ミダックホールディングス(6564)企業分析レポート
株価(10/28終値): 1,852円/時価総額: 514億円/配当利回り(会社予想): 0.97%
1. 企業情報
- 事業概要: 東海地域を主軸に、産業廃棄物・一般廃棄物の収集運搬から中間処理(焼却・脱水等)、最終処分(管理型最終処分場運営)まで一貫対応。仲介管理(協力会社の管理・手配)も展開。
- セグメント構成(2025.3期 連結、売上構成目安)
- 廃棄物処分: 78%
- 収集運搬: 18%
- 仲介管理: 1%
- その他: 2%
- トピック: 2025/4/14に大平興産を子会社化(関東エリアへ展開強化)。1952年創業、浜松本社。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 東海地盤の有力処分・管理事業者。最終処分場(管理型)を自社運営し、中間処理から最終処分までの垂直統合が特徴。
- 競争優位性
- 許認可・設備・ノウハウ・環境管理が参入障壁に。最終処分容量の確保は価格交渉力の源泉。
- 地域密着の収集運搬網と、一括受託(仲介含む)による利便性。
- 課題
- 埋立容量の物理的制約と長期維持管理義務(引当計上)が資本負担に。
- 規制変更・景気変動に伴う廃棄物発生量の変動、エネルギー価格上昇のコスト影響。
- M&A後のPMI(統合)と収益化の確実性。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン: 「ミダックグループ10年ビジョン『Challenge 80th』」
- 第1次中期計画の方向性
- 基盤強化と成長加速:管理型最終処分場の受託量増・容量増強の供用開始。
- M&Aによるエリア拡大:大平興産の子会社化で関東進出強化。
- 収益性維持:高付加価値の処分領域に注力、全社費用の適正化。
- 足元の進捗(2026/3期1Q)
- 処分事業が増収増益(売上+4.4%、セグ利益+8.9%)。
- 収集運搬は減収減益(売上-2.5%、セグ利益-24.9%)と利益率が相対的に弱含み。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 高利益率の最終処分・中間処理が収益の柱。継続的な廃棄物処理需要を背景にストック性が高い。
- 適応力
- 容量増強・設備投資により受け皿を拡充。規制対応力・品質管理で顧客維持。
- 一方、循環経済の進展で廃棄物の発生構造が変わる可能性(高難度・高付加価値処理へのシフトが鍵)。
- リスク吸収: 維持管理・特別修繕等の引当計上により長期負担を見える化。負債増加とのバランス管理が重要。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 主力: 管理型最終処分場運営、焼却・脱水等の中間処理、収集運搬、仲介管理。
- 技術・運用面
- 浸出水処理、安全・環境基準順守、受入管理などのオペレーション技術。
- ロジスティクス最適化や受発注のデジタル化による効率化余地。
- 収益牽引: セグメント利益率は処分・仲介が高水準(1Q実績ベース目安:処分約62%、仲介約72%、収集運搬約22%、セグ利益段階・全社費用調整前)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 足元指標(会社予想/実績)
- PER(会社予想): 17.48倍(EPS 105.93円、株価1,852円)
- PBR(実績): 3.26倍(BPS 568.68円)
- EV/EBITDA(試算): 約9.7倍(EV=時価総額514億+有利子負債91億-現金66億≒539億、EBITDA 55億)
- P/S(試算): 約4.7倍(時価総額/売上高)
- 業界平均との比較(参考)
- PER: 17.5倍 vs 業界平均 17.0倍 → おおむね同水準~やや上。
- PBR: 3.26倍 vs 業界平均 1.8倍 → プレミアム水準。
- 逆算目安(単純計算)
- 業界平均PER×EPS: 17.0×105.93 ≒ 1,801円
- 業界平均PBR×BPS: 1.8×568.68 ≒ 1,024円
(注)指標は一要素であり、成長性・収益性・資本効率の差を反映してプレミアム/ディスカウントが生じます。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均: 1,984円、200日: 2,016円 → 現在値1,852円は両MAを下回る。
- 52週レンジ: 1,492–2,420円(年初来安値 1,518円、年初来高値 2,420円)→ レンジ下半分。
- 直近10日
- 終値は1,900円前後でのもみ合いから、直近は1,852円に弱含み。
- 出来高は直近で8.9万株と3カ月平均(約7.6万株)をやや上回る日あり。
- 評価: 中長期の移動平均を下回り、モメンタムはやや弱め。レンジ下半での推移。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益)
- 売上高(億円): 638(2022)→ 777(2023)→ 955(2024)→ 1,091(LTM)で3年CAGR約+19.7%、LTM YoY+14.2%。
- 営業利益: 226(2022)→ 276(2023)→ 354(2024)→ 453(LTM)。
- 当期純利益: 128(2022)→ 169(2023)→ 191(2024)→ 286(LTM)。
- 2026/3期1Qの売上成長は+1.3%と足元は鈍化。
- 収益性(LTM)
- 粗利率: 約62.6%、営業利益率: 約41.6–42.6%、EBITDAマージン: 約50.9%、純利益率: 約26%。
- ROE: 19.5–20.3%、ROA: 9.5%。
- 安定性・資本構成
- 自己資本比率: 54.1%(前期末)→ 47.7%(1Q、引当増・負債増で低下)。
- 流動比率: 約215%(1Q)。
- 有利子負債: 91億円、現金66億円、D/E約58%(1Q)。
- のれん増加(約25.6億円)と最終処分場関連の引当増(維持管理・特別修繕)を反映。
- キャッシュフロー
- CF明細は未開示だが、EBITDA規模は55億円と厚め。建設仮勘定増(約60億円)など投資負担は大きい。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2025/3期 14円 → 2026/3期予想 18円(利回り約0.97%)。
- 配当性向: 約13–14%(LTM/会社予想ベース)。内部留保と成長投資を優先する水準。
- 自社株買い: 直近の大規模な自己株取得の記載はなし(自己株比率0.42%)。
- 株主構成: インサイダー保有が約59%、フロートは限定的(約1,007万株)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 直近はMA下、1,900円近辺での持ち合いから弱含み。β 0.52と市場連動性は低め。
- 信用動向: 信用買残20.3万株(前週比+1.06万株)とやや増加。空売り残はほぼゼロ(信用倍率0.00倍表記)。
- 流動性: 3カ月平均出来高約7.6万株、10日平均約4.5万株。浮動株が小さく、需給の影響を受けやすい構造。
11. 総評
- 収益源の最終処分・中間処理が高利益率を牽引し、3年で売上・利益ともに大幅な拡大。ROE・ROAも高水準。
- 一方、直近期(1Q)の成長は+1.3%と減速気味。収集運搬の利益率低下、引当増加に伴う自己資本比率の低下、M&A連結によるのれん計上など、バランスシートに変化。
- バリュエーションはPERでほぼ業界並み、PBRは高め。高収益・高資本効率に対するプレミアムを市場が織り込んでいる可能性。
- 中計は処分容量の拡充とエリア拡大(関東)で継続成長を志向。投資・引当の増加と収益拡大のバランス、足元の成長トレンドの回復が注目点。
(注)本レポートは公開情報に基づく事実整理であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上YoY+14.2%、3年CAGR約+19.7%と高い。一方で1Q成長+1.3%と鈍化が見られるためSではなくA。
- 収益性: S
- 根拠: 営業利益率約42%、EBITDAマージン約51%、ROE約20%。業界平均を大きく上回る水準。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率47–54%、流動比率約215%、D/E約58%。引当増で自己資本比率は低下したが、総じて健全域。
- 株価バリュエーション: C
- 根拠: PERは業界平均並み、PBRは大幅に上回る。EV/EBITDAは約9.7倍(参考)。全体としてプレミアム評価。
補足データ(抜粋)
- 2026/3期1Q(前年同期比): 売上+1.3%、営業利益-0.9%、純利益-3.7%
- セグメント(1Q):
- 処分: 売上2,186百万円(+4.4%)、セグ利益1,361百万円(+8.9%)
- 収集運搬: 売上464百万円(-2.5%)、セグ利益101百万円(-24.9%)
- 仲介管理: 売上42百万円(+23.4%)、セグ利益30百万円(+21.1%)
- 重要イベント: 次回配当前日 2026/3/30予定。決算発表予定(参考):2025/8/7–8/12期間に公表済み。
企業情報
| 銘柄コード | 6564 |
| 企業名 | ミダックホールディングス |
| URL | http://midac.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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