対応。
- 国内市場の人口動態による需要の伸び鈍化。
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(短信・公開情報の要旨)
- 日本食・発酵食品の価値訴求を基盤に、海外での需要開拓と現地生産・販売の最適化を継続。
- しょうゆの周辺(つゆ・たれ等)や豆乳・飲料など、収益性・成長性の高いカテゴリーを拡大。
- デルモンテ(アジア)商標を活用した加工食品・飲料の強化。
- 価格適正化、コストコントロール、サプライチェーン効率化への継続投資。
- 中期的フォーカス(足元の示唆)
- 為替・原材料の外部環境に耐える収益構造の維持・改善。
- 地域ポートフォリオの分散とブランド投資の継続。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 基礎調味料・飲料など回転率の高いリカーリング型需要が中心。ブランド力とグローバル販路により安定性が高い。
- 適応力
- 低塩・健康志向製品、用途提案型のメニュー訴求、海外現地化(味覚適合・SKU最適化)で需要変化に対応。
- リスクと緩和
- 為替・原材料は構造的リスク。価格改定やヘッジ、原材料・物流の最適化で吸収を図る。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 発酵・醸造技術を核に、風味・品質の安定化や減塩・グルテンフリー等のニーズ対応製品を開発。
- 検査薬・酵素、ヒアルロン酸などライフサイエンス領域の技術資産も保有。
- 収益牽引
- しょうゆ、つゆ・たれ等の調味料群、豆乳・飲料、デルモンテブランドの加工食品・飲料が主力。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 1,247.5円、EPS(会社予想)63.28円、BPS 533.15円、時価総額 1.21兆円、純現金約0.31兆円(現金0.89−借入0.58)
- 指標比較
- PER(予想):約19.7倍(業界平均19.5倍付近と同水準)
- PBR(実績):約2.34倍(業界平均1.3倍を上回るプレミアム)
- EV/EBITDA(LTMベース概算):約10.5倍(EV≒1.18兆円、EBITDA≒1,126.9億円)
- PSR(LTM):約1.71倍
- コメント
- 収益性・ブランド力を反映したPBRプレミアム。PERは業界平均並み。ネットキャッシュで財務余力あり。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近終値は1,247.5円。50日移動平均1,294円、200日移動平均1,388円の双方を下回る。
- 年初来高値1,761円、年初来安値1,206円に対し、現値は安値圏に近い位置。
- 52週変化率は約-30%。ベータ0.37とボラティリティは低め。
- 需給
- 信用買残/売残=約22倍と買い越し。短期的に上値の重さ・巻き戻しリスクに留意。
- 出来高は3カ月平均(約300万株)と同程度。
8. 財務諸表分析(IFRS、連結)
- 売上・利益(LTM→2025/3期基準)
- 売上高:708,979百万円(YoY +7.3%)
- 営業利益:73,699百万円(営業利益率 約10.4%)
- 当期純利益:61,695百万円(純利益率 約8.7%)
- 粗利率:約33.8%、EBITDAマージン:約15.9%
- 3年CAGR(売上):約+11%(2022→LTM)
- 直近期(2026年3月期1Q)
- 売上収益 -1.4%、親会社当期利益 -15.3%(為替の逆風影響が大きい)
- 営業利益率は約10.9%と2桁を維持
- 効率・資本
- ROE(実績):12.34%、ROA(LTM):6.57%
- 自己資本比率:74.8%(2025/6末は75.5%)
- 流動比率:約3.9倍、ネットキャッシュ(現金>有利子負債)
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 会社予想:年間25円(中間10円・期末15円)、配当利回り約2.0%(現株価ベース)
- 予想配当性向(概算):約39%(25円/EPS63.28円)※算定基準により乖離あり
- 自社株
- 自己株式を保有(期中に取得実施の注記)。総還元の柔軟性あり(具体的な年次枠は短信に記載なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 10日ベースで下落基調。移動平均線を下回る推移で戻り待ちの需給。
- ドライバー
- 為替(USD/EUR)動向、原材料価格、海外需要、価格政策が主因に。
- 直近イベント:決算発表(2025-11-07予定)、配当権利落ち(2026-03-30予定)。
11. 総評
- ブランド力と発酵技術、海外売上比率の高さを背景に、安定した2桁の営業利益率と堅固な財務を維持。
- 直近期は円高や一部カテゴリの鈍化で減益も、通期見通しは据え置き(会社計画)。
- バリュエーションはPERで業界並み、PBRはプレミアム。テクニカル面では年初来安値圏に近い位置で推移。
- 注目点:為替・原材料の動向、価格適正化の進捗、海外セグメントの需要回復、総還元(配当・自己株)の方針。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上YoY +7.3%、3年CAGR約+11%。直近四半期は減収だが中期では伸長。
- 収益性:A
- 粗利率約34%、営業利益率約10–11%、ROE約12%と食品業界で良好な水準。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率約75%、流動比率約3.9倍、ネットキャッシュの堅固なバランスシート。
- 株価バリュエーション:B
- PERは業界平均並み、PBRはプレミアム。EV/EBITDAは概ね妥当圏の印象。
参考データ(抜粋)
– 株価レンジ:年初来高値 1,761円/安値 1,206円
– 予想EPS 63.28円、BPS 533.15円、ROE 12.34%、自己資本比率 74.8%
– 配当(会社予想):年間25円(利回り約2.0%)
– 直近期(1Q):売上 -1.4%、純利益 -15.3%
– 信用倍率:約22倍、出来高は3カ月平均並み
注記
– 数値はご提供データに基づき算出。為替やIFRS/会計方針・株式分割等により指標は変動する可能性があります。
企業情報
| 銘柄コード | 2801 |
| 企業名 | キッコーマン |
| URL | http://www.kikkoman.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。