ランドコンピュータ(3924)企業分析レポート
株価: 990円(2025-10-28終値)/市場: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要: 独立系SI(システムインテグレーター)。コンサルから要件定義、設計・開発、導入、運用・保守まで一気通貫で提供。金融(銀行・クレカ・保険)に強みを持ち、流通・公共・医療などにも展開。パッケージ(Salesforce、SAP、SuperStream、COMPANY等)やインフラ(サーバ・ネットワーク・仮想化)の構築・運用も実施。富士通向け案件が主顧客基盤の一角。
- 事業構成(2026年3月期1Q・売上比): SI約56%、パッケージベースSI約37%、インフラ約7%
- 従業員: 595名、平均年齢40.7歳、平均年収548万円
- 本社: 東京都港区芝浦
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 中堅規模の独立系SI。大手(NTTデータ、TIS、SCSKなど)と比較し規模は小さいが、金融分野の業務知見やパッケージ導入支援に強み。
- 競争優位性:
- 金融領域のドメイン知見と既存顧客との関係性(富士通経由を含む継続的な案件)。
- パッケージ(Salesforce/SAP等)の導入・アドオン開発・運用保守までの実績。
- 課題:
- 人材リソース確保(業界共通の採用難・人件費上昇)。
- 大型案件の不採算化リスク(前期まで存在した不採算案件は2025年3月末で収束)。
- 顧客集中(富士通等大手への依存度)と受注変動による売上の振れ。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「VISION2025」(最終年度)
- 重点: M&A、業務提携、DX推進、生成AI・ローコード・アジャイル等の人材育成、クラウドシフト、資本政策・株主還元。
- 方針: 選択と集中により高付加価値ビジネスへシフト、収益性の向上。
- 進捗の見立て:
- 収益性: 不採算案件の収束により1Qで営業利益率が改善(約6.3%→前年同期約3.5%)。
- 成長性: 大型案件の縮小等で1Q売上は前年同期比-7.7%。通期は売上+5.6%、営業益+29.7%を見込む会社計画。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 受託開発(SI)を中心に、パッケージ導入・アドオン、運用保守、インフラ運用等の継続収益も併存。クラウド/運用保守の比重拡大は収益の安定要因。
- 変化への適応:
- 生成AI、ローコード、アジャイル開発などのスキル強化を掲げ、単価・生産性の改善を狙う。
- パッケージ/クラウド案件(Salesforce、SAP等)は需要底堅いが、案件規模のタイミングに左右されやすい。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性: パッケージ導入ノウハウと金融業務の知見が柱。自社固有の大型プロダクトというより、パッケージ×業務の実装力が強み。
- 収益牽引領域(1Q実績・前年比傾向):
- SI内訳: 銀行(堅調、特にネットバンク/信託)、医療(増加)。クレジットカード、産業・流通は大型開発の縮小で減少。
- パッケージ: Salesforce・SAPは前年同期比でやや弱含み、人事給与パッケージは増加。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価990円、会社予想EPS 69.63円、BPS 322.36円
- 指標:
- 予想PER: 990 / 69.63 ≈ 14.2倍(業界平均23.2倍より低水準)
- 実績PBR: 990 / 322.36 ≈ 3.07倍(業界平均2.3倍より高い)
- 時価総額: 約177.9億円、現金46.6億円、借入1.5億円 → EV ≈ 132.8億円
- LTM売上: 約137.3億円 → EV/S ≈ 0.97倍
- LTM EBITDA: 約17.45億円 → EV/EBITDA ≈ 7.6倍
- 考察: 収益力(EPS)対比では相対的に落ち着いた水準、純資産対比ではややプレミアム。高ROE(実績17.45%)や収益性改善の継続が前提となる評価水準。
7. テクニカル分析
- トレンド: 株価990円は50日線(約953円)、200日線(約768円)を上回る上昇トレンド内。
- 位置: 年初来高値1,019円まで約+3%弱、52週安値597円からは大幅上昇。高値圏での推移。
- 需給:
- 信用倍率6.2倍。信用買残は前週比減少、売残は増加。短期的な戻り売り・利益確定も意識されやすい局面。
- 浮動株が少なく(インサイダー保有約60%)、出来高は小型株水準で、需給要因の影響を受けやすい。
8. 財務諸表分析(単位: 百万円)
- 売上高: 2022/3 9,596 → 2023/3 11,579 → 2024/3 13,733 → LTM 13,731(3年CAGR約+12.6%、直近期は横ばい)
- 収益性(LTM):
- 粗利: 2,841(粗利率約20.7%)
- 営業利益: 1,434(営業利益率約10.4%)
- 親会社純利益: 1,023(純利益率約7.5%)
- EBITDA: 1,745(EBITDAマージン約12.7%)
- 1Q(2026/3期): 売上2,859(前年比-7.7%)、営業益180(+64.8%)で利益率改善。
- 効率性/資本性:
- ROE(実績)17.45%、自己資本比率71.6%(1Q: 70.7%)
- 流動比率約400%、有利子負債は小さい(短期借入1.5億円)
- キャッシュ:
- 現金預金は前期末比+70.7億円(決算短信注記)。潤沢な手元資金が安全性を下支え。
- コメント: 前期の不採算案件収束でマージン改善。売上は大型案件の端境期で足元伸び悩みも、費用管理と高付加価値化で収益性は底上げ。
(注)一部外部集計データと会社開示で数値差異が見られるため、本分析は主に会社開示・財務表テーブルの数値に基づく簡易評価。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想: 2025/3期 36円 → 2026/3期 予想38円(中間19円・期末19円)
- 予想配当利回り: 約3.84%(株価990円)
- 予想配当性向: 38円 / 69.63円 ≈ 約55%
- 自社株買い: 現時点で特段の開示なし(自己株は約1.6万株)
- 方針: 中計で株主還元にも言及。増配基調を維持(特別配当の記載なし)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週騰落+34%程度、10–200日移動平均上に位置。10/21に年初来高値1,019円を更新後、990〜1,005円付近での持ち合い。
- 関心材料:
- 収益性改善の継続可否(不採算案件の再発抑制、単価・稼働率、パッケージ案件のパイプライン)。
- 生成AI・ローコード・クラウド領域の受注動向。
- 顧客集中や大型案件の獲得/縮小による業績ブレ。
- 浮動株の小ささによる需給影響。
11. 総評
- 収益性は改善基調(不採算案件収束、1Qで営業益大幅増)。中計に沿った高付加価値化が進展。
- 売上は大型案件の端境で短期的に伸び悩みだが、通期は増収増益計画。金融・パッケージ領域の受注動向が鍵。
- 財務体質は堅健(自己資本比率70%超、流動比率約400%、手元資金厚い)。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回り、PBRはやや上回る。ROE水準の維持と成長回帰が評価の持続要件。
- テクニカルは高値圏での推移。短期は1,000円前後の攻防、支持線は950円近辺(50日線)とみられる一方、出来高の影響を受けやすい。
(注)本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 3年CAGR約+12.6%。LTMは横ばい~微減、通期は増収計画。総合して高めの評価。
- 収益性: A
- LTM営業利益率約10.4%、EBITDAマージン約12.7%、ROE(実績)17%台。業界平均以上と判断。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率70%超、流動比率約400%、実質無借金に近い保守的バランスシート。
- 株価バリュエーション: A
- 予想PER約14倍(業界平均23倍程度を下回る)、EV/S約1倍、EV/EBITDA約7.6倍。PBRは3.07倍と平均を上回るが、総合して相対的に落ち着いた評価。
参考データ(抜粋)
- 会社予想(2026/3期): 売上145億円(+5.6%)、営業益18.6億円(+29.7%)、EPS 69.63円
- 直近期(1Q): 売上28.6億円(-7.7%)、営業益1.8億円(+64.8%)
- 株主構成: インサイダー保有約59.7%、浮動株約658万株
- 配当: 年間予想38円、利回り約3.84%、予想配当性向約55%
- 値幅: 年初来高値1,019円/安値597円、Beta約0.52(5年・月次)
企業情報
| 銘柄コード | 3924 |
| 企業名 | ランドコンピュータ |
| URL | http://www.rand.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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