極東貿易(8093)企業分析レポート
株価:1,820円(2025-10-28終値)
市場:東証プライム/業種:卸売業(商社・卸売)
時価総額:221億円/発行済株式数:1,215万株
1. 企業情報
- 概要
- 産業設備、産業素材、機械部品に強みを持つ中堅のエンジニアリング商社。防衛・航空宇宙、資源・計測、重電プラント、精密ファスナー、船舶補修部品、樹脂・塗料などを展開。
- 輸出入、卸・販売、代理店機能に加え、修理・保守、システム・ソフトウェア関連、リース、建設請負、保険など周辺サービスも提供。
- 海外売上比率:41%(2025年3月期)
- M&Aを積極活用(例:三幸商会、ウエルストンを連結化)
- 事業セグメント(収益構成の目安)
- 産業設備:約28%(利益率目安:7%)
- 産業素材:約37%(利益率目安:1%)
- 機械部品:約35%(利益率目安:4%)
- 備考:カッコ内は会社開示等に基づく目安。素材は売上規模が大きく、設備・部品が利益率を押し上げる構造。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 総合商社ではなく、産業機械・高機能材料・機械部品にフォーカスした専門商社。防衛・航空宇宙や資源・計測などニッチ高付加価値領域に強み。
- 競争優位
- 技術系商材の取り扱い・アフターサービス能力、海外販路(41%)と調達ネットワーク、M&Aによる品ぞろえ拡張。
- 課題
- 設備投資サイクル・為替・国際情勢の影響を受けやすい。素材は低マージンで収益変動に影響。M&AのPMI(統合効果の極大化)も継続課題。
- 市場シェア
- 定量的なシェアデータは非開示。領域特化×海外案件でニッチシェアを積み上げるモデル。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画「KBKプラスワン2025」(最終年度)
- 目標:連結経常利益19億円、ROE 5.4%に対し、会社計画は経常21億円、ROE 5.5%(期初予想を維持)
- 成長施策
- M&A投資枠:50億円(既に三幸商会、ウエルストンを連結化)
- 高付加価値領域の拡販(海外プラント機器、資源・計測、航空機搭載電子機器、精密ファスナー等)
- 海外販路の深化とクロスセル、アフター・保守ビジネスの強化
- 2026年3月期(会社予想)
- 売上高5,700億円、営業利益18億円、経常利益21億円、純利益16億円、EPS 129.85円を計画(修正なし)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 物販(マージン)+サービス(保守・修理等)+プロジェクト型(プラント・設備)で構成。素材はボリューム、設備・部品が利益率に寄与。
- 持続性の評価ポイント
- 強み:分散ポートフォリオ(設備・素材・部品)、海外比率の高さ、M&A活用、アフターの継続収益化。
- リスク:為替・地政学・資源価格、顧客業界の設備投資サイクル、案件の期ズレ。一過性損益の振れに留意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術性の高い取扱商材
- 海外プラント向け重電機器、資源・計測機器、航空機搭載電子機器、検査装置、精密ファスナー、特殊スプリング等。
- 収益牽引
- 直近期(1Q):産業素材が売上を牽引(シェア43%)し、設備・部品が利益率を補完。M&A連結効果も寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価:1,820円
- 指標(会社予想・実績)
- PER(予想):13.79倍(業界平均12.1倍)
- PBR(実績):0.76倍(業界平均1.0倍)
- BPS(実績):2,387.67円
- EPS(予想):131.96円
- 参考計算
- PER平均ベースの目安:131.96円 × 12.1倍 ≒ 1,596円
- PBR平均ベースの目安:2,387.67円 × 1.0倍 ≒ 2,388円
- EV/EBITDA(概算):EV ≒ 221億 + 借入78億 − 現金103億 ≒ 197億円
- EBITDA(正規化)≈ 296億円 → EV/EBITDA ≒ 6.6倍
- 含意
- 予想PERは業界平均よりやや高い一方、PBRは1倍未満で簿価割れ。収益力(ROE)や一過性損益の影響を踏まえた評価の見極めが必要。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日線:1,772円、200日線:1,607円。株価は両移動平均線を上回る上昇基調。
- 52週高値:1,880円、安値:1,315円。現在値は高値圏に接近(やや押し)。
- 需給
- 信用買残:121,700株、信用倍率:48.68倍と買いに偏重。短期の値動きは需給要因の影響を受けやすい局面。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上:百万円)
- 2022: 39,705 → 2023: 42,657 → 2024: 43,660 → 過去12か月: 52,982
- 3年CAGR ≒ +9.9%、直近YoY ≒ +21%
- 収益性
- 粗利率:約20〜21%(安定)
- 営業利益率:4.59%(LTM、会社指標)/約3.9%(損益表ベース)。1Q営業利益率:4.58%(前年2.04%)
- 純利益:LTMで一過性損益の影響あり(Total Unusual Items: +20.54億円)。正規化利益は約20.3億円。
- 効率性・資本収益
- ROE:実績 13.5%(LTM会社指標では15.5%)
- ROA:3.1%
- 安全性
- 自己資本比率:50.6%(1Q:51.8%)
- 流動比率:1.79倍
- 総有利子負債:78億円、現金同等物:103億円 → ネットキャッシュ
- キャッシュフロー
- 四半期CFは未作成注記。減価償却は年率で約37億円規模(LTM)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間配当(実績/予想):70円(中間35円+期末35円)
- 配当利回り:約3.85%
- 配当性向:TTMベース約23%(一過性益含む)、会社予想EPSベースでは約53%(70円/131.96円)
- 自己株式
- 自己株保有:約2.0%(425,574株:2025/6月末)。近年の買戻し実績はあるが、現時点で新たな公表は—。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近10日:高値圏でもみ合い、押し目を挟みつつ50日線上を維持。52週で+28.4%と相対的に良好。
- 投資家関心
- 平均出来高(3カ月):約4.7万株。信用買い優勢。材料としては、M&A効果の進捗、海外プラント・資源計測・航空宇宙の受注動向、為替の影響が注目点。
11. 総評
- 事業面
- 海外・高付加価値領域に強い専門商社。M&A寄与と海外案件の伸長で売上成長が加速。素材でボリュームを確保し、設備・部品で利益率を底上げする構造。
- 収益・財務
- 粗利率は安定、営業利益率は改善基調。財務健全性は高く、ネットキャッシュ・自己資本比率5割超と保守的。
- 直近の純利益には一過性益が含まれ、TTM EPSは上振れ。会社予想では利益水準の正規化(減益)を見込む。
- バリュエーション
- 予想PERは業界平均を上回る一方、PBRは1倍未満。ROE水準と一過性の影響を織り込むと、評価は「割安・割高材料が混在」。
- テクニカル・需給
- トレンドは上向きで高値圏。信用買い残の積み上がりにより、短期は需給の振れに注意。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +20%超、3年CAGR約+10%、1Q売上+53%。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約20%、営業利益率LTM約4.6%(業界感応度考慮)。一過性除外後も中位。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率51%前後、流動比率1.79倍、D/E 27%・ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:予想PERは業界平均超、PBRは1倍未満、EV/EBITDA約6.6倍と概ね中立圏。
参考データ
– 決算:2026年3月期1Q 売上1,604億円(+53%)、営業利益7.34億円(率4.58%)
– 今後の主な予定:2026/3/30 権利落ち(予定)
– 配当:年間70円(予想・据え置き)
注記
– 一過性損益(2025期 LTMで約20.5億円)は除外して分析。
– 不明項目は—とし、外部推測は行っていません。
企業情報
| 銘柄コード | 8093 |
| 企業名 | 極東貿易 |
| URL | http://www.kbk.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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